花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

帯仕立ての道具 -仕立て台-

2007-12-21 | 帯仕立ての道具

presented by hanamura


今回から数回に分け、
帯を仕立てるための道具について
お話しをします。

道具とは、職人にとって体の一部であり、
また、上質な帯を仕立て上げるための仲間でもあります。

その道具たちを眺めてみれば、
帯仕立ての奥深さが
垣間みれるのではないでしょうか。
 


「仕立て台」について



上質な帯を仕立て上げるために
かかすことができないもののひとつ、
それが「仕立て台」です。



仕立て台は、桜のムク材(合板ではなく天然材)からつくられます。

桜の木は、とても丈夫で長もち。
そして表面はざらつきがなく、とてもなめらかです。   
そのため、ダンスホールや練習場の床などにも
よくつかわれているようです。

帯の仕立ては、仕立て台の上に
布などをひかず、
直接帯反をのせ、仕立てていきます。

ときには仕立て台の上に足をのせたりと、
からだ全体を使用する
帯の仕立て方は、
「男仕立て」とも呼ばれています。

そのため、からだの重さに耐えることができ、
なおかつ帯反に傷がつかないようなもの
でなくてはなりません。

丈夫で、なめらかという性質を持つ
桜材は、仕立て台にもっとも適した
材料だといえます。

仕立て台の寸法は、
巾は1尺1寸(約42cm)、
長さが3尺4寸から3尺5寸(約130cm)、
高さが6寸(約23cm)といったところです。

この寸法は、
帯の巾や、長さにちょうどよい
というだけではありません。

ときにはその長さを用い、
帯芯の寸法を図るなどの
役割もはたします。
  
そして、実際に帯を仕立ててみると、
「なるほど!」と納得してしまうぐらい、
仕立てるときの姿勢や、その作業についても
実によく考えられています。 

仕立て台は、帯仕立てを支え、
その作業を助けてくれる
「とても頼れる」道具なのです。

● 次回は帯を仕立てるときに必要な道具~その2~のお話しです。

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