花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

悉皆屋さんのおはなし-その8-

2008-09-09 | 悉皆屋さんのおはなし

presented by hanamura


「洗い」について

前回の「悉皆屋さんのおはなし」では、
雨の日についてしまった着物や帯のシミについてお話しをしました。

しかし着物や帯のシミは、
雨にあたったときだけではなく、気を使っていても、
いつの間にかついてしまっていることがあります。

そのため、自分でできる「シミ抜き」があれば、
とても助かりますね。

そこで、悉皆屋さんに「自分でできるシミ抜き」について、
伺ってみました。



『呉服のお手入れ用の溶剤はいろいろ市販されています。
業者の場合は落ちのいい揮発性のあるベンジンを使っています。
ただ、皆さんが衿や袖口をお手入れするなら、
落ちの悪いベンジンを混入したほうがいいと思います。』

しかしこのベンジンは、
シミの成分そのものを消すことはできません。
そのため、シミを落とすためにはちょっとしたコツが必要のようです。

『小さな容器でシミを一ヶ所だけ落とそうとすると、
輪ジミが出てしまいます。
衿をやるなら衿全体を思い切ってやること。
そして、小さな容器ではなく、大きな容器でやると楽にできます。』

なるほど。ケチらず大胆に落とすのがコツなんですね。
そして、もうひとつ大事なコツを教えていただきました。

『シミのポイントは際です。
シミの際をどうごまかすかがシミ抜き屋の技術です。
際だけをなんとかごまかせば、
内側は手をつけなくてもあまり目立たなくなります。
あとは外の色と内側の色をうまくはき合わせるだけ。
それができるしみ抜き屋というのが上手なシミ抜き屋。
つまりは、シミ抜き屋というのはごまかす商売なんです。』

上手に「ごまかす」ということは、布やシミの状態を熟知している
からこそできるのでしょう。
プロのシミ抜き屋さんのように、上手に「ごまかす」ことは、
難しいことかもしれません。

しかし、簡単な汚れならばシミ抜き屋さんにならって
ベンジンをだいたんに使い、
シミそのものををとるのではなく、際をとるようにすると良いそうです。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は9月16日(火)予定です。


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