presented by hanamura
天気予報に傘マークがつく日がつづいていますね。
しかし、夏至も過ぎて季節は確実に夏を迎えようとしています。
そろそろ、夏休みに海や山へ行くための
計画を立てている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
海と言えばやはり国内では沖縄への旅行者が多いようですね。
本州ではみることができないような、
青く透き通った海と白い砂浜、南国の草花が旅行者を迎えてくれます。
しかし、沖縄は戦争の悲しい歴史をもつ場所でもあります。
今日6月23日は沖縄慰霊の日。
沖縄戦終了から64年が経ったようです。
今日は、その沖縄県でつくられている
「宮古上布」についてお話ししましょう。
宮古上布は、夏の高級着物として、
よく知られていますね。
沖縄県・宮古島でつくられている麻織物です。
1978年に国指定重要無形文化財にも指定されました。
宮古上布の滑らかな肌触りや、
伝統文様を織りだした絣柄は、
とても繊細で上品です。
宮古上布の「上布」とは、
庶民が着ることのできた「下布」に対して
上等な麻布のことを指したようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/a4/1d9b6c544e5998b7cf5db4ddabe85924.jpg)
しかし、宮古上布も例にもれず、
それを織り上げる作業は、
たいへんな労苦と
長い時間をともないます。
原料となるのは、宮古島で栽培されている
芋麻(ちょま)とよばれる麻です。
芋麻は、沖縄の方言では「ブ-」とよばれていますが、
なにかユーモラスな響きのある名前ですね。
この芋麻は繊維が細くて長く、
引っ張っても切れることがない強いものです。
芋麻の発育は、織リ上がったときの仕上がりにも影響するので、
一時も目が離せません。
そのため、植える場所や肥料などに気を配りながら育てていきます。
やがて、茎の高さが1.5メートル以上になった芋麻は、
茎だけを刈り取ります。
そして、表側を剥いで繊維以外をそぎ落とします。
余分なものが剥ぎ落とされた繊維は
水洗いしたうえで陰干しにします。
次に、糸積みの作業です。
まず、芋麻の繊維を髪の毛ほどに細かく裂きます。
そして裂いた繊維同士を
結ばずに撚り合わせながら繋いで1本の糸にします。
その際に、麻が乾燥してしまうと
撚り合わせられなくなってしまうので、
糸積みをする人は、
自らの唾で繊維に水分を与えていきます。
これは、たいへん根気のいる作業です。
着物1反分の糸を作るには、およそ3ケ月以上かかるそうです。
もちろん高い技術がなくてはならないので
高齢者の経験に裏打ちされた技術が必要とされます。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は6月30日(火)予定です。
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