presented by hanamura
ここ東京でもいよいよ梅雨入り間近となりました。
紫陽花が所々で咲きはじめ、
この季節のモノトーン気味の景色に
彩りを添えています。
梅雨の時期は湿気があって、
暑くなくても汗が出てしまいますね。
こうした湿気のある季節に、
皆さんは何をお召しになっていらっしゃいますか?
「着物はこの時期暑いから」と
和装を敬遠される方も多くいらっしゃいますね。
そこで今回のお話しは「縮み」についてです。
「縮み」の素材となるのは、絹や麻、木綿などさまざまです。
「縮み」はどの素材であっても表面に凹凸(シボ)が施され、
シャリっとしていているために涼やかな肌触りになります。
また吸収性が良く、速乾性にも優れています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/b2/b9c5677466380422503a2c619f3737cb.jpg)
「縮み」は、ほとんど撚りをかけない経糸(たていと)と、
強い撚りをかけた緯糸(よこいと)を使って織ります。
織りの際には、
緯糸が縮むのを防ぐために、
緯糸に糊をつけ、強く引っ張りながら、
まっすぐになるように固めます。
そのため、織り上がった直後の表面には
シボがみられません。
表面のシボは、
織り上げた生地を水とお湯にくぐらせ、
浸すことによって生まれます。
水とお湯に浸すことにより、
付着した糊がとれて緯糸が縮みます。
また長い時間浸すことで、
生地はさらに大きく縮んで糸の密度が高くなり、
細かなシボができるのです。
こうして「縮み」が完成します。
この「縮み」の技術は絹織物として中国で生まれ、
日本には桃山時代になって伝えらました。
江戸時代になると、絹以外にも麻、木綿を素材とした
「縮み」が日本各地で競ってつくられるようになりました。
湿気の多い日本の気候に、
「縮み」はたいへん適しているのでしょう。
まだお召しになられたことがない方はぜひ一度
お召しになってみてください。
帯のアトリエ花邑では、
現在「縮み」を素材とした名古屋帯をご紹介しています。
ぜひご覧ください。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は6月16日(火)予定です。
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