花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

花邑日記-2009年2月10日(快晴)-

2009-02-10 | 花邑日記

presented by hanamura


「花邑日記」

立春を迎えて、春の気配が感じられるようになりました。
こころもち暖かな日ざしの中、
浅草で開かれた骨董市に行ってきました。

骨董市がはじまるまでに多少時間があったので、
浅草の町をふらりと散策してみました。
浅草の町は、いままで東京に住んでいながらも
なぜかあまり行く機会がなかったところです。
早朝だったので、まだ開いている店は少なく、
ゆっくりはできませんでしたが、すこし歩いただけでも、
浅草の情緒あふれる雰囲気を感じとれました。



仲見世通りに向かう途中に面白いものをみかけました。
まず目についたのが、看板の上に登る歌舞伎役者。
背景にみえる現代的な高いビルとのギャップが、
人形の存在を際立たせています。

この人形は歌舞伎の「白浪五人男」の1人。
白浪五人男は、東海道をまたにかけた大泥棒たちのお話です。

幕末から明治にかけて活躍した歌舞伎作家である、
作者の河竹黙阿弥が近隣に住んでいたこともあって
「町の歴史を伝えるために」と考案されたもののようです。

向かいの店の屋根には、ちょっと色っぽい人形も。
女装の盗人、弁天小僧菊之助ですね。
「消火栓」の標識と並んだそのコントラストが、
とてもユニークです。



浅草にはその他にもおもしろいものがいくつもあります。

例えば、路上にある変圧器。
木製の囲いがされていて、
一見だけでは変圧器とはわかりません。



また、町でよくみるポップな自動販売機も、
江戸情緒に合わせたデザインに変えられています。
多くのところに、現代的なものと古いものとを馴染ませる工夫が
されているんですね。



浅草のような観光地だけではなく、
普通の住宅街にもこういった配慮があれば、
町はもっとあたたかく、楽しいものになるのではないでしょうか。


花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は2月17日(火)予定です。


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