presented by hanamura
「袋帯」について
6月は、結婚式の多い季節ですね。
親戚や、友人の結婚式によばれている人も、
たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
結婚式にはぜひ、着物で出席したいですよね。
結婚式にはふつう、留袖や振り袖などの
礼装用の着物を着ていきますよね。
今回お話しする「袋帯」は、
その礼装用の着物に締める帯です。
「袋帯」は、前回の「丸帯」のお話しでも登場しましたね。
「丸帯」と同じように、金銀が織り込まれた
吉祥文様の柄で、豪華な帯です。
お祝いの席にふさわしい華やかさと、格があるので
結婚式にはぴったりな帯だと言えるでしょう。
「袋帯」の柄は全体に織られた「総柄」だけではなく、
「六通柄」と「お太鼓柄」と呼ばれるものがあります。
「六通柄」は、帯の表側の6割に柄があるものです。
「お太鼓柄」は、お太鼓部分と、前部分のみに柄があります。
この中で1番「格」が高いのは全体に柄が織り込まれた「総柄」の「袋帯」になります。
また、「本袋帯」と呼ばれる「袋帯」も「格」が高い「袋帯」です。
「袋帯」は、ふつう表地と裏地に別の布を用いて、
縫い合わせ、帯芯を入れて仕立てます。
しかし、同じ「袋帯」でも「本袋帯」と呼ばれるものは、
帯がもともと筒状になって織られているので、
両端に縫い目がでないものです。
この「本袋帯」を仕立てるときは、
開いている帯の下端を縫い合わせます。
「袋帯」を華やかに見せるもう一つの要素は、
「袋帯」ならではの帯の結び方にもあります。
そのため、「袋帯」は、他の帯より長めにつくられています。
その寸法は、巾が8寸2分~5分(32cm前後)、
長さが1丈1尺5寸(436cm)。
一方、ふだん着用に用いる「名古屋帯」の寸法は
巾が、8寸2分前後(31cm前後)、
長さが9尺5寸(360cm)です。
帯の中で最も華やかで、格のある「袋帯」ですが、
現在では豪華な柄行きの「袋帯」だけではなく、
モダンでシンプルな柄行きの「袋帯」も揃っています。
こういった「袋帯」は、お洒落袋帯として
小紋や付け下げなどにも用いることができます。
上の写真の「袋帯」は、とても珍しい生地を使っています。
その生地に用いられているのはコルク(!)です。
この「袋帯」は、お洒落袋帯の代表といえますね。
このように同じ「袋帯」でも、いろいろな柄行きがあり、
「格」も違うので、合わせる着物や、場所に合わせて揃え、楽しみましょう。
● 写真の袋帯は「帯のアトリエ 花邑hanamura」にて取り扱っております。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は7月1日(火)予定です。
帯のアトリエ「花邑hanamura」ホームページへ