ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

報道の忖度

2018-09-03 11:59:00 | 社会・政治・一般

先月のことだが、埼玉県川口市に住む湊伸治容疑者(45)が殺人未遂容疑で逮捕された。

このニュース、実はかなり問題がある。29年前、戦後の少年犯罪史上最悪の事件といわれた綾瀬市の女子高生コンクリート殺人事件の犯人グループの一人が、この湊容疑者であるようなのだ。

ようなのだと、あやふやな書き方になるのは、本当に湊容疑者があのコンクリ事件の犯人であったか、どうかが未確認であるからだ。だから、大手のマスメディアがこの事件の報道に慎重になるのは理解できる。

だが、現在このニュースはネット上で検索をかけると、大手マスメディアの記事はいつのまにやら削除されているか、隠されている。一度は報じたニュースであるにも関わらず、現在は見つけにくくなっている。

朝日新聞が「従軍慰安婦報道は誤報」と自らの失態を報じた記事を、ネット上で検索しずらくなるように細工していたが、どうも、この湊容疑者の事件もネット上で隠しているのではないかと疑われる。

まったくの別人であったのならば、それはそれで問題。でも、何故にこの事件の報道を差し控えるのかが分からない。

あの29年前の事件の時も、妙なことはあった。一つには女子高生が監禁され残虐に殺された現場が、湊容疑者の自宅で、ご両親は日本共産党の党員(当時)であり、いちいち弁護士を立ち合わせたりして捜査が遅れたこと。また犯人たちが未成年であったことから、実名報道を避けるなど報道に混乱が生じたこと。

そして、綾瀬の事件はあまりに非道であったため、少年法見直しの議論が高まり、人権派弁護士や人権至上主義の政治家、評論家などが必要以上に騒ぎ立てたことなど、思い出すと妙な事件であった。

もっともいくら人権派が隠そうと、あの事件の犯人たちは地元ではバレバレで、湊容疑者もすぐに顔バレしている始末である。少年犯罪に関して、更生の可能性の追求や、罰するだけで解決する問題ではないことなど、いろいろと考えるべきことは数多ある。

私は民主主義社会とは、主権を持つ市民が自分で社会がどうあるべきかを考えて、その上で自分の考えに近い人物に投票して政治家を選ぶことが大切だと考える。だからこそ、考える材料を提供するマスコミの役割が重要となる。

そのマスコミが、考える材料を提供するどころか隠してどうする。それとも、マスコミ様の考えることを市民が追随することが、あるべき民主主義の理想だと考えているのか。

上から目線も、いい加減にしてほしい。

あの罪もない綾瀬市の女子高生を集団で強姦し、虐待死させた少年たちは、6年足らずで社会に再び出てきている。そしてその一人が、今再び犯罪を犯している。

今、マスコミがやるべきことは隠すことではなく、堂々と議論の俎上に上げるための情報を提供することではないのか。厳罰や収監の長期化だけが、少年犯罪への対策だとは決して思わない。

思わないけど、今回の事件は大手のマスコミが後追い報道を避けているみたいなので、世に知られることなく消し去られようとしている。繰り返すが、今回逮捕された湊容疑者が、あの女子高生コンクリ殺人事件と無関係ならば、それはそれで別途はっきりさせるべきだ。

でも、同じ人間だとしたならば、少年犯罪も含めて残虐非道な犯罪に対する刑法、制度、運用などを再考するべきなのではないかと思います。


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