ヌマンタの書斎

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人工知能に思うこと

2018-02-20 11:58:00 | 社会・政治・一般

人間の思考は、二進法ではない。

現在、急速に発達しているのが人口知能である。私もその進歩に驚いた。ここ数年、PCのオンラインゲームを楽しんでいるが、現在やっているのは英語の海戦ゲームである。

全ての表示が英語なので、日本人にはとっつきにくい。でも昨年、配信が停止されたモバゲーの「風雲海戦」の元となったゲームであり、基本的なシステムは同じだ。

だから、さして英語力の高くない私でもなんとかなる。それでも、風雲に比してかなり進歩しているので、どうしても英語の説明文を読みたい。そんな時、以前はweblioの英語翻訳を活用していた。

正直、あまり正確な翻訳ではない。普通の英語ではなく、ゲーム上で使われる軍事用語などを多用するため、weblioの機械的な翻訳は、まともな日本語になることのほうが珍しかった。

ところで昨年からCMなどで「OK、GOOGLE」の科白を耳にしたことがあるのではないかと思う。ユーザーの問いかけに答えるIT機器の宣伝であり、現在売れ筋の商品でもある。

その頃から同じゲーム仲間から、GOOGLEの自動翻訳性能が向上したと聞かされた。数年前にも何度か使っていたが、当時の経験からするとweblioよりも性能は低かったと感じていた。

ところが、昨年久々に使ってみたら、その自動翻訳性能は明らかに上がっていた。もちろん、そのまま使えるほどではないが、少し推敲すれば、十分実用に耐えうる水準ではないかと思っている。

よくよく調べてみると、その自動翻訳機能に以前からあったA1(人口知能)システムを大幅に改良したようなのだ。ある程度、ロジスティックな文章ならば、かなり正確に翻訳できているのではないかと思う。

ただ情緒的な言葉になると、正確さが仇になり、綺麗な文章にならないことも多々ある。このあたりは、改善の余地があるだろう。でも、A1システムは、今後も改良され続けるようなので、かなり期待できると思っている。

人間の脳の中で、電気信号が発せられると分かったのは20世紀に入ってからだ。その後、電気信号だけでなく、脳の内部で様々な化学反応が起きており、それもまた人間の思考に影響を与えているらしきことが判明したのは、更にその後のことだ。

苦しくなると、脳内麻薬物質を発生させることなど、たいへんに興味深い現象が、我々の脳の中で行われているのだが、如何せん倫理上の問題で、安易に実験や解剖などが出来ない。

だから、人体の構造のなかでも、思考がどのような仕組みで行われているのか、未だ解明の途上である。ただ、論理的な思考は、電気信号のやり取りからして、大脳皮質の比較的表面上で行われていることは分かっている。

その一方で、食欲とか恐怖といった感情、本能は脳幹の奥深い部分で作用していることも分かってきている。ただ、その全体的な仕組みは、まだ良く分かっていない。

それゆえに、現在研究され、開発され商品化にまで至った人口知能は、あくまで論理回路のみで構成されている。それも、0か1の二進法の仕組みにより構成されている。でも、人間の情緒が二進法で構成されるかどうかは不明なのです。

つまり人間の思考は、未だ全てが解明されてはいないのですが、ある程度は実用性を持たせることに成功しているようです。これは相当な性能向上であり、ある程度これまで人間が担当していた業務を、A1が代替することも可能なほどです。

この方向で技術が進むと、間違いなく人件費削減を目的とした省力化が、今後進展していくと予想されます。そのターゲットは、これまでの製造現場ではなく、事務系の仕事になるはずです。つまり、ホワイトワーカーというか事務系の職種についてA1が採用されると、必然的に人減らし、給与減額となるのではないかと想像できるのです。

他人事ではありません。私の職域でも、必ずやA1は導入されるでしょう。私の予想では年末調整や、伝票入力などがその対象になると思うのです。つまり強力な商売敵になる。

でも、警戒はしても恐れる必要はない。むしろ積極的に取り入れて、業務の効率化を図るべきだと考えている。だからこそ、今後はA1の動向に注視していこうと思います。


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