ヌマンタの書斎

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亀甲船

2019-11-26 12:15:00 | 社会・政治・一般

空想に逃げていてはダメだと思う。

おそらくコリアの人以外からすると、今回のGSOMIA終結騒動は理解できないはずだ。如何にシナとの貿易が増加しようと、基本的に南コリアは西側社会の国家である。特にアメリカと日本に対する依存度は非常に高い。

一例を挙げれば、貿易の際に必要となる信用状というものがある。遠く離れた国の企業との間の取引は、どの企業にとっても不安がある。そこで銀行が介在して安心させて取引をさせる仕組みがある。それが信用状なのだが、韓国の銀行は国際的に信用がないので、日本の銀行が信用状の発行を代替している。

みずほ銀行が有名だが、別にコリアに肩入れしているのではなく、手数料収入が高額なのでやっているだけである。これを客観的にみれば、韓国経済は、まだまだ世界市場での信用度が低いことの顕れでしかない。

しかしコリアの人たちは、この惨めな現実を直視しようとしない。相変わらず造船世界一、スマホは世界一、液晶TVも世界一だと胸をはる。別に嘘ではないけれど、他に認識すべきことがあると思うが、それはなかったことにしている。

このおかしな傾向は、昨日今日のことではない。私に言わせれば千年以上にわたる病理的な現実逃避である。

その一例として亀甲船を取り上げたい。

豊臣秀吉による朝鮮侵攻の際、日本軍を殲滅した主力艦船として知られている。しかし、専門家筋からは、その実在を疑問視されていたことは、あまり知られていない。

日本から朝鮮半島への移動は、伊勢の九鬼水軍が担っている。九鬼水軍といえば、信長の本願寺包囲戦において鉄甲船を持ちいて、当時日本最強を誇った村上水軍を打ち破ったことで知られている。

もし本当に亀甲船が日本水軍を殲滅したというのならば、そのことは間違いなく九鬼水軍により記録されているはずだ。普通の平船とは違うことは、よく分かっているはずだからだ。

しかし、朝鮮の亀甲船に関しては、日本側の記録には一切登場しない。それどころか、当初、海戦を想定していなかった日本軍が、朝鮮水軍の攻撃を受けて被害を受けたことは記録されているが、その後はむしろ撃退している。

この朝鮮水軍を率いた李舜臣については、また改めて書きたいので割愛する。ただ、はっきりと分かっているのは、朝鮮水軍の活動により日本から半島への兵糧補給などが滞った事実はないことだ。

これは明軍が参戦してからも変わらず、朝鮮及び明の主たる将兵が海戦により死亡した事実は記録されているが、日本側の主たる将兵については海戦での戦死の記録がないのが現実である。

一言で云えば、秀吉の朝鮮侵攻からの撤退は、明及び朝鮮の妨害にも関わらず粛々として行われ、二回とも無事帰国している。現在、韓国側で宣伝しているような日本軍の殲滅なんざあり得ない。

あの撤退は、あくまで日本国内の事情(秀吉の死去)が原因であり、明及び朝鮮軍との戦闘の結果ではない。もっと言えば、半島で駐留していた日本軍が最も苦労したのは、正規軍との戦闘ではなく、奴婢たちの背信とゲリラ活動である。

元々、朝鮮半島では武人は軽視され、文人優位の社会が築かれていた。これはこれで平和な社会を実現したと評価しても良い。しかし、そのせいで軍事力が著しく低い。そのせいで、最初の侵攻では、あっという間に京城まで行けてしまった。

ただ日頃、海賊(倭寇)対策で強化されていた水軍だけが、かろうじて軍としての体裁を為していた程度である。李氏朝鮮の支配階級(両班)は、肉体的に貧弱なだけでなく、実戦経験が乏しく軍としては極めて弱かったのが実態である。

しかしながら過酷な農作業で鍛えられた奴婢階級は違う。筋骨たくましく、農機具を武器に夜間に日本軍を襲ってきている。このゲリラ活動には、戦国時代を生き抜いた日本の武士もほとほと悩まされたようである。

にもかかわらず、彼ら奴婢たちの戦いは、朝鮮側の記録からは抹殺されている。誇り高い両班たちは、奴婢たちが自分たちより活躍した現実を認めたくなかったのだろう。かろうじて日本側の記録にのみ、彼らの活躍は残されている。

余談だが、少し前に韓国では亀甲船を再建するイベントが実施された。記録を元に建造したのだが、いざ亀甲船を海に浮かべると沈んでしまい、今では陸上に残置されたまま展示されている。

どうやら500年前のほうが建造技術が高かったらしい。造船世界一が聞いてあきれるが、おそらく500年前も、ほとんど活躍はしていないのではないかと思う。

それでも現実よりも空想を重んじるコリアでは、今でも亀甲船は日本水軍を打ち破ったと宣伝されている。率直に言って秀吉の朝鮮侵攻は事前の準備不足もさることながら、どうみても失敗である。

ただし、その失敗は明及び朝鮮軍に敗れたからではなく、あくまで日本国内の事情による撤退である。実際、その撤退中に幾度も戦闘が起きているが、日本軍は見事に敵を打ち破って堂々帰国を果たしている。敗走とは程遠いものである。

しかし、今もコリアではその事実を認めない。あくまで朝鮮軍と援軍の明軍により日本を打ち破り、殲滅して追い出したと声だかに叫ぶ。日本人としては、いい加減現実を直視しろと言いたい。

でも無理でしょうね。コリアは世界一との幻想に浸りきっているので、その麗しき理想と相反する現実は断固認められないのでしょう。今回のGSOMIAの件も、自分に都合の良いシナリオを描いて、その通りにならない現実に右往左往しているだけ。

日本にとって良かったのは、コリアの本質がよく分かったはずで、国際親善に夢を見る脳内平和愛好市民に冷や水を浴びせることが出来たことでしょう。アメリカにしたところで、オバマの時に終わったと思っていた事案が、未だに続いていることに呆れ果てているようです。

多分アメリカ国防省は、本気で半島からの撤退を考えているのではないかと思います。日本にとっては悩ましいところです。コリアの実態をアメリカに理解してもらえる反面、日本列島が最前線となる訳ですから。


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