ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

容疑者Xの献身 東野圭吾

2015-09-28 13:03:00 | 

やっと読みきれた。

ここしばらく、映画や時事評、漫画とブログの記事が偏った最大の原因が、この表題の書である。とにかく読むのが滞った。自分でも不思議なくらい、読むのに時間がかかった。

原因の一つに、季節の変動がある。実は季節の変わり目は、けっこう体に負担になるらしく、特に夏から秋と、秋から冬の季節の変わり目は体調を崩すことが多い。私の場合は、その負担が眠気にでるらしく、電車でウトウトする時間が増える傾向がある。

だから車中で、鞄の中に常備している単行本を気にしながらも、眠気には勝てないとして、短時間の仮眠をとってしまう。実際、眠気はキツイほどで、9月だけでも3回寝過ごして目的の駅を通過してしまている始末だ。

だが、寝過ごすことはあっても、この本に夢中になって乗り過ごすことはなかった。途中で犯人の仕鰍ッたトリックが透けてしまったからだ。ネタばれになるから書かないが、トリックとしては古典的であり、ミステリーが推理小説とされていた頃からのファンである私には解き易いトリックでもある。

しかし、この古典的手法であるからといって、この作品の価値が下がる訳ではない。むしろ、犯人の内面の葛藤と、探偵役の湯川の静かな対峙には、十分心惹かれるものがある。

以前、初めて読んだ東野圭吾の「さまよう刃」に失望したものだが、これなら十分納得の作品である。熱烈なファンが多いのも良く分かる。最初にこれを読んでおけば、ベストセラー作家・東野圭吾の印象がたいぶ違ったと思う。

その意味で、少し残念な出会いであったと思う。ただ、その力量の高さとこの作品の質の高さをもってしても、私がこの作家の熱烈なファンになることはないような気がします。

まだ確信がないので、他の作品を数冊読んでみてから再考してみようと考えています。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ごみつ)
2015-09-28 20:21:13
こんばんは!

私も、今、引っ越しのための準備作業で(またおってブログでもご報告します)おおわらわな状態で、映画ももちろん、本もあんまり読めてません。

そういう時期もありますよね。

「容疑者X」は映画は見ました。なかなか面白かったですよね。
映画だけですが「真夏の方程式」も面白かったな~。

ガリレオシリーズの書籍は1作目の「探偵ガリレオ」は読みました。短篇のオムニバスで凄く面白かったですよ。(*^。^*)
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Unknown (セレンディピティ)
2015-09-29 10:12:18
こんにちは。

東野作品は私もそんなにたくさん読んでいるわけではないのですが
とにかく多作の作家さんなので、はずれもそれなりにあるのでしょうね。

容疑者Xはトリックや動機はたしかに弱いところがありますが
犯人と湯川との駆け引きには引き込まれました。

私がお勧めしたいのは、「白夜行」と「祈りの幕が下りる時」です。
どちらも長編ですが(特に白夜行)ご興味がありましたら。
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Unknown (ヌマンタ)
2015-09-29 12:12:26
ごみつさん、こんにちは。年に数回あるんですよ、本が読めなくなる時期が。もう終わりましたが、今度は仕事が邪魔をします。
ガリレオ・シリーズへの評価が高いことは知っていましたので、ある意味納得ではあります。少し時間を置いてから、他の作品を読んでみることにします。
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Unknown (ヌマンタ)
2015-09-29 12:15:09
セレンディビティさん、こんにちは。多作で駄作が多い作家といえば、バルザックが有名ですね。なんか、読みたくなってきました。
ちなみに「白夜行」は未読の本の山脈の中に埋もれているはずです。いずれ掘り出したいと思います。
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