ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

カンニングの思い出

2012-02-03 13:34:00 | 日記

丁度、大学受験のシーズンである。

昨年、携帯電話を駆使したカンニングが発覚して話題となっていたようで、今年もいろいろと喧しいようだ。カンニングに関しては、古代シナの科挙でも行われていたことの記録があるぐらいだ。そう簡単に廃絶することは出来ないだろうと思う。

私自身に関して云うなら、自分がやった経験はほとんどない。落ちこぼれであった時は、そもそも試験でイイ点を取るという発想がないから、カンニングは必要なかった。

一転優等生を目指すようになると、日頃の勉強の成果がどの程度なのか、それが知りたくて試験を待ち望んでいたぐらいだから、カンニングは必要なかった。

自分自身のためのカンニングとは無縁であったが、クラスメイトのためのカンニングなら相当稼がせてもらった。高校では、成績が悪いと赤点となり、それが5つ以上だと留年となる。

私は成績だけは優等生であったが、日頃親しくしている連中は勉学に関心の薄い奴等が多い。私としては一緒に進級したいし、卒業もしたい。そこで彼等に協力してやることにした。

だいたい、彼等が苦手とするのは解答に途中経過を示さねばならない数学と物理だ。学校側も厭らしいことに、公式だけ暗記していても解けない問題を出す。

そこで私の周囲に赤点を取りそうな奴等を集める。私は速攻で自分のテスト用紙を埋めておく。満点は無理でも90点ぐらいなら取れているはずだ。だいたい試験時間50分のうち30分程度で済ませる。

それから大急ぎで小さなメモ用紙に、少し勉強していれば取れそうな問題部分だけをピックアップして、計算過程と答えを書いた。しかも、同じ問題でも、微妙に計算過程を変えておく。

このメモを先生の目を盗んで周りの奴等にまわす。こうしておくと、彼等は一人ひとり、計算過程が異なる正解をテスト用紙に書くので、カンニングだとばれにくい。

事実、試験が終わって数日してから1人、2人個別に呼び出されたらしいが、まったく同じ解答ではないので、先生もカンニングだと断言できない。それでも疑わしいので呼び出したらしい。

まったく先生の勘は正しい。ろくに授業に出ておらず、勉強など一夜漬けさえ怪しいのだから、正解が書ける訳がない。まったく同じ解答ならばカンニングだと確信しただろうが、微妙に計算過程が変えてあるのでカンニングだと断言できなかったのだろう。

もちろん、呼び出された連中は「一夜漬けで猛勉強した成果です」と腕組みして胸を張って返答していたらしい。もっとも、腕組みした途端、胸ポケットにタバコが入っていることに気がついて、そちらのほうが心配だったとぼやいているのだから、しょうもない奴等である。

馴染みのパブで水割りを飲みながら、爆笑してその呼び出しの内容を聞いたものだ。まさか先生も、私が個別にカンニングペーパーを作成して配っていたとは思わなかったらしい。

おかげで、私と同じクラスの遊び仲間は、誰一人留年することなく一緒に卒業できた。目出度し、目出度しである。

昨年、ほぼ30年ぶりに高校の同窓会をやったのだが、当然カンニングの話が出て、みんな大笑い。それを知らなかった真面目なクラスメイトがビックリしていたのが印象的でした。

同じクラスメイトがそうなのだから、先生が知ったら卒唐キるだろうねぇ。

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1 コメント

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Unknown (セレンディピティ)
2012-02-04 08:42:36
おはようございます。
科挙のカンニングは、半ば公認されていたところがあったようですね。
最近は入試に辞書持ち込み可の大学もありますが
大学側もカンニングしようがない問題を作る努力が必要なのかもしれません…。

それにしてもヌマンタさんは大胆でしたね。
今はカンニング即退学という高校もありますから
友情のために?そこまで危険を冒す生徒はいないかも…
のどかな時代だったのかもしれませんね。
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