ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

テラフォーマーズ 橘賢一

2012-09-21 11:54:00 | 

人口が破滅的に増大した未来の地球。

その解決策として実行されたのが、火星を居住可能な惑星へと改良することだ。そのために、火星に大気をつくり、温める必要があった。そこで導入されたのが、黒色の苔と黒いゴキブリであった。

苔もゴキブリも環境適応力は高く、火星において人類が生息できるようにするための手法として好ましいと思われた。ところが500年後予期せぬ事態が起こっていた。

調査のために火星を訪れた調査隊が、そこで発見したのは進化したゴキブリたちであった。まるでゴリラのような巨躯に、無機質な目線で、ゴキブリがもつ高速移動能力そのもので、いきなり襲いかかってきた。


二次調査隊も全滅こそ免れたが、この進化したゴキブリたちの前に敗退を余儀なくされた。せっかく火星に大気が作られ、温暖化も進んだというのに、人類を目の敵にする進化したゴキブリたちの前に為すすべもない。

それどころか、火星経由と思われる謎の伝染病が地球で流行する始末。きわめて致死性が高く、その対抗薬の開発もままならない。そこで伝染病の原ウィルス入手を目的に計画されたのが、第三次火星調査隊。

こんどは隊員たちに特殊な手術を施して、ゴキブリに負けない戦闘員に仕立て上げた。ところが、いざ火星上空に到達すると、大気圏に入るや否や宇宙船内に進化したっ凶暴なゴキブリたちの侵入を許し、かろうじて軟着陸を果たすが、周囲はゴキブリだらけ。

はたして彼らは任務を果たし、地球へ帰還できるのか。

これが、現在週刊ヤング・ジャンプ誌に連載され、異様な反響を引き起こしている人気漫画の粗筋だ。既に単行本も刊行されており、目にした方もあろうかと思う。

私も毎週、楽しみに読んでいるが、長年SFを読み続けてきたので、いささかの疑問がわき出てくるのを避けられない。そもそもゴキブリをはじめとして昆虫類は、外骨格構造をしている。骨のまわりに筋肉がつく哺乳類などの内骨格とは、根本的に身体の構造が異なる。

そうなると、この火星で突如として現れた二足歩行の内骨格をもつように思われる進化したゴキブリたちは、道理に合わぬ存在だ。作品中でも人類内部における策謀と裏切りの可能性が匂わされている。

想像だけど、この進化したゴキブリたち。おそらくベースは人間で、ゴキブリの特徴を人為的に加えられて進化したのではないか?なぜ、そう思うのかといえば、第三次火星調査隊のメンバーは、戦闘力の高い進化したゴキブリたちに対抗するため、昆虫類の特徴を加味された改造人間たちだからだ。

実際、その戦闘場面をみると、進化したゴキブリたちを一蹴する高い戦闘力を身に付けている。だったら、その逆も可能だろうに。

そんな他愛無い想像を掻き立てられる漫画ゆえに、現在目を離せずにいる作品なのです。いささか残虐な場面も描かれているので万人にお勧めできるものではありませんが、興味がありましたら是非どうぞ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする