のら猫の三文小説

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新しい子猫たち Np.13

2014-01-26 00:00:25 | 新しい子猫たち 

香奈とジブトラストの今後


 

香奈ファイナンシャルは、ヨーロッパでは有名!





切人は、自分達の財産管理会社でもあったマリアホープでは株式投資比率を高くしていたが、資金力を持った香奈海外でも、株式は相当保有していた。切人は資金力をつけてからは、効率的な運用をするために、大きな会社ではそれなりの株式を取得する一方、自分たちが既に取得していた企業の関係も考えて、成長すると考えた中規模程度の企業では、経営に関与できる程度にと使い分けて投資していた。



企業を買収しようとするものではなく、切人が成長する可能性が高いと考えて、儲かりやすいと思って、株式を保有していたのが基本だった。ところが切人はドンドンと儲け、そして、少しずつ保有株が増え、影響力の強い会社は中規模の企業が多くなっていた。



しかし聡美はそんな事はまったく考慮せずに、一気に買い上げる方法で、窮地に陥った大会社に、集中的に投資していた。神元まで、何社かは、市場を通さず、買収するなんぞの事をした。



しかし、神元や聡美は、本来、相場師なので、経営なんぞには関与するつもりはサラサラなく、売買差益を取るつもりが売れなくなったり、保有しても元々配当と云うかすりを貰う積もりだった。



会社としてちゃんと利益を上げていくかを見守るために、ジブの海外子会社、毛利貴金属、香奈オフィスそして、食品事業に造詣の深い切人達にお目付け役や経営を依頼した。



切人や神元、聡美などが登場するまでにも、ジブトラストは、ヨーロッパでは、元々長期保有目的で、香奈は自分の関心が深い、資源、エネルギーそして重工業などの分野に投資していた。製薬、冶部ホテル、機械などの一族の会社と経緯があり、大幅な増資に応じたり、買収したりしていた企業もあった。



ヨーロッパでは、海外ジブ子会社の人が役員になって監視する事から始まったが、自然と貴金属関係は毛利貴金属、資源は香奈オフィス、食品事業は切人達のグループ、そしてホテルは冶部ホテルなどが、取締役を派遣して、単に見張り役とか連絡役などの立場から経営に深く関与する会社まで様々だった。



切人は合理的な人間だったので、自分の立場も有効に利用した。単に利益比例の報酬目的でもなかった。自分達の影響力の強い会社も育てて、切人は、ついに、自分達が多く出資している会社の実権も握り、ヨーロッパの食品産業そのものに深く影響を与える立場になった。



切人は、合理的な人だったので、いい会社が安値になり、そこそこ上がると売り飛ばし、保有リスクを下げるのがほとんどだった。ただマリア財団がアフリカへの援助を食品をベースに行っていた事もあって、食品産業では株式を保有し続ける事が多かった。もっとも株式保有率は、関係の濃淡や業績により、絶えず変化していた。ただ、この事は無言のプレッシャーを与えていた。



そうして切人は株式保有率に比較すると、ヨーロッパの食品産業では、多大な影響を持つようになっていた。ヨーロッパの食品産業の影の帝王とも噂されていた。香奈海外やマリアホープを含めたジブトラスト傘下の企業群はヨーロッパでは増えていた。


新しい子猫たち No.12

2014-01-25 00:00:02 | 新しい子猫たち 

リトルキャット運用会社の新たな展開




リトルキャット運用会社は、従来の子会社でもあった株式会社リトルキャットやその関連会社を持っていた。


しかし、これらの会社は、今では神二郎の不動総合企画や辺郎のアジア快適そして羽郎のブラジルと協力した神帥の食品会社などによって、それぞれの会社の別働隊のようになっていた。



リトルチャたちは、今までの進展を高く評価し、特に口を挟もうとはしなかった。それにナターシャを始めとする猫たちのデザイナーたちも活躍して、リトルキャット運用会社のデザイン室は、かなりのデザイン料も貰っていたし、配当も入ってきていた。



ジブシティ内のリトルキャット本店には、リトルキャット運用会社の株主たちも運営に参加したが、それ以外では参加する余地なんぞは、極めて限定的だった。



リトルキャット運用会社では、新しく設立したリトルキャットプロダクツの食品事業以外でも、いくつかの事業展開を模索していた。猫たちは、切った張ったの取引だけでなく、研究担当の猫たちの意見を考慮して、猫たちも参加していける幾つかの事業を選んで、取引以外にも進出していこうと考えていた。



猫たちも取引に興味のある猫以外にも、色々な分野に興味のある猫がいた。ナターシャのデザイン分野は特殊だったが、それ以外にも学術センターや研究所に通う猫たちの能力も生かしながら、香奈国内の正人や正一たちを通して、国内香奈の事務局に交渉させていた。



又、リトルチャがジブトラストの幹部会議で知り合ったスイスカナコインの連中にも奈津美を通して交渉させ、スイスカナコインの関係する事業に近い所で、リトルキャット運用会社の海外事業を展開していく事をリトルチャは考えていた。



スイスカナコインの猫牧場の猫たちにも異才はいる筈だった。猫語翻訳機は、日本語だけでなく、英語バージョンやドイツ語バージョンをテレサは既に開発していた。人間と猫たちは協力していけると考え、香奈の家の猫たちは、猫たち独自の事業展開を、スイス総合企画の連中とも話し合いながら、日本とスイスで、とりあえず実施していく予定であった。



新しい子猫たち No.11

2014-01-24 00:00:26 | 新しい子猫たち 
リトルキャット運用会社



正一は、リトルキャット運用会社の大物と云えたリトルチャと猫語翻訳機を使い、話をして、適当に話をデッチ上げる事にした。誤魔化すなんぞは正一の得意の技だった。しかしそれだけでも不安なので、リトルチャにも会議に出てもらう事にした。こっそり猫語翻訳機を使い、カンニングする準備もした。



リトルチャは、研究担当の猫たちとも相談して、綿密な報告書を作り、正一に渡した。リトルチャは自分自身で説明する事態も予測して、リトルホワイトとも相談した。リトルチャは、好感度を持つ話し方なんぞ出来ないので、説明の仕方や表情の作り方、話のトーンなど、綿密に準備していた。果たして、付け焼刃の正一の説明なんぞに納得するジブトラストの連中ではなく、リトルチャや研究担当の猫たちそしてリトルホワイトは、猫語翻訳機を使い、直接説明する羽目になった。



香奈は、猫たちの動きは薄々知っていたし、リトルキャット運用会社が好調に推移している事は、正人からも報告されていたが、詳しくは聞かなかった。正人も説明が厄介だと思い、ちゃんと説明していなかった。


香奈自身もリトルキャット運用会社の実態を詳しく始めて知った。


リトルキャットブランドは、不動や辺郎のアジア、神帥のアメリカ、そして羽郎のブラジルが、単にリトルキャットのブランドを使って事業展開しているだけと軽く考えていた。リトルチャは、これらの事業展開やその収益構造などについても詳しく調べさせ、リトルホワイトたち、子猫たちに今後、リトルキャット運用会社としての事業展開、更に実業への展開と絡めた保有株式の整理なども考えさせていた。



思いがけない猫たちの発表に会場は思わずどよめいた。しかし結果がすべての運用の世界なので、スイスカナコインの発表以来の衝撃はあったものの、すぐに議論は白熱し、今後のジブトラストの運営や方針とも絡み、真剣な議論が展開されていった。



猫たちの発想は、独特だった。猫たちには、基礎と応用なんぞの区別もなく、リトルチャからの依頼により、研究担当の猫が、その分野を調べ、リトルチャが投資計画を組み立てていたのだった。



投機筋が、注目を受けて、その手法や手口なんぞを説明しては、もはや投機筋ではなくなるが、リトルチャは、あえて手口を明らかにして、従来の投機的な手法からの発展を図ろうとしていた。今後の猫軍団の未来を考えると、今までの投機的な取引手法だけでなく、ココやチャたちのリスク管理を厳しく取った取引を超える新しい展開がある筈だと感じているリトルチャやリトルホワイトたちであった。



「香奈さんは、珍しく、この間のジブの会議にずっと出ていたね。神太朗君たちそして時には神之助君までも、香奈さんがジブに行っている時にも香奈さんの家に来ているよ。誰と話しているのよ? みんな騒がしくなっているわ。何かあったの?」

香奈「ジブの会議で、リトルチャがリトルキャット運用会社の業績や今後の展開などを説明したのよ。猫語翻訳機なども出来ているのよ。正人がちゃんと説明しないから、私も初めてじっくり聞いたのよ。みんな唖然としていたわ。私が猫の取引と言っている時は、みんな冗談のように聞いていたくせに、やたらとみんな質問するのよ。


リトルホワイトが司会なんぞして、議論を判りやすいように整理するのよ。リトルチャは、もはや運用だけではなく、猫たちの将来のためには、猫の能力を発揮できる事業に進出して、安定的に猫軍団の将来を支えて行きたいと考えているみたいなのよ。それに野良猫たちも出来るだけ保護して、その能力を活用していきたいと考えているらしいのよ。リトルキャット財団も出来ているなんて初めて知ったわ。」

「それは私は聞いているわよ。今までの地域猫保護の人たちとリトルキャット運用会社の人たちが話している事は財団の人から聞いたわよ。陽太君は不動マンションの人たちの仕事にもなるからと言って、不動財団は、協力しているらしいわ。財団でもペットとの共存による精神安定効果を考えているから、協力できる所はあるかも知れないと考えているわよ。

香奈「そうなの。正人が詳しく説明しないのよ。リトルキャット運用会社が利益が出ているから、色々と猫たちの為の活動にも資金を出していますとは聞いていただけだったのよ。神太朗君たちの実業グループも衝撃だったみたいだよ。株式会社リトルキャット以外にも色々な事業展開を考えているのよ。



スイスカナコインの連中もショックだったみたいなの。スイスの猫たちにも異才はいるらしいとリトルホワイトが云うから、猫語翻訳機を貰って、話してみると言っていたわ。今は日本語変換機能だけでも、ネコスキーノはまだ元気で、日本語もできるし、大学院大学では日本語をできる人もいるらしいのよ。コッソリートも猫に元気づけられ、取引のヒントも貰ったと言っているらしいのよ。



イチコプロダクツと合弁で会社を作り、食品事業から始め、ロボットや資源なども展開していくらしいのよ。猫の能力を最大限に発揮するための薬なんかも猫たちは考えているのよ。


遺伝子研究センターも色々参考にしていると今頃、言うのよ。


神太朗君は、スイスカナコインとも連絡を取って、事業分野の調整をするらしい。リトルチャがスイスの投機筋だった事も判り、神之助君まで驚いていたわ。



リトルチャと神之助君は、波長が合うみたいなの。会議が終わってもナンダカンダとこっそり話していたわ。猫語翻訳機なんか必要ないみたいだったわ。加代子ちゃんのグループのアメリカの責任者までも加わって、話をしていたわ。この三つのグループは気が合うみたいなのよ。リトルチャの説明を聞いて、納得していたわ。今後もこっそり相談しようとか言っていたわ。

「猫も大したものなのね。」

香奈「そうだよ。私がいなくなったらドーダコーダなんて言っている場合ではないのよ。うかうかすると、人間が、猫のペットになってしまうわよ。




新しい子猫たち Nio.10

2014-01-23 00:00:21 | 新しい子猫たち 


組織作りに乗り出す正人



国内香奈の事務局は、正人と正人が集めたもう一つの銀行の退職者を中心に運営していた。香奈オーバーシーズはもう一つの大きな銀行と協調融資もしていたので、香奈オーバーシーズの事務局も兼ねていた。正人の息子の正一や正智も晴れて、日銀や大学も退職したので、早速それぞれ国内香奈そして香奈オーバーシーズの事務局に入れていた。



海外香奈との連絡も必要になり、切人の子供たちの一人も、海外香奈との連絡役として、国内香奈の事務局に入っていた。リトルキャット運用会社もデカクなり、事務処理や税務処理などは、従来頼んでいた、もう一つの大きな銀行の退職者だけでは足らず、人は増えていた。子猫たちは、かなりの株式まで保有しており、ナンダカンダと事務の量は増えていた。



国内香奈は、ノンバンクでもある香奈オーバーシーズ、そして大きくなったリトルキャット関係の事務処理、そして本来の香奈国内の事務処理もしていたので、そんなに簡単な事務処理量でもなかった。



それに正人自身はもう一つの大きな銀行やジブ上海を通して、中国担当の渉外担当でもあったので、やたらと忙しかった。香奈ファイナンシャル関係の企業もそれぞれデカクなり、融資や出資関係の仕事も増えていた。



正人は、もう一つの大きな銀行の退職者の再就職を斡旋すると同時に大きくなっていく本体香奈の組織を再構築する必要に迫られていたいた。リトルキャット運用会社も、子会社であるリトルキャットもデカクなっていた。株式会社リトルキャットの事務や運営などは、不動総合企画がほとんど担当していた。


もう一つの大きな銀行の退職者を中心とするネットワークそしてリトルキャット運用会社に集まった猫好きの年寄りたちをそれぞれ使い分けながら、仕事をなんとか遣り繰りしていたのだった。そのため、子供たちが晴れて退職すると、早速下働きをさせる事にしていた。



正一も正智も、正人ほどではないが、言い訳の技、人を煽てて使う技、はぐらかしの技そして詭弁の技なんかは、身に付けていた。自分の関係する部門から人を巧みに集め、それとなく使うなんぞは出来る男たちだった。



天網恢恢疎にして漏らさずとの喩えもあり、リトルキャット運用会社の急成長は、ジブトラストではとっくに漏れていた。スイスカナコインでは、巨大な資本が結局、リトルキャット運用会社である事を突き止めていた。



ジブトラストの幹部会議でついに話題となり、香奈の個人会社ではあるが、業績の説明や取引手法の説明などを求める声は、次第に強くなった。香奈はリトルキャット運用会社が好調とは聞いていたが、詳しく報告されていなかった事もあり、正人に報告するように言った。正人は、はぐらかしの技に長けた正一に白羽の矢を立てて、誤魔化す事にした。



新しい子猫たち No.9

2014-01-22 00:00:12 | 新しい子猫たち 

リトルキャット財団




レアメタル関係の予想もしなかった収入をベースに出来たリトルキャット財団ではあったが、金だけで、財団は運営できるものではなかった。正人は、不動財団が増設していく予定だった不動マンションに目をつけた。神二郎や陽太に頼み、不動マンションを建設する時に、隣接する土地に、リトルキャット財団として猫ハウスを建設し、既存の不動マンションでは、近くに、猫ハウスを作り、不動マンションの住人に、猫ハウスの世話をして貰って、若干の世話代なんぞも支払う事にした。



不動マンションの住人たちにとっても、賃仕事のアルバイトになるので、陽太たちも引き受ける事にした。テレサの作った猫語翻訳機や自動猫トイレなども用意され、野良猫いや地域猫の資質向上に役立つように、レアメタル浄水機は、不動マンションや猫ハウスにも備える事にした。不動マンションの住人も、猫好きだけとは限らないので、リトルキャット運用会社の株主たちの知り合いにも頼み、各地の猫好きにも呼びかけて、猫ハウスの運用に参加してもらう事にした。


山間部を中心にして、猫ハウス以外に猫牧場も計画した。不動マンションは、住人の再生のために、都市部近郊に建設するので、どうしても、猫嫌いの人とのトラブルも予定されるので、トラブルの少ない山間部にも猫牧場を含めた牧場を作り、食品加工施設を持つ食品事業を考えた。



これには、正人はリトルキャット運用会社の準備金から出資する事にした。猫たちの食に関する指摘は鋭く、遺伝子研究センター、快適農作物研究所、ブラジル食品総合研究所そしてスイスカナコイン微生物研究所からも、既に猫たちは、こっそりとジブ総合研究所や大学院大学に通う猫たちの手によって、協力を取り付けていた。単なる従来型の食品事業ではない予感が、流石に正人にも感じられた。



猫牧場の近くには、本当の牧場なんかも作る事にして、そんなに乗り気でもなかったイチコプロダクツを巻き込んで、リトルキャット運用会社の子会社の一つとしてリトルキャットプロダクツを作り、牧場や養豚場、食品加工施設なんぞも計画した。



あの貴金属会社から買った僻地の山間部では、全て鉱山になった訳でもなかったので、土地はまだまだ空いていたので、そこに目を付けて、有効活用を図る事にした。リトルキャットプロダクツは水産資源にも注目して、幾つかの漁業関係者とも話をした。リアルな漁業も組み込み、巨大な釣堀みたいな大きな池を山間部に作り、天候などの気象条件に左右されない、新しい養殖漁業も考えていた。



正人は、慎重だったので、イチコプロダクツや不動財団、不動総合企画にも協力を貰い、人を派遣して貰い、少しずつ事業展開をしていく事にした。