のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.11

2014-01-24 00:00:26 | 新しい子猫たち 
リトルキャット運用会社



正一は、リトルキャット運用会社の大物と云えたリトルチャと猫語翻訳機を使い、話をして、適当に話をデッチ上げる事にした。誤魔化すなんぞは正一の得意の技だった。しかしそれだけでも不安なので、リトルチャにも会議に出てもらう事にした。こっそり猫語翻訳機を使い、カンニングする準備もした。



リトルチャは、研究担当の猫たちとも相談して、綿密な報告書を作り、正一に渡した。リトルチャは自分自身で説明する事態も予測して、リトルホワイトとも相談した。リトルチャは、好感度を持つ話し方なんぞ出来ないので、説明の仕方や表情の作り方、話のトーンなど、綿密に準備していた。果たして、付け焼刃の正一の説明なんぞに納得するジブトラストの連中ではなく、リトルチャや研究担当の猫たちそしてリトルホワイトは、猫語翻訳機を使い、直接説明する羽目になった。



香奈は、猫たちの動きは薄々知っていたし、リトルキャット運用会社が好調に推移している事は、正人からも報告されていたが、詳しくは聞かなかった。正人も説明が厄介だと思い、ちゃんと説明していなかった。


香奈自身もリトルキャット運用会社の実態を詳しく始めて知った。


リトルキャットブランドは、不動や辺郎のアジア、神帥のアメリカ、そして羽郎のブラジルが、単にリトルキャットのブランドを使って事業展開しているだけと軽く考えていた。リトルチャは、これらの事業展開やその収益構造などについても詳しく調べさせ、リトルホワイトたち、子猫たちに今後、リトルキャット運用会社としての事業展開、更に実業への展開と絡めた保有株式の整理なども考えさせていた。



思いがけない猫たちの発表に会場は思わずどよめいた。しかし結果がすべての運用の世界なので、スイスカナコインの発表以来の衝撃はあったものの、すぐに議論は白熱し、今後のジブトラストの運営や方針とも絡み、真剣な議論が展開されていった。



猫たちの発想は、独特だった。猫たちには、基礎と応用なんぞの区別もなく、リトルチャからの依頼により、研究担当の猫が、その分野を調べ、リトルチャが投資計画を組み立てていたのだった。



投機筋が、注目を受けて、その手法や手口なんぞを説明しては、もはや投機筋ではなくなるが、リトルチャは、あえて手口を明らかにして、従来の投機的な手法からの発展を図ろうとしていた。今後の猫軍団の未来を考えると、今までの投機的な取引手法だけでなく、ココやチャたちのリスク管理を厳しく取った取引を超える新しい展開がある筈だと感じているリトルチャやリトルホワイトたちであった。



「香奈さんは、珍しく、この間のジブの会議にずっと出ていたね。神太朗君たちそして時には神之助君までも、香奈さんがジブに行っている時にも香奈さんの家に来ているよ。誰と話しているのよ? みんな騒がしくなっているわ。何かあったの?」

香奈「ジブの会議で、リトルチャがリトルキャット運用会社の業績や今後の展開などを説明したのよ。猫語翻訳機なども出来ているのよ。正人がちゃんと説明しないから、私も初めてじっくり聞いたのよ。みんな唖然としていたわ。私が猫の取引と言っている時は、みんな冗談のように聞いていたくせに、やたらとみんな質問するのよ。


リトルホワイトが司会なんぞして、議論を判りやすいように整理するのよ。リトルチャは、もはや運用だけではなく、猫たちの将来のためには、猫の能力を発揮できる事業に進出して、安定的に猫軍団の将来を支えて行きたいと考えているみたいなのよ。それに野良猫たちも出来るだけ保護して、その能力を活用していきたいと考えているらしいのよ。リトルキャット財団も出来ているなんて初めて知ったわ。」

「それは私は聞いているわよ。今までの地域猫保護の人たちとリトルキャット運用会社の人たちが話している事は財団の人から聞いたわよ。陽太君は不動マンションの人たちの仕事にもなるからと言って、不動財団は、協力しているらしいわ。財団でもペットとの共存による精神安定効果を考えているから、協力できる所はあるかも知れないと考えているわよ。

香奈「そうなの。正人が詳しく説明しないのよ。リトルキャット運用会社が利益が出ているから、色々と猫たちの為の活動にも資金を出していますとは聞いていただけだったのよ。神太朗君たちの実業グループも衝撃だったみたいだよ。株式会社リトルキャット以外にも色々な事業展開を考えているのよ。



スイスカナコインの連中もショックだったみたいなの。スイスの猫たちにも異才はいるらしいとリトルホワイトが云うから、猫語翻訳機を貰って、話してみると言っていたわ。今は日本語変換機能だけでも、ネコスキーノはまだ元気で、日本語もできるし、大学院大学では日本語をできる人もいるらしいのよ。コッソリートも猫に元気づけられ、取引のヒントも貰ったと言っているらしいのよ。



イチコプロダクツと合弁で会社を作り、食品事業から始め、ロボットや資源なども展開していくらしいのよ。猫の能力を最大限に発揮するための薬なんかも猫たちは考えているのよ。


遺伝子研究センターも色々参考にしていると今頃、言うのよ。


神太朗君は、スイスカナコインとも連絡を取って、事業分野の調整をするらしい。リトルチャがスイスの投機筋だった事も判り、神之助君まで驚いていたわ。



リトルチャと神之助君は、波長が合うみたいなの。会議が終わってもナンダカンダとこっそり話していたわ。猫語翻訳機なんか必要ないみたいだったわ。加代子ちゃんのグループのアメリカの責任者までも加わって、話をしていたわ。この三つのグループは気が合うみたいなのよ。リトルチャの説明を聞いて、納得していたわ。今後もこっそり相談しようとか言っていたわ。

「猫も大したものなのね。」

香奈「そうだよ。私がいなくなったらドーダコーダなんて言っている場合ではないのよ。うかうかすると、人間が、猫のペットになってしまうわよ。