のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

香奈とコシロの子供たち No.215

2014-01-09 00:00:00 | 香奈とコシロの子供たち

スイスカナコインの

猫基金の体制も変わった。




スイスカナコインの猫たちの運用手数料である5%と香奈の報酬分は、初めは日本に送金されていた。



スイスカナコインの日本事務所に金が貯まってくると、スイスカナコインの日本事務所名義で多大な金を貯めておく必要もなくなった。猫たちの面倒をみるための通常経費は、国内香奈の香奈特別基金で十分だった。猫はなれなんぞの経費はたいした額ではなかった。



奈津美とチャは、話し合った。香奈の報酬分と運用手数料相当分の内、1%だけを送金して貰い、スイスカナコイン内での香奈特別基金に残りをプールする事にしようとした。チャは、為替もするので、結構スイスフランの資産価値を高くみていた、ココたちが国内香奈で貯めている日本円とスイスフランで資産の分散は必要と考えていた。



ただスイスカナコインはもう大きな会社でもあり、用途が不明確な巨大な香奈特別基金は、経理的に別会社にプールしておく方がいいと言い出した。



万一、香奈オフィスが使用する時にも手続きがややこしいと言った。猫即ち香奈の運用は、スイスカナキャットの運用指導によるものとして、スイスカナキャットを別会社としたいと言い出した。



スイスカナキャットは、スイスカナコイン日本事務所を独立した会社にして、その子会社とした。今までスイスカナコインで香奈特別基金として貯めていたものも、みんなと同じ15%の運用手数料を払う事にして、少しずつスイスカナキャットに移行して、今の香奈特別基金は、スイスカナコイン全体の準備金に変更していく事にしたいと言ってきた。会社の維持や税務処理は、すべてスイスカナコインで面倒を見る事になった。



奈津美は香奈と相談して、香奈オフィスに、香奈直属のカナキャット基金を作り、株式会社スイスカナコイン日本事務所は、香奈と奈津美と香奈オフィスのカナキャット基金とが出資して発足し、更にスイスにスイスカナキャット株式会社と云う子会社を作る事になった。



香奈の報酬は当然香奈のものだし、香奈、つまり猫の運用手数料の1%程度は、社長室の維持をスイスカナコイン日本事務所に委託している経費とすると言った。



香奈は、香奈オフィスの創業者にして、実力会長でもあった。利益比例率は下げたものの、利益比例の報酬を貰っていた。香奈の報酬の半年分をその基金に充てる事にした。
カナキャット名義の基金は、猫のための基金である事を明確にしたものだった。



香奈オフィスの役員は、全て利益比例の報酬体系だった。役員全体で、税引き後利益の5%と利益比例率を決めていた。役員だけでなく、ある程度の役職がついた社員も部門利益比例の報酬体系を取る実力主義の会社でもあった。



瑠璃は副会長になったが、利益比例率は香奈より高かった。奈津美は社長になって、一番利益比例率は高かった。香奈は、奈津美を社長にする時に、一番高かった自分の利益比例率を減らし、奈津美に加えた。瑠璃は、なかなか減らそうとはしなかった。




奈津美の旦那は、立場上、奈津美の下とも出来ないので、総務担当の副会長になっていたが、利益比例率もそんなに高くなかった。



香奈オフィスは、税金の関係、資産分散の関係などから、世界各地に子会社を作っていた。その子会社でも会長、社長等のメンバーは替わらなかった。現地子会社の責任者みたいな人が、副社長とか専務になって、実務を仕切り、それぞれ利益比例の報酬を貰う報酬体系であった。



利益比例率は微妙に各子会社毎に異なっていた。香奈は、配当を少しは出すようになった時に、現地子会社の責任者たちには、それなりに子会社の株も持たせ、利益比例率も高くした。現地子会社の責任者の子供たちも、いつしか香奈オフィスに入る事が多く、それぞれの子会社は、一種の世襲関係の強い会社になっていた。



現地子会社の大半の株式は、日本の香奈オフィスが大半を占め、新しい鉱山や資源利権の獲得のお金なんんぞは、本体からの増資とか、資金融通で補う事が多かった。



これは、香奈が運営したジブトラストでも同様であった。勿論、運用とか商売に強い人は世襲では、そんなに続く訳でもないので、それ以外の人も雇ったが、一種の連帯感みたいな雰囲気は強い会社でもあった。



それは兎も角、それでも香奈の報酬は依然として高く、通常業務は、瑠璃や奈津美に任せていたものの、香奈の意向も絶対だった。スイスカナキャットの収入が、間接的とは云え、香奈オフィスの資産になるので、スイスカナキャットにも、それぞれの香奈オフィスの株式を2パーセント持たせる事にした。その程度の割り当て増資は簡単に出来た。



香奈オフィスの株式をスイスカナキャットに割り当てた、スイスカナコイン日本事務所には、香奈と奈津美と香奈オフィスが等分に出資して、スイスカナキャットは、スイスカナコイン日本事務所と香奈とが出資する事になった。



チャや猫軍団の名前では、会社も作れないので、こんなシステムとした。香奈は、割り当て増資程度の金は、ドーンとスイスカナキャットに出資したので、スイスカナキャットは、初めから相当の資金を持った。



スイスカナキャットは、じっと金を貯めるだけでなく、その口座残高の半分は、スイスカナコインの猫軍団つまり、名義的には香奈に、運用委託する事にもした。



スイスカナコインもスイスカナキャットが香奈の別会社になる事にも同意したし、運用委託にも、スイスカナコインでの経費として運用利益の15%をスイスカナコインが取る事で同意した。スイスカナコインもジブトラストのごぎげんソフトのシステムを使っていた、しかしジブではないので、ジブの研究ネットワークを見れないので、システム手数料は少しディスカウントして、10%から7.5%にしてもらっていた。スイスカナコインでは精一杯のサービスと言った。チャも同意した。



ココの国内香奈での香奈特別基金は、リスクのある運用なんかはせず、じっと貯める基金だった。チャは、スイスカナコインでより一層頑張る事にした。



まだまだ香奈もチャも元気だった。香奈は元気だったので、自分が元気な内に、色々な方法で、猫たちの財政的な基礎を固めようとしていた。例の譲渡は出来ず、一代限りの株式とする条項を入れれるように準備金が貯まるのを待つ事にした。