のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.8

2014-01-21 00:00:54 | 新しい子猫たち 

更に巨大化する

リトルキャット運用会社




レアメタルの採掘により、巨額の利益は、山間部の所有者であるリトルキャット運用会社にも入る事になった。管理料とか云って、ジブトラストの不動産管理チームにも利益は入った。しかし、リトルキャット運用会社はそれだけで、貴金属会社を買収時に使用した資金を上回るお金が入ってしまった。しかも今後、暫くはこの収入が持続しそうなので、正人は、子猫たちと協議した。



子猫たちの運用はリトルチャのグループは、5兆円相当を超える巨大な資金を持っていたが、スイス組の株・先物グループも運用委託されたお金も入り、元々普通の意味では驚異的な儲けを続けていて、1兆円相当の運用枠を持っていたし、別に保有する株式も相当増えていた。国内組は、ココ流の堅い取引がベースだったので、そんなに吃驚する程の好成績ではなかったが、それでも数千億規模の運用資産になっていた。それとは別に、スイス組との連携で運用委託され、保有した株式まであった。



正人が、預かる運用しない準備金も10兆を超していた。現金として保有していたが、保有する現金は、リスクを分散させるために、香奈ファイナンシャルや香奈オーバーシーズと同じように、運用しない筈の半分のお金を通貨の選択を、神之助なんぞに預けると云う馬鹿な事をした報いもあって、思わずお金が増えていた。


親基金である筈の香奈特別基金が、国内の香奈では、数千億相当程度の基金に膨れ上がっていて、大きな基金とも言えたが、それに比べても、子会社とも呼べるリトルキャット運用会社は巨大になっていた。



リトルキャット財団の誕生



これ以上の多大な運用は望ましくないと正人は考え、珍しく子猫たちと全体会議をした。香奈はジブトラストに行っていた。テレサは自慢の猫語翻訳機を持ち出した。



そこで意外な事が起こった。今まで香奈の家で産まれた猫たちは煩く文句を言ったが、配偶猫はみんなおとなしかった。香奈の家の猫たちは、猫チャンネルは使用できたが、途中からきた配偶猫はそんなに使えなかったのも原因だった。



ナターシャやテレサを始めとして、配偶猫たちは、早速猫語翻訳機を使い、口々に悲惨な野良猫時代の食生活の事を言った。香奈の家の猫たちの一部の猫は、それなりに聞いていた事でもあるが、改めて事態を深刻に受け止めた。



リトルキャット運用会社として、地域猫の保護を目的とする財団を作ろうと言い出した。ただリトルホワイトは慎重だった。途中で腰砕けになると、前よりも事態は悪化する可能性があると言った。猫も人間も、現状を当たり前と捉える傾向がある。長期間持続出来ない事は避けなければならない。我々だって香奈に大きく依存している。香奈は、我々をそのまま認めてくれているが、香奈以外の人間に、そんなに期待するのは危険だ。



「所詮、猫」と言われて傷ついた事もあるリトルホワイトは、多くの人間も抱きこんで、少しずつ拠点を確保しながら進めていこうとリトルホワイトは言った。我々は、今は香奈のペットに過ぎない。香奈と云う大きな巨木の陰で、自由を貰い、好きな事をしているから、今のリトルキャット運用会社がある。我々は、まだ人間の助けを必要としている。もっと多くの人間を巻き込んで、猫と人間の共存関係を構築して、猫の能力を引き出して、人間との協力関係を少しずつ築いていく時期なのだと力説した。



聞いていた正人は苦笑し、多くの猫たちも、改めて現状を認識して、同意した。結局、子猫たちの管理の元に、今までの予備費としていた、運用しないお金を新しくリトルキャット基金として確保し、更に今回の予想外の収入は、地域猫の保護などを猫たちのための財団であるリトルキャット財団を設立する金に回す事になった。



地域猫の保護や拠点となる施設などは、正人に頼んだ。更に暫くはこの利益も加味されるリトルキャット運用会社としての利益の10%をリトルキャット財団に寄付し、リトルキャット財団の安定化を図る事まで決めた。



リトルチャを始めとするスイス組では、利益が出ても、運用枠の拡大に使うお金は、リトルチャのグループでは最大一千億、株式・株式先物グループでは、1割に留め、寄付とかナンダカンダと必要な金を引いた、残りのお金は、リトルキャット基金に組み込む事にした。国内組も従来の運用枠拡大に使っていたお金の半分だけを運用枠拡大として、残りはリトルキャット基金に組み込む事にした。



リトルキャット基金は、今後の香奈の家の猫の生活の面倒をみる基礎ともなるので、運用しない金として大切に保管して、その半分を通貨の選択だけをリトルチャの為替グループに任せていく事にした。



正人もそれで納得し、今まで運用枠拡大に使うべきお金を準備金としていた事もあり、準備金の一部も、リトルキャット基金に組み込み、一兆円規模の基金となった。



リトルキャット財団は、リトルキャット運用会社からの拠出として設立し、香奈国内の事務局のメンバーやリトルキャット運用会社の株主たちを理事とした。


リトルキャット運用会社からの理事は地域猫保護に尽力していたグループと早速話し合った。恵たちの財団にも猫と人間の協力関係を確立するための協力を求めた。正人は、グダグダ説明するのも難しく、香奈には、単に猫のための使うとか言った。