のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.16

2014-01-29 00:00:32 | 新しい子猫たち 

忽然として現れたリトルキャット運用会社




リトルキャット運用会社は、相場師的な感覚で、成長会社と安定会社を混合した投資としての独自のポートフォリオを持った運用をしていた。


しかし、猫独自の能力を活かせる事業展開をリトルチャやリトルホワイトたちが考えるようになり、スイス組の株式グループもそれに影響され、国内組の株式グループも、それらも事業展開に役立つ事も念頭に置いた投資を心がけるようになっていった。



猫たちも単なる売買差益だけの取引から変化の兆しが見えていた。近くにあったジブ総合研究所やジブ大学院大学で、勉強した事を活かせる事業展開を考えていた。


それに猫だけでなく、多くの人間との協力を求めやすい、事業展開を考えていた。



神太朗はリトルチャたちの事業展開の方針を聞いて、猫達が事業展開しようとする分野が、今までのジブトラストとしては経営を任せていた企業群である事に気付いた。資源、エネルギー、ハイテクそして食品、医薬と云った、香奈オフィス、毛利貴金属そして切人達のグループそして広い意味では快適グループや製薬、香奈ハイテクといった、ジブトラストにとっては、近くて遠い分野である事にも気付いていた。一族の会社が主導する立場にあるので、ジブトラストとしては、積極的な関与をむしろ控えていた分野でもあった。



これらの分野では、ジブトラストは身近に関係する企業群が存在するだけに、ジブトラストとして事業に主体的に取り組むよりも、香奈オフィスに頼むとか製薬に任せるとか独自の事業展開を認めるなど、必ずしも協力関係を密接に取ってこなかった分野であった。



神太朗は、リトルチャやリトルホワイト達とも、猫語翻訳機を通して話をした。次第に神太朗にも猫チャンネルも出来た。新しい技術開発をして、新規な形で事業展開をしていきたいと猫たちは考えていた。そして、リトルキャット運用会社の株式保有を、チャタロウが猫たちと相談しながら、猫たちの計画している新規事業のための協力を求める企業群を中心に株式を保有する事に変更しつつあるとリトルチャは言った。



チャタロウとリトルチャは、兄弟だが、性格も違い、そんなに仲が良くはなかった。しかし、香奈亡き後の猫軍団の将来を考え、二匹は協力する事になった。猫たちに慕われていたチャタロウが、猫たちのまとめ役になり、事業計画は、リトルホワイトが研究担当や技術担当と相談して起案するシステムになった。リトルチャは、後方で資金供給に頑張る事にした。



猫たちは、勉強してきた事を中心にして、存在するであろうスイスの異才たちの能力も借り、地域猫、所謂野良猫たちの眠っている才能も喚起して、猫たちのアイディアと人間たちの行動力やアイディアを結びつける事業展開をしたいと言った。



香奈と云う巨木の陰で、永遠にのんびりとは出来ない。金だけを基金として貯めても、自分たちの能力を活かす事もなく、のんびりするのも生まれてきた意味がない。猫たちも自分の役割があると思う。それを無理のない範囲で少しずつ追求していきたいと語った。



神太朗は、話をしてみて、激しく感じる点があった。香奈が築き、色々な人の力や能力を活用して、大きくなったジブトラストではあったが、自分達の能力や役割を果たしていく事を、ジブトラストのみんなは、意識しているだろうかとも思った。



新規事業は大変な事だけど、今までの関係する事業を調整しながら、新しい技術や開発を行いながら、事業展開していく事に、ジブトラストの実業分野として、全面的に協力していくと話した。



猫たちが事務を取ったり、販売する事は出来ないが、新しい技術や開発に協力する事は出来るとリトルホワイトは言った。株屋が勢いに任せて、既存の会社を丸毎、買収する事ではなく、新しい技術、発明そして新しい知見を製品として形に表し、それを社会に役立てていきたい、人間の協力を得ながら、猫と人間の協力関係の新しいページを作っていけるかもしれないとまで、リトルホワイトは言っていた。