リトルキャット運用会社の新たな展開
リトルキャット運用会社は、従来の子会社でもあった株式会社リトルキャットやその関連会社を持っていた。
しかし、これらの会社は、今では神二郎の不動総合企画や辺郎のアジア快適そして羽郎のブラジルと協力した神帥の食品会社などによって、それぞれの会社の別働隊のようになっていた。
リトルチャたちは、今までの進展を高く評価し、特に口を挟もうとはしなかった。それにナターシャを始めとする猫たちのデザイナーたちも活躍して、リトルキャット運用会社のデザイン室は、かなりのデザイン料も貰っていたし、配当も入ってきていた。
ジブシティ内のリトルキャット本店には、リトルキャット運用会社の株主たちも運営に参加したが、それ以外では参加する余地なんぞは、極めて限定的だった。
リトルキャット運用会社では、新しく設立したリトルキャットプロダクツの食品事業以外でも、いくつかの事業展開を模索していた。猫たちは、切った張ったの取引だけでなく、研究担当の猫たちの意見を考慮して、猫たちも参加していける幾つかの事業を選んで、取引以外にも進出していこうと考えていた。
猫たちも取引に興味のある猫以外にも、色々な分野に興味のある猫がいた。ナターシャのデザイン分野は特殊だったが、それ以外にも学術センターや研究所に通う猫たちの能力も生かしながら、香奈国内の正人や正一たちを通して、国内香奈の事務局に交渉させていた。
又、リトルチャがジブトラストの幹部会議で知り合ったスイスカナコインの連中にも奈津美を通して交渉させ、スイスカナコインの関係する事業に近い所で、リトルキャット運用会社の海外事業を展開していく事をリトルチャは考えていた。
スイスカナコインの猫牧場の猫たちにも異才はいる筈だった。猫語翻訳機は、日本語だけでなく、英語バージョンやドイツ語バージョンをテレサは既に開発していた。人間と猫たちは協力していけると考え、香奈の家の猫たちは、猫たち独自の事業展開を、スイス総合企画の連中とも話し合いながら、日本とスイスで、とりあえず実施していく予定であった。