のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.5

2014-01-18 00:00:26 | 新しい子猫たち 



リトルチャの変貌




リトルチャは、スイスの投機筋として、有名になり、スイスの荒事師として、相場では有名になっていた。大きく相場が動く時には、犯人扱いまでされるようになっていた。やたらと儲けていたが、突然と投機的な取引をしなくなった。大損をこいたとか病気説まで流れ、挙句には死亡説まで囁かれた。



リトルチャは、取引も配下に任せ、軽く取引内容を見るだけになり、昼間に、お不動さんを眺めたり、保養施設の子供たちを覗いたり、ジブシティーまで行って、財団ビルのお不動さんの石仏を眺め、リトルキャット運用会社も覗き、猫ビッフェに行って、一口食べて、昼寝したりするようになった。



リトルチャのグループは、リトルチャ自身が、取引に積極的ではないので、実際に取引している猫たちは同じ猫なのに、今までのような神がかりの成績ではなく、普通の驚異的な成績になっていた。元々スイスコインではチャのリスク管理も徹底していたので、そんなに変わらなかったが、リトルキャット運用会社では、その収益は、神がかり的な成績ではなく、単に驚異的な成績になっていった。



リトルチャの奥さん猫は、テレサと云う正真正銘の雑種の猫だったが、ロボット工学に興味を持ち、大学院大学なんぞにも通い、研究所にも通う変な猫だった。そのテレサがもう高齢なのに、妊娠した。孫のチビ助よりも若い子供いや子猫が産まれる予定だった。リトルチャはウロウロして落ち着かなくなっていたのだった。



「この頃、猫カフェや保養施設にも、目つきの鋭い茶色の猫が時々来ているようなのよ。直ぐに出て行くけど、辺りの空気が一瞬にして変わり、緊張感が走ると言っていたわ。あんな猫も、香奈さんの家の猫なの。」

香奈「それが、リトルチャなのよ。あいつは凄いんだよ。神之助君の若い時と同じ雰囲気があるのよ。リトルホワイトの親父で、チビ助のお爺さんなのよ。最近落ち着かないのよ。奥さんが妊娠していてヤキモキしているみたいなの。リトルホワイトたちが産まれた時は平気だったくせに、今回はウロウロしているのよ。」
「もう歳だから、気になるのよ。猫も人間と一緒だね。太朗君や二郎君も正子ちゃんや聖子ちゃんの妊娠している時は、落ち着かず、ウロウロしていたと俊子さんも言っていたわ。」




テレサは、二人の子供いや二匹の子猫を産んだ。茶色の猫と白い猫だった。リトルチャは目を細め、二匹の子猫を見ていた。



リトルチャの取引スタイルは一変した。リトルキャット運用会社でもスイスカナコイン並の複雑なリスク管理を行うようになった。リスキーな勝負は、余程の事がないとしなくなった。配下の猫たちも、人いや猫が変わったと噂した。ただ神之助と同様に怒らせると何をするか判らない怖さは依然として残っていた。実際、気が向けば、大勝負する事もあった。