のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1

2014-01-14 00:00:44 | 新しい子猫たち 

リトルキャット運用会社




リトルチャは、リスキーな投機を狙いやすい場所であれば、主戦場のデリバティブ以外に、株式相場、株式先物、商品相場、商品先物そして為替と展開していった。



リトルキャットはうるさい猫だったし、取引の成績も良かったので、子猫たちは、当初から、リトルチャの運用枠を多くしていた。本当はスイス組と国内組とで半分ずつの運用枠にした。リトルチャのグループは、その中の半分なので、260億の四分の一の70億相当の運用枠の筈だったのに、リトルチャは、デリバティブだけでなく、商品相場も為替も担当するからと云って、はじめから100億も運用枠を自分たちのチームに割り当てさせた。その分、スイス組の株・先物グループの運用枠は減り、運用枠は30億相当程度にとどまった。


株・先物グループのリーダー猫は温厚な性格だったし、前から比べると増えていたので、新しい運用枠の割り当てにもそんなに文句は言わなかった。しかし配下の猫たちは、不公平だとにゃーにゃーと文句を言った。



流石にリトルチャも、直ぐに取りすぎた運用枠は、1年間で、60億にして、株・先物グループに返した。リトルチャはなんと1年間で、配当や経費や税金、そして利益の残った金の半分は運用しない金などで取られながらも、運用枠は5倍にするなどの荒業をした。株・先物グループは、前の失敗を参考にして、慎重に取引したので、運用枠は1.5倍程度しか増えなかった。これでも驚異的な好成績だったが、リトルチャは、神をも恐れぬ儲け方をしていた。



株・先物グループも、あまりの驚異的なリトルチャの儲け方に度肝を抜かれ、自分たちの運用枠もあっという間に、倍以上にもなったので、その後はリトルチャの運用に更に一目も二目も置いて、ある程度協力する事にした。



確かに株・株先物グループも協力した時は信じられないような儲けが出た。しかしリトルチャのグループは、それでももう少し儲けられたと浮かぬ顔だった。リトルチャのグループは、子会社が増え、一人いや一匹の猫毎に独立したようなものだった。リトルチャは強烈な指導力で統括して作戦を立てていた。配下の猫たちは、それぞれ役割を命じられていた。他から見れば驚異的な儲け程度では、リトルチャのグループでは、他の猫たちとは、大きく離されていた。


運用枠が増えると流石に、配当や経費にもお金がいるので、運用枠が、5倍なんぞに増える訳はないと思っていたら、数年間は、そのペースを持続した。流石に1兆相当の運用枠を越えると、配当や運用しない金なんぞの制約もあり、徐々にペースが落ち、運用枠の拡大は倍程度に落ちてきた。そして2兆相当を超えると、運用する機会も限定的になり、リトルチャも狙い場所とか投資する金額を考えて、運用枠の拡大のペースも更に落ちてきた。4兆を超えると、もはや大規模に投資する場所は確実に減り、金額も限定されてきた。それでも1兆程度も運用枠が拡大していった。



複雑な経理をしていた正人ではあったが、さすがに正人もリトルキャット運用会社の運用利益が1兆を超えだした辺りから、正人も事態を深刻に捉えだした。



そしてついにリトルチャの運用枠が5兆を超えそう時点で、運用しない金を半分おくとしても、これ以上リトルチャの運用枠を増えすのは、問題だと思い、最初の約束と違うと、いくらリトルチャがゴネても、もう運用枠は増やさないようにしようと思い、リトルチャと話をする事にした。リトルチャは、やっぱりゴネた。



キャッシュポジョンを50%取っている。少しずつでも運用枠が増えないと張り合いがない、我々のグループの中でもそれぞれ競っていると言った。まだまだ元気だったチャにも相談して、仲介に入ってもらった。



リトルチャも取引でも師匠格だったチャには、弱かった。ナンダカンダとの話し合いの上、運用枠は、いくら儲けても最大一千億相当の枠拡大に留め、本来増える筈の残りの運用枠の拡大は、スイス組の株・先物グループに運用を委託し、その運用委託した利益の三分の一だけを自分たちのグループの運用利益に加算する事で、リトルチャも納得した。実際、リトルチャも運用枠が増えすぎて、そんなに運用資金を使わなくなっていたので、単にゴネただけであった。