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こりゃだめだ!

2023年03月02日 | 日々の雑感
こりゃだめだ!

日本における革新運動が弱い原因の一つに政治(政党)レベルのセンターがないことがあると私は考えている。

男女平等やジェンダー、性的少数者の問題、正規と非正規の格差是正や賃上げ・労働条件の改善、年金問題、コロナで明るみになった医療現場の矛盾などなど、民主主義を土台として社会の革新を引き起こす運動をいろんな分野で広げ、その成果を持ち寄った形で、センターとなる政党(もちろん単数形とはかぎらない)の議員を多数選出して、そうすることで、社会的な影響力をもっと広げたり、法律を制定し、予算を獲得して、実質的な形にするというのが理想的な姿だと思う。

ところが民主党は瓦解し、連合頼みの立憲民主党は当てにならないし、社会党は絶滅が危惧されているくらいだし、日本の民主的な改革運動のセンターがないのが現状である。

そこで国会でも田村智子議員や山添拓議員などを中心に鋭い追及をするなど奮闘している姿がしばしば見られるし、いろんな問題(とくに最近ではコロナ問題など)でまともなことを主張していることから、共産党がそのような運動のセンターになってくれるのを期待している人は多いと思う。共産党は政党助成金を拒否しながらも新聞・出版活動で財政的にも自立しているし、党員の踏ん張りによって足腰もそれなりにしっかりしている。

ところがそういう期待に冷水を浴びせたのが先ごろ起きた松竹氏の除名である。出版物で共産党の党首公選を呼びかけたことがきっかけになって、除名という、党員への処分で一番重い処分を下した。

党首選出は規約で規定してあり、共産党自身が決めることで、党外の人にどうこう言われる筋合いはないと主張したり、党首公選問題を広く議論したらどうかという朝日新聞の論説に対して「共産党攻撃」だと言って門前払いをくらわせた姿勢を見て、がっかりしたのは私だけではないだろう。

まるで共産党独裁だという批判に「中国には中国式の民主主義の形がある」とピシャリと門前払いをくらわせる中国共産党と同じではないか。

私はこの松竹氏がかつては共産党の幹部であったとか、何かの出来事で左遷され、いまは一党員にすぎなかったとか、というような話しはよく知らないし、松竹氏がどういうつもりでこんな本を出版したのかも知らないし、そんなことはどうでもいいと思っている。

おそらく多くの人々が期待していた対応は、志位委員長が「この提案をきっかけにして、党の内外で党首公選の問題も含めて、共産党がこんな政党になってくれたらいいというような議論を広く巻き起こしてくれれば、共産党としても検討を行ない、より広い国民の期待と信頼を得ることができるようにしたいと考えております」くらいのコメントをしていれば(こういうのを「大人の対応」と言うらしい)、統一地方選挙を目の前にしている時期でもあるし、共産党への共感が広がっただろうし、もともと共産党に期待していた人々は安心をしたと思う。

そしてそういう議論の過程で共産党のほうからも、党首の選び方や組織形態や民主集中制とか言っている制度がどういう意味を持っているのかなどを党外にたいして説明していく機会をもてば、なにやら秘密結社みたいなイメージも薄れて、共産党への信頼感を強めることになるにちがいない。

そういう議論が共産党の周辺でどんどん広がれば、共産党という言葉を口にすることさえはばかられるような雰囲気だって薄まっていくだろう。

今回の対応は、そうした期待を完全に裏切った。やっぱり共産党って、いざとなったら何をするかわからない団体だというイメージどおりだなと思った人々が多かったのではないだろうか。そういう意味で最低最悪の対応であった。そして共産党に期待をしていた人々は「こりゃだめだ!」と思ったにちがいない。

そこへもってきて今度は大阪の富田林市で、共産党の市会議員が同じく共産党の女性議員にパワハラをしたという報道があった。パワハラを認めて離党したという報道はたくさんあったが、その後の詳しい話はあまり見えてこなかったが、どうやら怪しげなことになっているらしい。もしこれが本当だとしたら、ひどい話だ。
富田林市の共産党の怪しげな動きについてこちらを参照のこと
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