読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

なんという奇遇

2016年10月15日 | 日々の雑感
なんという奇遇

昨日、上さんと天野街道を歩く道すがら、一昨年亡くなった上さんの父親の若い頃の話をしていたら、あれ、もしかしたら北杜夫と旧制松本高校の同級生かもということが分かった。

私が高校生の頃に北杜夫の小説をよく読んでいて、大学一年の時に書いた小説を送ったところ、「もっと修行してください」という返事が来たとか、北杜夫は旧制松本高校から新制に移行する直前にバンカラをやっていたみたいな話をしたら、上さんの父親もちょうどその頃旧制松本高校にいたと言うのだ。

帰宅後、いろいろ調べてみた。上さんの父親は、朝鮮の平壌の出身で、そこで旧制中学まで過ごし、1944年に旧制松本高校の理科甲類(英語が第一外国語)に入学している。同じ年に辻邦生が同じ理科甲類に入学しているし、北杜夫(本名、斎藤宗吉)は1945年に理科乙類(ドイツ語が第一外国語)に入っている。ということは、もちろん上さんの父親も寮生だったはずだから、知り合いだった可能性が非常に高い。辻邦生と同じ授業を受けていたことは間違いない。

しかし、私が北杜夫をよく読んでいたというような話をしなかったからかもしれないが、そんな話は上さんの父親からまったく聞く機会がなかった。分かっていたら、いろいろおもしろい話がきけただろうに。残念だな。

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