横田増生『仁義なき宅配』(小学館、2015年)
副題に「ヤマトvs佐川vs日本郵便vsアマゾン」とある。宅配便の熾烈な競争を、実際に現場で働いたり、従業員から聞き取り調査をしたりして書いたもの。
宅配便の普及は本当に便利さを生活にもたらした。かつてある程度大きなものを遠方に送るといったら、国鉄の駅まで持っていって、そこで受け取ってもらい、それはあのいつ動いているのかどうか分からない貨物列車に載せられて、近場の集積場に送れられ、またそこから遠方の集積場に、そして駅へ、そこからトラックかなんかで配達先まで配達されていたように思う。その日数たるや、一週間くらいはかかっていたのではないだろうか。
それが翌日には配達される。さらに商品なら送料無料だってある。こんな便利なものはない。つまり大事にしなければならないということだ。だが、この本を読むと、上記の大手の熾烈な競争の結果、従業員の労働は荷重になり、会社も一品あたりの送料単価が圧縮されて儲けがでなくなり、扱うのを止めたり、低賃金で働く人が減って、時間通りに配達できないという事態が生じつつあるという。
私は宅配便をよく利用するが、配達に来てくれる人を見て、忙しそうにしているけれども、その分いい給料になっているのだろうな、そうでなければやってられない仕事だな、とぼんやり思っていたが、やはり低賃金で長時間労働(重労働)のようだ。
こんな便利はシステムをなくさないためにも、翌日配達でなくてもいい、送料無料でなくてもいい、働きたい人が増えるような仕組みにしてほしい。
副題に「ヤマトvs佐川vs日本郵便vsアマゾン」とある。宅配便の熾烈な競争を、実際に現場で働いたり、従業員から聞き取り調査をしたりして書いたもの。
宅配便の普及は本当に便利さを生活にもたらした。かつてある程度大きなものを遠方に送るといったら、国鉄の駅まで持っていって、そこで受け取ってもらい、それはあのいつ動いているのかどうか分からない貨物列車に載せられて、近場の集積場に送れられ、またそこから遠方の集積場に、そして駅へ、そこからトラックかなんかで配達先まで配達されていたように思う。その日数たるや、一週間くらいはかかっていたのではないだろうか。
それが翌日には配達される。さらに商品なら送料無料だってある。こんな便利なものはない。つまり大事にしなければならないということだ。だが、この本を読むと、上記の大手の熾烈な競争の結果、従業員の労働は荷重になり、会社も一品あたりの送料単価が圧縮されて儲けがでなくなり、扱うのを止めたり、低賃金で働く人が減って、時間通りに配達できないという事態が生じつつあるという。
私は宅配便をよく利用するが、配達に来てくれる人を見て、忙しそうにしているけれども、その分いい給料になっているのだろうな、そうでなければやってられない仕事だな、とぼんやり思っていたが、やはり低賃金で長時間労働(重労働)のようだ。
こんな便利はシステムをなくさないためにも、翌日配達でなくてもいい、送料無料でなくてもいい、働きたい人が増えるような仕組みにしてほしい。