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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

犯罪心理学

2021年07月21日 | 日記

『ケースで学ぶ犯罪心理学』 (ソフトカバー・13/9/20・越智啓太著)、図書館にあったので借りてきた本ですが、興味深い本でした。特に「第11章 虚偽検出」、ウソ発見に関する記述は、時代ともに工夫されて現在に至っているようです。古典的な手法と最新式の手法だけ転載してみます。

 

<犯人を見つけるための古典的な方法:真実の山羊>

いま,ある村に泥棒の容疑をかけられた男が3人いたとしよう。この3人のまえに山羊を連れてくる。そして「この山羊は真実の山羊といって,しっぽをつかんだままウソをいうとメエ~と暄くんだ」という。その後,真実の山羊を暗い納屋の中に入れ,容疑者に一人ずつ納屋に入ってもらい,「しっぽをつかんで,納屋の外に聞こえるような大きな声で「私は犯人ではない」と叫ぶようにと教示する。

3人がひととおりこれをやり終えても山羊はまったく鳴かない。もちろん,真実の山羊などというものは存在しないからだ。次に3人の手のひらを確認する。じつはこの山羊のしっぽにはすすが塗ってあり,しっぽをつかむとそのすすが手のひらにつくように細工してあるのである。犯人でなければ,もちろんしっぽをつかんで叫ぶのであるが,犯人は暗い納屋に一人で入っているのをいいことに(外からはばれないので)しっぽをつかまずに叫ぶことが予想される。そのため,すすが手のひらについていない人物を見つければその人が犯人だということになる。この方法は,なかなか優れたトリックであるが,これを用いる前提としては,容疑者に[真実の山羊]という現象を信じさせることが必要である。そのため,現代社会でこの方法を用いることは難しい。

 

fMRIを使用した虚偽検出

 事象関連電位が脳波を使用して虚偽を検出しようとする試みだったのに対して,その後の研究では,脳の活動をイメージングの手法を用いて直接観察することによってウソを検出する方法が研究されている。その一つの方法がfMRI(機能的磁気共鳴イメージング)を用いた方法である。これらの研究ではウソをついた場合活性化する脳の部位を特定し,その部分の活動の具合から虚偽を検出する方法であり,CITの方法論とは異なって直接ウソを検出することを目指している。しかし今のところ,活性化する部位も,前頭前野腹外側部,前部帯状回,両側前頭前野,右中前頭同などと一貫しておらず,さらなる研究が必要である。(以上)

 

上記の話題は、嘘を明かにする難しさという点で法話の題材になります。

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