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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

横並びの時代

2014年02月28日 | 現代の病理
テレビドラマで犯人役の男が万華鏡を楽しんでいる描写がありました。坊守の「昔、小学館の小学〇年生の付録についていた。小学一年生から中学生の友3年まであった」という言葉から、今は小学館の小学〇年生は、どうなっているのか気になりました。

ネットで見ると、小学館の学年別学習雑誌は、1922(大正11年)に創刊、現在は、『小学一年生』と『小学二年生』、『学習幼稚園』・『入学準備 小学一年生』の4誌だけが刊行されているようです。

昔は横並びの時代、同じ年齢の人は同じ興味と学習程度で、そのころが懐かしく感じられます。いつ廃刊になったが、気になるところです。

• 2009年(平成21年)10月26日 - 『小学五年生』、『小学六年生』を2009年度いっぱいで休刊にすることを発表。
• 2009年(平成21年)12月28日 - 『小学六年生』最終号に当たる2010年2・3月合併号が発売。
• 2010年(平成22年) 2月 3日 - 『小学五年生』最終号に当たる2010年3月号が発売。
• 2011年(平成23年)12月1日 - 『小学三年生』、『小学四年生』を2011年度いっぱいで休刊にすることを発表。
• 2012年(平成24年) 2月 3日 - 『小学三年生』、『小学四年生』最終号に当たる2012年3月号が発売。

意外と最近まで発売していたようです。

20年近く前、精神医学者の佐々木正美先生の講演を、娘が通う幼稚園にお招きして開催したことがあります。その折、東大で学生カウンセリングを行っている心理療法の先生のお話をしてくださいました。

幼稚園から小学校低学年の子どもは、まずみんなと同じ体験をしてから、みんなと違う体験をさせる。そうすると個性が延びる。みんなと同じという体験があるので、安心してみんなと違う体験に身を置くことができる。最初から、みんなと違う体験をさせてしまうと、みんなと違うことに緊張感を持ってしまう。そのような話しでした。それを帽子の話でしてくださいました。

小学校に入り、みんなが白い帽子をかぶっていけば、自分も白い帽子をかぶって学校へ行く。この様に、みんなと同じという体験がある時、次に黄色い帽子をかぶっていけば、「すごいなー、君の黄色い帽子」とみんなから受け入れられる。最初から黄色い帽子をかぶっていくと、違いだけが目立ち、黄色い帽子をかぶっていった子は委縮してしまう。

近年(と言っても20年前ですが)、小さい時からみんなと違う個性を伸ばしていく教育がなされている。ある面、学習でも際立って優秀な子は、その優秀さゆえに優越感を持つだろう。その優越感は、もっと優秀なものに出会ったとき、劣等感となる。……(以上)

学年別学習雑誌が売れない個性化の時代、違いの伸ばすことは大切ですが、反面、みんなと同じと言う体験も必要です。浄土真宗は、みんな共に凡夫という教えです。個性化の時代なればこそ、まさに浄土真宗の出番がある。そう思います。
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