超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 6巻/松沢まり

2013-12-23 16:23:28 | 漫画(新作)


















限定版を購入。
通常版は1月発売との事だけど、先に売ってりゃやっぱ話気になるし買っちゃうよね
そもそも女流作家のラブコメにラバーチャームっていうのも何となく似合ってる気がするし。
でもTSTバージョンは多分付けるのに相当な勇気が必要でしょうね(笑
出来は普通に良いと思います。



















この漫画はタイトルが男性視点ですけど
でも主人公は妹の美月ちゃんな訳でそう考えると何気に面白いなとも思うんですが
そのお兄ちゃんに対する実直な憧れだったり世話を焼いてくれたくれた事に対する感謝、
そして何度もピンチを救ってくれた事による好感度の上昇で徐々に恋に落ちていく過程が良いですね
5巻まではあくまで「過程」に過ぎなかった訳ですけどいよいよ自覚し始めるのがこの巻なんです
「好き」と言ってもらえる幸せ、そして芽生え始めた夕哉を想う気持ち・・・って事で
ある種ラブコメ好きにとってはオートマティックに楽しめる巻でもありましたね(笑
またそういう風にはっきりと自覚し始めるのに6巻も費やしてるのが実に丁寧です
その辺は新境地的な作品だけど松沢まりさんならではの生真面目さがよく出てるかなー、と
ここまでで兄貴の真摯さだったり頼りになる部分は沢山見せてもらってるし
使った時間も相応なので
何の違和感も引っかかりもなく素直に恋に足を踏み入れつつある美月ちゃんにキュンキュン出来る
それが一番秀逸な巻かもしれないですね いつも通りのサービスは勿論素晴らしい上でね。

そんな意識の変遷を経た結果少しだけ距離が縮まる顛末も心地良くて。
今までは「気にする」程度だった夕哉に対してしっかりと明け透けな恋慕の情を
抱き始めた描写の数々は今まで以上のニヤニヤを発生させるには非常に容易かったです
また美月ちゃんのそういう表情・仕草の一つ一つがとても可愛らしくて・・・
正直半分は少女漫画のようなドキドキ感に近かったですね(笑
ちょっと憧れてるお兄ちゃんと急接近してドギマギしてる様子は活き活きとしてて感情移入も出来ました
男性向けラブコメの要素を含みつつも少女漫画的エッセンスも漂ってる塩梅が個性的で良いですね
そういうバランス感覚に際して言えばやっぱり女流作家ならではかなあ、って思います
積み重ねの良さが活きて来た事でより真っ当な面白さを獲得出来てるのがこの巻なんじゃないかと
あくまで個人的な印象ですが、
かなりのドライブ感とラブコメ的旨味をギュギュッと搾取出来てめちゃくちゃ面白かったですね
夕哉が「いつも世話を焼いてくれている」という前提ありきでここまで楽しめてると思うので
その意味じゃ本当に兄妹ものって設定が活きてるなあって 出会い始めの義理だからリアリティもあるし。


そんで、もう一つだけ明らかな進展があって
主人公の美月の相手役、つまりは兄貴の夕哉も微妙に彼女を意識し始めます
というか結構ツンデレ臭くてその意味でもお似合いの二人だなあって思うんですけど(笑
確かにまだ出会ってそこまで月日を重ねていない義理の妹ではあるけれど
真面目に「兄貴」になると頑張って
自制して、
迷走してまでも苦悩し戸惑ってる兄貴の様子もまたラブコメ的に面白かった
そんな自分に嫌悪しつつも、最終的にはある程度の好意を示してくれた前述の顛末は
これでまた物語が一歩進んだ感覚もあって中々のカタルシスがありましたね
自制心が少しずつ薄れ始め素直に美月にドキドキする描写も増えて益々ラブコメとして楽しい
ハイスペックな上に人格者である事は描けてるのでこの調子でまた積み重ねていって欲しいですね

ただ、そんな夕哉もまだ「理想のお兄ちゃん」って訳ではなくて
割と未成熟な一面も露呈してます
雪那に対する鈍感っぷり・・・っていうより完全に「姉ちゃん」としか捉えてないっぽいです
それはある種残酷な感覚でもあったりするワケですけど、雪那自身はまだ身を引き、諦めたわけじゃない
その辺はこれからの展開に期待しつつもここで5巻のおじいちゃんの存在が役に立ってくる・・・っていう
構成の上手さも光ってたと思います
5巻の素直になれないおじいちゃんの話は単体でも趣あって良かったと思うんですが
単なるゲストキャラでもなく今回は無神経を働いた夕哉を叱責する役を違和感なく引き受けている
その流れはとても美しいな、と思ったのと同時に「頼れる大人」でもあるんだなあ、と
正直今回のおじいちゃんは素直に男前過ぎました(笑
冒頭のお話ではコメディ要員だったのに後半では諌めっぷりが格好良かった。
日和も学校での無防備な抱きつきを素直に謝ったり、雪那も自身の想いだけじゃなく
美月の心境やこれからを案じるシーンも描かれてたり本当に各キャラがいい感じになってきて
中々のドラマチックさも生み出せていて、そこもまた今巻のお気に入りポイントの一つでしたね
6巻は主人公の美月、そして相手役の夕哉の心境の変遷が中心に描かれてましたが
是非雪那にもチャンスや奮闘の場を与えて欲しいな、とも思いつつ(笑
最後に少し強引に美月に好意を再確認しようとする夕哉お兄ちゃんがイケメン過ぎましたね
やっぱり女流作家による女子視点の男性向けラブコメが自分は大好きなんだなあ、ってつくづく感じた巻でした。
かなり真っ当にドキドキ出来るラブコメに仕上がってるので少年誌のラブコメ好きの方は是非是非。
どんどんクオリティ高まってると正直思います。


あともう一つ、この巻の三分の一は夕哉お兄ちゃんの友人の正太郎とその妹の萌亜
この二人が中心に据えられているショート番外編とロング番外編が収録されています
これがまた素朴な兄妹愛が感じられて凄く良いんですよね
基本的に主人公が美月で相手役が夕哉で、その友人たちって事はサブキャラもサブキャラなんですが
主人公からかなり遠いからこそ純粋に独立した一つのエピソードとして楽しめた印象です
個人的な印象ではありますが所謂「誰得」感はあんまりないと思います

また、兄と妹の話でもこっちは実の兄妹なのであくまでさりげない絆に留めている
その生真面目さもある程度のリアルさは重視してるんだな、って感じで好印象でしたね
本編とは一味違ったテイストで素直に楽しめるかと思います
可愛いパンツ描写もあるしね(笑
お色気シーンはさておきこの正太郎と萌亜のエピソードは新境地以前の松沢さんっぽかったです。
絶妙な距離感を形にされてる印象なので。 それにしてもこの漫画の「兄貴」はやたら格好良いなあ(笑




















サービスカットも前述の通りコンスタントに挿入されていて
尚且つあんまりストーリーの邪魔をしてない、むしろ円滑に進める仕掛けになっている
その構図もまた面白いなと感じつつとても眼福要素の高かった新刊でした(笑
透けブラとか恥ずかしいカッコで抱き合うとか、
美月と日和の絡み合いもまた扇情的でよろしかったと思います。ええ。

来月からはアニメ開始かー。
原作、っていうか松沢まりさん自体大好きなので若干心配しつつも少しでもいいものになればいいな、と。
キャラデザは正直原作のが好きですがそれでもいち松沢まりファンとしてドキドキしつつ期待してます。
新境地と松沢さんの丁寧な部分がしっかり融合していたのが嬉しかった6巻、大満足でした。







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