【どうしようもないような事件と いつもと変わらぬ日々は】
3.BLUE
オルタナティブ・・・つまりは独特な、普遍的以外のサウンドを突き詰めているロストエイジですけど
この曲に関して言えばすごくシュッとしていて、非常にストレートさを感じる
抜けの良いキラーチューンに仕上がっています。
端的に言えば、外を意識してる
大多数にも伝わる可能性を秘めているスケールの大きいロックチューンになっていて
凛とした音像も、伸びやかな歌声も、ポップで疾走感に溢れるサビも全部が元々の管轄外
昨年の「NEVERLAND」に引き続き一つ殻を破ったような名曲
もっと言えば「PURE HONEY」に通じる部分もあるかも。
ただ、あの曲はまだゴツゴツバキッバキのイメージが強かった最中に出されたナンバーだったので
それと比べると随分受け入れやすく、これもまたロストエイジの一面だよねと
すんなりと聴けて盛り上がれる楽曲に仕上がっていると思う
他の楽曲が深みだったり、滾っている部分が強いのに対してこの曲は
ピーンと一本の線がきれいに張っている感じ、つまりは直線/直球的な魅力があるという事
これもまた代表曲としては相応しい、堂々たる鮮度の一曲として仕上がったな、と。
勿論、ストレート、とは言っても
歌詞はやっぱりどこか這いつくばってるような雰囲気があるし
決して明るい訳ではない
拓人さんのギターこそ曇りのない、爽やかなギターとして鳴ってるけど
反対に岩城さんのドラムはこんな曲でも割れるようにバキバキと鳴っている
そういうコントラスト的な・・・明るさの中の暗さ、暗さの中の明るさみたいな
陰と陽が完全にくっついてるような感覚こそが
最も素敵な曲なんじゃないか、と
個人的には思います。
曇天の中で、クソみたいな日常の中で、それでも一歩踏み出す決意を抱えて進むような
ある意味では物凄く勇ましいナンバーでもあります。こういう曲は昔は作れなかったと思うし
まあ作れなかったと思う~って言っても単なる想像でしかないんですが(笑
それでも、ここまで振り切った決意はなかったと思う。
それでいて都合の悪さも組み込む辺り
またロストエイジの表現が一つ豊かになってきたのを強く感じる、記念碑的な一曲でもあるなあ、と。
こういう楽曲があるからこそ、短編集的な作品と言うイメージが浮き出たのもまた事実。
爽やかさ、真っ直ぐさを説得力込みで聴かせられるようなった、新たな結晶です。
暮れていく日々のこと 揺れている陽炎
教えてくれないか 旅人達のイメージを
道標や、方法論を問うのではなく、あくまでそのイメージ
それは精神的な事だったり、姿勢だったり、見て来た風景だったり
元々答えの出ない世の中だからこそ
本当に必要なのは、本当に残るのはそんなもので
それを糧に前に、前に、
無力感を受けながらも「暮れていく日々」や
目の前にあったと思ったら、掴んだと思ったら「揺れている陽炎」
だけれども、
本当は誰だって一人じゃない
共に毎日闘ってる誰かのメッセージだったり、先人達の生き抜く様だったり
そういうものを糧にしながら、本当はいつだって前を向ける前を歩ける生き物なんだって
そう信じて一歩踏み出すような、気高く勇気に塗れたロックチューン。
「息をするのも忘れて」って歌詞がありますけど
本当に全力で生きてれば、諸々の下らない事に構ってはいられない
息をするのを忘れてた、って思えるくらい夢中になれてれば
自分のフォームで踊り切れていれば
自然と道は拓いていく、
自然と豊かさを身に付けていくものなんだ、と。そんな根源的な事柄も感じさせる詞
曲調と相俟って、突き抜けるように身体に沁み込んでいく絶妙な詞だと思います。
凛として、とかストレート、とか爽やか、だとか
そんな形容も案外似合う程ある種の新機軸として光ってる曲ですが
その根底にあるのはやっぱりどうしようもなく足掻いて這いつくばるロックンロール根性。
だからこそ、聴きやすくも真剣に突き刺さってくる楽曲なのは間違いないです。
気高く、そして泥臭い最新の姿勢表明ソング。大好きですね。
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