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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Gマルえでぃしょん 1巻/河下水希

2011-12-02 16:07:41 | 漫画(新作)






河下水希「Gマルえでぃしょん」1巻読了。





これは、すっごく面白い!のですが
個人的には桃栗みかん時代の作品を髣髴とさせる、
もっと言うと「あかねちゃんOVERDRIVE」っぽいんですよね。
まあ基本設定は未来から来た便利な能力を持ったキャラクター云々~って話なんですが
暴走してエロトラブルを巻き起こすあたりとか
百合的なエッセンスとかが
正に2011年版あかねちゃん、って感じで
少年誌で今河下センセがあれ描いたらこうなるんじゃないか、ってファン的視線でも読める感じで
個人的には常にニヤニヤものでしたね。ここ数作で培った心情描写も活かされてるし
コメディ要素に関しては
それこそ少女漫画時代から抜群ですからね。
この題材で悪いはずがない!っていう。これはこれで素晴らしい作品でした。

この漫画の何が良いって
少数派の味方って部分なんですよね。
前作も前々作もそうでしたが
河下水希らしいお色気コメディに加えてプラスアルファのテーマがあるような気がして
今回はマイノリティーを貫くっていうか
他の誰にどう言われ様が
自分の好きなものは好き、それの何が悪いか、っていう。
確かに
周りと同調すれば楽は楽なんでしょうけど
それって本来の自分を切り捨てて
得るはずの幸せを手放して
他人の意志の上に乗っかるって事ですから、それが幸せなんて到底思えないですよね。
去勢手術される為に生きてるんじゃねーんだから。
この漫画のキャラや
セリフの隅々から
好きなものは好きなままで、信じたものを貫いていけば良い、ってメッセージが漂っていて
それはきっとベテラン作家になった今だからこそ描けるテーマなんじゃないかな、って思う。
他人の顔を伺って無難に生きる人間よりも
自分を曝け出してありのままの人間の方が格好良いに決まっている。
そもそも
自分がお世話になってるもんをバカにするなんて、エセ野郎も甚だしい。理解出来ないからって
頭ごなしに拒否するのもあまりにも自己中心的でみにくい。
そうじゃなくて
多数決よりも、個人の意志を尊重した方がきっと誰もが救われるんじゃないかな・・・という事で
そんな主義主張も心地良い、テーマ的にもバシッと決まっている作品だと思います。
漫画家の卵の成長日記って観点でも
割と王道に、順調に来てると思うのでこれから先の展開にも期待ですね。

にしても、本当に河下水希独特のエッセンスというか
作風だったり
キャラクターはいいですね!邪気がなくてとことん無邪気っていうか
それでいて適度に女らしくて
それがまた自然で、ナチュラルに友情も楽しめます。
雰囲気が常に同じって事は
読んでるだけでこの人の漫画っぽい、って思えるっていう事
それは一つの記名性として見事だなあ、と。
作品を重ねる度に良くなっている部分が見受けられるので、もう10年以上のファンとしては毎回新刊が楽しみで。
絵柄の洗練も行くとこまで行ってる感覚があって、記号的ではなく温か味のある絵柄がより素敵だな、と。
大ファンって事もありますが
久々の新刊は、期待を裏切らないめっちゃ楽しめる作品でした!
やっぱり河下作品大好きなんだな、って改めて。





ちなみに、少女漫画時代の作品から割と今の作風まんまなので
最近のファンの方にも是非読んで欲しいですね。
河下センセも自分を貫き通してる方なので、割と作中のセリフに説得力はあるんじゃないかと思う。




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