超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

トラウマ量子結晶 4巻/青木ハヤト

2012-07-29 23:52:01 | 漫画(新作)






「そいつらは他人の批判はお上手ですが 自分からは何もしない卑怯者です」






青木ハヤト「トラウマ量子結晶」4巻読了。






この漫画も何気に独特な作風ですよね・・・哀愁人間の反抗、っていうか
基本的に対リア充って流れで物語が進んでいくのが実に素敵な漫画ではあるんですけど
でもそれが単なる僻みとか嫉妬だけの感情論ではなく
偽善者に対する否定的な視点も含んでる
正に底辺者の反抗、レジスタンス的な物語になっているのが面白くて、ある種少年漫画的だな、と。
弱い人間立場の低い人間は否応もなくねじ伏せられるのが現状ですけど
たまにはこうやって言いたいことだって言っていい
それを叶えてくれる漫画、って事で
結構読んでてスッキリする部分はあるし、普通の異能力バトル作品とは一味も二味も違う癖があって素晴らしい
3巻ではそんな勢いが少し欠けてるようにも感じられたんだけど、4巻で復調してくれたのでいい
この無茶苦茶さ加減こそがこの漫画らしいな、と大いに頷ける良好な4巻目でした。
ちょっと能力が高くて他人を見下している人間ほど
偽善を使ったり、
望んでもないのにカテゴリーに入れたがる
でもそんなもの結構なんです、こっちはこっちで勝手に動くよ、って
そんな雑草魂を感じさせる流れになってたのも実にこの漫画らしいですね。
割と方向性も見えてきたんじゃないか、って感じられた部分も個人的には大きかったので
その意味でも続巻以降の展開にも注目ですね。次はどんなリア充ブレイクが見れるのか?にも期待です(笑

それにしても人前で見せ付けてくるカップルの厳しさは読み手としてもこたえましたね・・・
なんでしょうね、人が見てる前で腰に手を回す男とか抵抗しない女とか
家に帰って勝手に、、、
ってそう願わざるを得ないんですが
そんな私生活の苦い経験もあって久々に大きく笑えたお話
あれは逆にやっつけられた不良にもちょっと同情してしまいますね(笑
行き過ぎた幸せ気取りは、もはやある種の凶器や公害でしかない、っていう。
でも感じること自体「負け」の証ではあるんでしょうね。
みんな本当によく頑張ったな、って思います(笑)。田中くんが意外に(?)アホの子だったのも驚きですが
味方に回った時の有無を言わせない圧倒的な格好良さは正直頼もしく思えちゃいましたね。
半分少年漫画に対する批評的な視点が組み込まれている漫画ですけど、
でももう半分はきっちりと少年漫画そのもの
セオリーをおちょくりつつ、セオリーの面白い部分も否定せずに取り入れるっていう
その中立的な視点もまたこの漫画ならではの長所かな、と。意外にストーリー的にも気になるのが見事ですね。
でも、日常話はそれはそれで笑えるし面白いので完全にストーリー漫画にもならないでね(笑
気軽に読めて気軽に笑えて、グサッと来る場面もスカッとする場面も同時に味わえる
さり気にお得感の強い内容として成り立っている漫画かな、と。
バトルの構図もそれなりに練られてて好感触ですね。






それにしても、青木ハヤトって童貞なのか・・・?(笑)。作者コメント参照。





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