超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE NOVEMBERS “zeitgeist” RELEASE TOUR 「Flower of life」 @恵比寿LIQUIDROOM 14.2.21

2014-03-01 16:13:25 | ライブレポ

















先週の金曜日にTHE NOVEMBERSのライブに行って来ました。


















このツアーに参加するのは先月の宇都宮公演以来でしたが
あの時は割と美しい楽曲の方が印象に残ったのに対して
この日は逆に激情だったり攻撃的なナンバーのがガツンと響くような一夜でした
その上で救われるような気持ちも沢山受け取れて個人的には堪らないワンマンになってましたね
そもそも新譜は最高傑作に近いクオリティの作品だと思ってるので全曲聴けるだけでも価値があった
更に一曲一曲の魅力や熱量をきちんと掘り下げる事が出来ていた感触を含めて最高の夜でした

リキッドルームの2階では写真展も開かれていてそれもまた良かったですね
視覚的にも格好良いバンドになってるなあ、とまじまじと思えたりしました
今のノーベンバーズの格好良さがフルで伝わって来たのがファンとして嬉しい一日で。


















一曲目は新譜と同じく「zeitgeist」から
カクカクと鳴るアンサンブルの小気味良さ、音源以上の熱唱に早速気持ち良さを覚えつつ
これまた正確に刻まれるリズムのカタルシスが抜群に響いて来た「We」と素直に格好良く思えるモードへ
何気に中毒性の高い「D-503」はユニークかつザラザラとしたサウンドがこれまた気持ち良い
最後の「待ったりしない まったりしない お楽しみはこれから」って歌詞がやっぱり大好きです

ダンサブルなテンションもまた快感な「primal」では序盤のハイライトと思える程の熱量を生み出し
真っ当に格好良く感じられるロックンロールを懸命に奏でる姿に個人的に感動しつつ
ザクザク鳴り続けるギターサウンドが恍惚的な「Fiedel」に続く
この曲もまたお前が天国だと思うんならお前の勝手に行けばいい、と能動を促してて大好きな曲ですね
そんな歌詞を生で聴ける事は私にとってはとても嬉しく尊い経験だったりします

久々に聴いた「ブルックリン最終出口」、限りなく優しい歌声に心癒され
美メロが鳴り響く「pilica」、そして洗練された雰囲気が心地良い「philia」へと流れていく
その流れの上で更にディープに変化するように新譜から「Meursault」を映像付きで奏でる面々
その映像自体も独特の趣があって良かったんですが
サウンドに関しても以前よりも更に音に厚みや迫力が感じられるようになっていて
宇都宮で観たとき以上のカタルシスを受ける事が出来たのが個人的には良かったかなあ、と
こんな曲を今の日本で鳴らせるのは多分ノベンバの他に中々いないのでは
また歌詞も良い具合にシビアで納得があって聴いてて感情移入出来るんですよね

「アマレット」は、普段感じてる悲しい感情に寄り添ってくれる印象でこれまた沁みる出来栄えでした
この曲は聴く度に渋みというかムード感が増してる気がして結構なアクセントにもなってると思う
聴いてて胸が苦しくなる感覚もまた好きでした

新譜の中で一番好きな「Sky Crawlers」はイントロの時点でたまらないですね
この日はギターを弾きながらではなくハンドマイクでじっくりと歌ってくれました
それはそれで想いが鮮明に伝わって来て悪くないですね
それに新鮮だったし(笑
最後の咆哮に近い歌声もまた素敵である種のメッセージに近い何かを感じさせてくれました
歌詞の一部が「奴ら」に変わってたのも面白かったと思います。エネルギーもらいました。


音源以上のド迫力を叩き付けた「Louder Than War」、
バッキバキのアンサンブルと突如叫びだす緩急に恍惚的な気持ち良さを覚えました
この曲は宇都宮以上にリズム感、インパクトが磨かれていて有り体に進化を感じさせてくれましたね
そこからザラついた鉄の音が聴き手の感性に刺激を与えまくる「鉄の夢」に突入
ギターリフがあまりに格好良く決まってて素直に夢中になりつつ
更にボリュームを上げるシャウトにも痺れ
それは次の「dogma」で完全に極まってました
冷静な憤りを感じさせる歌声と最後の感情の総てを吐き出したかのような絶唱に端的にスカッとした
様々な感情が渦巻いてるステージ上の雰囲気もまた異様で刺激的で個人的にヤバかったですね
この辺はかなり興奮しながら観てました

そして、代表曲「彼岸で散る青」、この曲はいつ聴いてもグッと来ます
歌詞も一つ一つ刺さって来ますし盛り上がりも流石のもの、終わってからの拍手の音も一際大きい楽曲です
繊細に響き渡るリフの気持ち良さも素晴らしかったですね
熱量に再び火をくべる様に「Wire」、過熱し続けるロックサウンドの凄味に圧倒されつつ
音源よりも演奏時間が長引きロングスパンで奏でられる演奏の高まりは是非見てもらいたいと思う
特に異様に長くなってるアウトロの部分はライブ感たっぷりで素晴らしいです


そんな加熱しっぱなしのロックモードの末に
優しい歌声がしっとりとねっとりと響く「Ceremony」、決定打のような名曲に感じますが
以前よりも歌が丁寧に歌われてる気がしてこの曲もまた磨かれて来た感覚がありました
そして宇都宮では途中に配置されてた「Flower of life」で本編はラストだったんですけど
これがまた気持ちの良い祝祭感が溢れ出ていて非常に素晴らしかったと思います
それこそ聴き手を真正面から後押しするような誠実さを感じて
何だか無性に感動してしまいました
最後の盛り上がりとしても華としても十分な一曲でやはりこれが最後で凄く良かったな、と
「能動」への意欲を思いっきり掻き立てられるアルバムの世界観を完璧に再現した一夜でした。感謝。

アンコールでは「mer」を間奏でどっしりとしたロック感を含ませつつ演奏
最後の最後は「再生の朝」を全力で奏でてこの日のワンマンは総て終了しました
「溺れてもいい 泳がせてよ」って歌詞が個人的に特に心に残りました
優しい曲も、激しい曲も、わけ隔てなく格好良かったです。また頑張ろう、って素直に思えた。


















セットリスト
1.zeitgeist
2.We
3.D-503
4.primal
5.Fiedel
6.ブルックリン最終出口
7.pilica
8.philia
9.Meursault
10.アマレット
11.Sky Crawlers
12.Louder Than War(2019)
13.鉄の夢
14.dogma
15.彼岸で散る青
16.Wire(Fahrenheit 154)
17.Ceremony
18.Flower of life

アンコール
19.mer
20.再生の朝














旧譜からの曲もすこぶる良かったんですが
やっぱり新譜の曲を聴く方が個人的には楽しい夜でした
何故ならばやっぱりリズムが面白いし作中観が統一されてるので
もっともっと能動を歌って欲しい、浴びせかけて欲しいとか思ってしまうんですよね
その意味では非常に最高かつ新鮮味溢れる素晴らしい夜に仕上がってました
その上で感動的なラストもまた印象に残ったのも嬉しかったです

今のノベンバはより個性的なバンドへ進化を遂げているので機会があれば是非観て欲しいです。
個人的ハイライトは「Louder Than War(2019)」と「dogma」ですね。


ちなみに、小林裕介のMCで「セミファイナル」を「セミファイル」と発言してしまった部分があって
「セミファイルって何だよ・・・」とセルフツッコミされてたのが面白かった(笑