THE NOVEMBERSの全曲レビュー通算15回目です。こっちは順調に行けば割と早く終えれそう。
2.Figure 0
初めて聴いたのはライブだったんですけど
その時からぶつぶつと呟くように歌うボーカルと、途中の激しい転調
エキゾチックな雰囲気と
その楽曲の持つ色がはっきり示されていた曲。実際ライブの後に音源で聴いてみたら
その時の衝動のままに音が詰め込まれていて個人的に嬉しかった曲です。
音の臨場感と
和洋折衷な空気が気持ち良い楽曲なんですが
最早ギターロックやオルタナを飛び越えてハードコアな匂いもする割と珍しいタイプの曲なんじゃないかと思います。
【生き延びたい イメージの中】
この詞はどうとでも取れると思うんですが
個人的な解釈だと・・・
想像した現実と
創造した現実があるとして
そこにはやっぱり、その、差異が出来てちゃうんですよね。
こんなの全然違うだとか
思った通りに事が運ばない歯がゆさだとか、そういうのをひっくるめて
もっとイメージ通りに生きてみたい、だとか
更にいえばそんなイメージを引きずったまま生きてみたい、だとか・・・。
現実に屈するのも
現実に逆らうのも個人の自由ですけど
揺れ動くこととそこにそのまま立ってることと、どっちを選択するか、って事ですよね。
生き方に間違いなんてないと思うし
本人がそう思ってるなら別だけど
どう生きるか、何を選択するか、それを決めるか決めないかは本人の自由ですから
そんなままならない現実から逃れて、逃れようとして
どこに行き着くのかは分からないけど
どこに辿り着いたとして、それはもう自分の責任なんですよね。自分が選んだだけ。
それを人の所為にしちゃいけない。
かといってそれを選んだ自分を責めずに、そこにプライドを持つのも一つのやり方ですけど。
なんてのは多少複雑な解釈ですけど
単純に自分が生きていくイメージを思い描いて切望するだとか
そんな意味合いにも取れると思う。
嫌なものを見ても
嫌なものを知っても
生きつづけるイメージだけは持っていたい
生きつづけるイメージくらい持たせてくれ、と。
そんな欲求不満と自暴自棄と切望が混ざって一つになったような、そんな曲です。
何事にも動じない強い人間もいれば
少々の事で心が折れる繊細な人間もいるけど
どっちにしたって
目の当たりにするものは大体同じだと思う。そこで差異も出てくるだろうけど
じゃあそこで何を考えるべきか?っていうか。最終的に浮かぶのはそういう事ですけど
同時にそこに至るまでのストレスを発散するような曲でもありますね。