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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アラブの春は来るか。 is it come the spring of arab

2017-01-03 20:03:38 | 日記
 (1)新年早々から中東トルコではカウントダウンを祝う、楽しむために集まったクラブの一般市民を狙ったテロが発生して、大勢が犠牲になるという悲惨なニュースが伝えられた。

 シリアから締め出されたIS(犯行声明)が隣国トルコで関心を呼ぶテロ騒動を引き起こしている。シリア情勢はロシアなどの援軍を受けてアサド政権がほぼ全土を掌握する優勢な展開となり、一時停戦合意が成立した。

 (2)シリア、トルコも独裁的な政権が国民を弾圧する形で国内鎮圧をはかっており、国民解放のアラブの春(spring of arab)に逆行して元のもくあみに回帰した。
 アラブの春が思惑どおりに和平に向かわなかったのは、中東に強い影響を持つ米国とロシアの思惑が一致しなかったからだ。

 米国はイランとの関係改善で中東の安定を目指したが、これに対するイスラエルの反目を抑えきれずにトランプカード(切り札 trump card)にはならずに、この間ロシアは友好国シリア・アサド独裁政権を支えてシリア情勢を有利に導いて米国に代わって中東情勢に強い影響力を示している。

 (3)米国は直接的な中東関与から手を引いてアラブの春の進化に期待したいところだったのだろうが、ロシアはシリア関与でここにくさびを打ち込んでつながりを強化して勢力拡大を目論んでいる。

 ウクライナ・クリミア半島のロシア強行編入でも欧米と対峙しており、中東でも同じ構図が続く。ロシアにはソ連邦時代の復活、再現を目指して勢力拡大しているとも見られる関与だ。
 トランプ米次期大統領が世界の警察国家からの離脱、米国第一主義を唱えているので、中東情勢のロシア主導の流れは変わらないだろう。
 ロシアとの北方4島返還問題を抱える日本にとっても厳しいロシア情勢といえそうだ。

 (4)シリアのアサド政権と反体制派、ISとの内戦は停戦成立で一定の終息を迎えたが、国民支持の低いアサド独裁政権がこのまま安定するとも見えずに、隣国トルコ・エルドアン独裁政権ともども国民の低い支持の中で何が起こるかわからない不透明情勢はある。

 中東でのロシアの関与責任の重さが増したといえるだろう。それはEUの不安定さとも関係が強い。

 (5)EU諸国は植民地支配の歴史からその後も中東、アフリカへの関与を強めており、そのEUの政治的混乱、弱体化は中東、アフリカ情勢にも影響を拡げることになるだろう。

 英国のEUからの離脱、移民受け入れ拡大の弊害、EUでも既成政治体制への反発が強まって極右政治勢力の台頭を招いており、これまでEU体制をリードしてきた独仏の政治体制にも陰りがみられる。
 ロシアがこれに乗じて中東支配を進めるのか、シリア、トルコ情勢、イスラエル、イラン情勢と流動的な側面はある。

 (6)アラブの春はまだ時期尚早だったことがわかったが、EU、中東はしばらくはカオス(chaos)状態が続く様相だ。
 もちろん、そこへトランプ米次期大統領の登場で米国とイランとの関係改善にも変化、後退が予測されることから、中東情勢は完全に元のもくあみに戻る可能性は大きい。

 (7)そこからもう一度アラブの春がやってくるのか、米国とロシアの思惑次第だ。しかし、どうあがらってもアラブの春はやってくる。米国とロシアにイラン動向がカギだ。

 

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米国理想主義の貧困。 poverty of the idealism of usa

2017-01-02 20:20:33 | 日記
 (1)今年のというか、これからの世界政治、経済、社会で最も重要な問題といえば米トランプ政権の誕生であるのは間違いない。
 トランプ氏自身、トランプ政権そのものの問題もあるが、むしろその背景にあるトランプ政権を誕生させた米国の貧弱な政治家層の貧困(poverty)、深刻な人材不足そのものがこれからの世界情勢に色濃い重大なマイナス影響をもたらすことになるだろう。
 米国理想主義(the idealism of usa)の土台が揺らいでいる。

 昨年の米国次期大統領選は米国内から最も程度の悪い候補者同士の争いといわれて、どちらがより悪くないかの争いとまで酷評された。

 (2)そのとおり、当時民主党ヒラリー・クリントン候補と共和党トランプ候補のテレビ討論は握手もなく、それぞれの人格、行動を中傷批判するばかりでまともな政策論争は聞かれなかった。

 世界政治を曲りなりにリードしてきたこれまでの米国政治、大統領であったが、今回の大統領選は米国政治、政治家層の人材不足、貧困、貧弱を思い知らされた。

 (3)もちろん歴代大統領もそれぞれに問題は抱えていたが、高い理想、理念、主義に裏打ちされた政治理論があって、自由主義、資本主義、民主主義の利益を守ろうとする強い責任、意欲、意識が見られた。

 ケネディ大統領は当時の共産社会主義国ソ連と対峙して、キューバ危機では核戦争も辞さない強硬姿勢でキューバへの海上を封鎖してソ連によるキューバへのミサイル投入を阻止して米国、自由主義の利益を守った。

 (4)当時ソ連の老練なフルシチョフ首相が若い米国ケネディ大統領の政治力を試したともいわれて、これに若いケネディ大統領が断固たる海上封鎖の対抗措置で応えたものだ。

 当時は自由主義米国と共産社会主義ソ連の両大国が核戦争も辞さない衝突、戦争に発展でもしたら世界はどうなったのか、特に若い米国ケネディ大統領の判断、決断、能力が問われた事件であったから、パラドックス(paradox)として世界に米国大統領の能力、実行力、責任を知らしめることとなった。
 もちろんそのケネディ大統領も当時ソ連の支援を受けるのど元の共産社会主義革命国キューバをCIA主体による侵攻を試みたことがあり失敗に終わっている。

 (5)ケネディ大統領は国家が国民に何をするかではなく、国民が国に何が出来るのかを問うた。民主主義の高い理想、理念、主義だ。
 時代は資本主義、民主主義政治体制と統制計画経済、共産社会主義政治体制がそれぞれに支配し対峙する二大政治思想の世界であったから、理想、理念、主義が政治の本流を流れていた時代でもあった。

 (6)1月20日に就任する米国トランプ次期大統領は米国第一主義、超保護主義を唱えて、移民排斥、メキシコの壁建設、TPP離脱さらに米国の世界警察の役割から撤退する意向を表明して、米国伝統の高い理想、理念、主義政治の面影は見られない。

 今回は既成政治、政治家への不満、反発が特に白人マイノリティ層からの不満、反発がトランプ現象を引き起こしたともいわれて、高い理想、理念、主義を語る候補者、政治家人材が不足していた米国政治の貧困、貧弱性が導いたものともいえる。

 (7)この傾向はトランプ次期大統領に限らずに、続く米国政治家層に共通したものであり、シリア問題でもロシア・プーチン大統領の影響力が増して化学兵器を使用して反体制派、国民弾圧のアサド政権が持ち直した。世界の秩序がおかしく変化している。

 世界はあたらしい秩序を求めて漂流しているが、米国の理想、理念、主義政治が立ち直らなければ、この米国の政治の貧困、貧弱性は世界政治、経済、社会にこれから大きな暗い影となってカオス(chaos)を招くダイナミズムとなるだろう。

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