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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

本当の混乱、混迷の予感。 a foreboding of true ‘khaos’

2017-01-22 19:38:55 | 日記
 (1)1月20日トランプ大統領が正式就任した。翌日の新聞論調ではこれまでの米国大統領は就任式で伝統的な理想を掲げて、民主主義、公正を格調高く説いて世界のリーダーとしての気構えを示したとして、トランプ大統領の就任演説には「大きく落胆した」(報道)とある。

 まがりなりにも選挙戦と違ってトランプ大統領には就任式での高い理想の言葉を期待したようだが、出てきたのは既成政治、社会との決別、国民に権利、雇用を戻し米国第一主義となるこれまでの主張の踏襲だった。

 (2)もともと政治経験のない、軍人経験のない不動産王としての初めての大統領とあって、いまさら高い理想主義、自由主義、民主主義の言葉など期待する方が無理だろう。また就任式にこれまでのトランプ大統領の主張と違って伝統的な高い理想主義など語られては、トランプ大統領を誕生させた既成政治、社会へ不満の支持層から「ひんしゅく」を買うものであり、それははじめからないものだった。
 それが米国民が選択した現在の現実の米国像であるからだ。

 (3)トランプ大統領は以外(多くの国、経済リーダーからはトランプ大統領は正式就任すれば少しは現実的に変わるとの期待感もあったようだから)とこれまで主張したことは着実に実行するタイプではないのかと書いたが、就任式当日にすでにオバマケアの破棄、見直し、TPPからの離脱、NAFTA(北米貿易協定)再交渉について大統領令に署名して行政機関に命令を出している。

 英国のEUからの離脱を支持して、ともに自国利益第一主義で保護主義同士の英国メイ首相とは早速トランプ大統領は最初の外国政治指導者として今月中に会談するなど主張の方向性は揺らぎはないようだ。

 (4)それは政治経験のないこと、大統領に押し上げた支持層が既成政治、社会へ不満を多く抱える人たちであることから、特別に政治的に深読みをすることなくストレートにマイウェイを進むであろうことは容易に考えられた。

 そういう意味では策謀うずまく戦略的な権謀術数ではなく、裏表のないストレートな対応が政治的にもいい悪い両面で特徴的といえるだろう。
 上院公聴会での指名閣僚の承認審査が続いているが、すでにトランプ大統領と閣僚間の政策上の意見の違いが報じられており、今後も政府内の政策の不一致が表面化ないしはトランプ大統領の流儀(fashioned)の主導で担当閣僚が立ち行かなくなることもしばしばで、混乱、混迷(khaos)を招くことも現実味を帯びている。

 (5)問題は米国第一主義、保護主義でトランプ大統領がこれまで掲げてきた主張が実行できなくなってきた時にどう転換するのか、それでも転換しないのか、そうした時に既成政治、社会に不満の支持層がそれでもまだトランプ大統領に期待して支持するのか、そういう事態は何年も先とかではなくそう遠い将来ではない気配がする。

 トランプ大統領はこれまでのように過激な発言でその責任を対外的問題に特化するだろうが、これまでと違って本当の混乱、混迷はそれからの問題だ。

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