いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ナショナリズムの台頭。 rise of nationalism

2012-10-01 19:37:57 | 日記
 (1)国会審議を放ったらかして(休会)民主、自民の党代表選に明け暮れて、今日、内閣改造を行う政情についてメディアの世論調査結果だ。
 現職首相が圧倒的支持で続投する民主は支持率を11%に下げ、元首相の再登板となった自民支持率は6ポイント上昇しての25%となった。

 既成政党不信の中で党代表が交代した自民党への変化の期待がわずかに増加したが、それでも政権時代に途中で政権を投げ出した元首相の再登板とあって、これに期待しないが55%と過半数を占めている。

 (2)自民党は前代表時から政権奪回にすぐそばまで来たと甘い時代認識の自己評価による今回の党代表選であったが、結果として選挙戦を通じて従来型自民党体質に自己回帰しての党体質の限界をあらためて突きつけられた結果だ。

 政治がいまだに党利党略、野望、独善に固執して国民の期待、意思から遊離して「変革」をとげれない現状への失望感だ。
 同時にマニフェスト無視、不履行の現職首相を再選した民主党への失望感(支持11%)でもある。

 (3)国民政党となった橋下大阪市長代表の「日本維新の会」への支持は8%と低レベルでの第3勢力にはなっているが、民主党支持率並みでその「実体・実力・実績」不足が支持吸収の傾斜につながっていない。
 
 日本の政党政治が完全に閉そく状態の中にあり、打開の方向性が見えないとともに、国民も3年前の教訓(precepts)をもとに単なる期待感だけでなく「実力」、「実績」を見極めようとする傾向だ。

 (4)尖閣諸島領有権問題での国際的な日本政治への「不安」を国民が肌で実感していることが影響しているのではないのか。
 日本政府の「国有化」がいらぬ国際緊張を呼び招いている領有権問題だが、10ポイント減ったとはいえ63%がいまだに国有化を支持しているのは、中国の理不尽な(unreasonableness)日本非難行動へのアンチテーゼ(anti these)だ。

 10ポイント減少は日本政府の国有化政策の乗せられた軽率感の浸透だ。この問題で日本の中国への抗議行動が十分でないと82%もが答えており、あわせて領有権問題の本質(実証力のない背景と実効支配性)を熟考せずに、今後ナショナリズムの台頭(rise of nationalism)が気になる結果だ。

 (5)自民党の回帰路線の流れとも符合する時代感だ。3年前の本格的政権交代のその後の崩壊、失望感との3層(抗議不十分、回帰、崩壊)相乗作用の精神性が見て取れる。

 (6)「近いうち」解散を守るべきだと71%が答えて、政治閉そく打開に早期の解散総選挙を求める声が依然として高い。民主党は来年任期までの総選挙を遅らせる党執行部体制を編成したが、ここでも国民の意思とかい離して総選挙が遅くなればなるほど政党不利益のリスクは大きくなることが結果から推測される。

 (7)今日、沖縄普天間基地に強行配備されたオスプレイの配備については、日本の安全に役に立つ46%と役に立たない45%ときっ抗しており、米国の外交特権としてのごう慢な安保体制上位姿勢を別にしても(設問設定の問題もある)、中国の領有権問題に代表される圧力に対する安全不安、不満が影響したものと考えられ、ナショナリズム台頭の機運が伺える時代傾向だ。熟考もない軽率では、いいことではない。

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