(1)ウクライナ戦争は3年目に突入が確実で、長期化している。長引けば「国力」の差が出てくるもので、昨年ウクライナの軍事反攻が始まると伝えられたが最近は停滞が伝えられて、成果があがっていないとみられる。
ウクライナは米国、EU、NATOの軍事支援頼りで、国内では戦況を巡ってゼレンスキー大統領と軍総司令官の見方、意見が分かれて対立しているといわれてゼレンスキー大統領が軍総司令官を解任、交代させるとの報道もあり、長引く戦争で結束が乱れて政権内の汚職、腐敗が進行しているとみられる。
(2)戦闘能力、軍事力、兵力に勝る露に対して米などの軍事支援が頼りのウクライナは、戦争が長引けば不利な状況で3年目に入って政権内にも不協和音、汚職、腐敗が目につくようになっている。
軍事支援の中心の米国では議会、国民の間で長引く戦争でウクライナ軍事支援予算が増えることに反対の意見も多くなり、ウクライナにとってはさらなる痛手になるともいえる。
(3)現在進行中の米国大統領予備選でも選挙州の投票用紙に候補者名ではなく「停戦」と書かれたものが1500票以上あったと報じられている。長引くウクライナ戦争にこちらも収まる気配のないイスラエルとハマスの戦闘にともにかかわるバイデン政権に対して早期の「停戦」を求める米国有権者の気持ちのあらわれだ。
(4)ウクライナもゼレンスキー大統領と軍総司令官が対立して意見が分かれて、政権内には汚職、腐敗がまん延している状況では支援国からの軍事支援、協力の意思、意向にも影響が出てもおかしくない状況で、長引く戦争で露の国力に軍事支援頼りのウクライナでは戦況も開けずに露の一方的なウクライナ軍事侵攻への国際的批判、非難が頼りともいえそうだ。
(5)イスラエルとハマスの戦闘はイスラエルがガザ地区北部住民が多く非難するガザ地区南部地域への軍事侵攻を強めており、ハマス壊滅に向けて侵攻を緩める気配もないが、しかし軍事力で圧倒的に有利なイスラエルがガザ地区を完全支配して住民全員をすべて隣接するエジプト側に追いやるまで米国が許容するとは考えられずに、こちらは休戦、停戦の可能性は高い。
(6)ともにかかわる米国も現在は大統領予備選が本格化し、11月の本選挙までは自由に身動きがとれずに、本格的に新たな大統領で動きだすのは11月を過ぎてからだ。やはりいわれているように新大統領がバイデンかトランプでは戦争、戦闘の行方は変わってくることが考えられる。米国民にとっては重要な判断、選択になるだろう。