いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

博多の風は岸川から吹いてくる

2009-04-17 23:14:16 | 日記
 九州朝日放送に岸川さんというラジオディレクターがいまして、
福岡から数々のミュージシャンを育てて音楽を発信したひとです。
もう数年前に病気でお亡くなりになっていますが、その前年にチュ
ーリップ(再結成)のコンサートで福岡サンパレスのロビーで偶然
にお会いしたことがあります。

 小柄で、融和な表情、落ち着いた話しぶりの紳士でした。「今日
の財津くん、よく声がでていたね」ととてもうれしそうに語ってい
たのが印象に残っています。あの笑顔がとても素敵でした。
 30数年前に、当時の福岡の若いアマチュアミュージシャンをラ
ジオ番組に登用して、その後のフォーク、ニューミュージックの音
楽の興隆に貢献したひとです。

 聞いた話ですが、当時は、ステレオ録音もなくて、まだアマチュ
ア時代のチューリップのレコーディングです。二つの部屋に録音装
置をセットして、行ったり来たりして、ステレオ効果の録音をした
とのことです。時間も労力もかかる大変な作業で、失敗も許されな
い状況のようでしたが、当時の財津和夫さん、「僕たち、実力があ
りますから、いっぱつで決めます。」と言ったそうです。名言とし
て聞きました。その後のチューリップ、財津和夫さんの音楽歴をみ
ますと、うなずけるような、ほほえましいような、福岡の音楽のエ
ネルギーがよく伝わってくる話しでした。

 ライヴ音をどうやって媒体を通してドラスティックに再現するの
か、レコードからCDへ、そしてネット配信へと時代は勝手に変遷
していくけど、最後まで福岡で発信した音楽をあたたかい眼差しで
支え続けた岸川さんのあの日の笑顔が忘れられません。
 岸川さんが今いたら、もう一度福岡から音楽をシンプルに発信し
たのではないのか、そういう想いです。
 

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