(1)2月にベトナムで開催された2回目の米朝首脳会談は、北朝鮮の核廃棄に向けて双方の溝、思惑が埋まらずに予定された最後の昼食会も開かれずに物別れ、決裂を迎えたが、会談では金正恩委員長が「日朝間の懸案として日本人拉致問題があるのはわかっている。いずれ安倍首相とも会う」(報道)と語っていたことがわかった。
安倍首相は日朝首脳会談の無条件開催を探る意向だ。1回目での米朝首脳会談でも同様の発言はあったが、水面下では接触もはかられているのかもしれないが北朝鮮の対応態度は日本側に厳しい言動をくり返して、その機運は見えない。
(2)日本政府の拉致問題責任者の菅官房長官は10連休後に訪米して、その間に北朝鮮側との接触もあるのではないのかとの憶測もあり、進展の動きもみられる。
しかし米朝首脳会談での北朝鮮側の対応態度は米国との2国間対話をすることが目的であり、北朝鮮の核放棄、廃絶への動きには進展がみられずに米朝間のかけひきが続く。
米国情報では北朝鮮は核施設の再開に向けて動きがみられて、4日には北朝鮮が「飛翔体」を打ち上げたとの情報もありこれが弾道ミサイルとの分析もあり、米朝首脳会談が暗礁に乗り上げている中で北朝鮮も一歩も引かない姿勢を示したものと受け取られる。
(3)こういう中で北朝鮮拉致問題だけが進展するということも考えられずに、金正恩委員長の米朝首脳会談での拉致問題で安倍首相と会うという発言に実現性を見ることは簡単ではない。
通常、国の緊急事態対策をたばねる菅官房長官が10日間近くも日本を離れて訪米するというのも異例で、今回の訪米の目的がいわれているように北朝鮮側との接触という思惑があるとすれば、拉致問題には日本側とすれば高いレベルでの接触ということもあり、またこれに合わせて安倍首相から北朝鮮との無条件での会談メッセージが聞かれることから一応の進展に期待は高まる。
(4)北朝鮮としても米朝首脳会談で言及、約束した金正恩委員長が安倍首相に会うということになれば、米側の意向に沿うという姿勢を示して米朝首脳会談の継続意思を表す方法論(methodology)としては考えられる。
しかし仮にそうなっても日朝首脳会談で拉致問題の解決、進展に期待が持てるかといえば、国連安保理決議で北朝鮮への経済支援、協力が禁止されている制裁状況では譲歩をみせることは考えられない。
(5)米朝首脳会談でもすべての核廃絶という核心部分では北朝鮮側の既得権益、利益を守る姿勢は崩しておらずに、そうすることが北朝鮮国内での金正恩体制の維持には不可欠との判断が働いているものと考えられる。
拉致問題も前金総書記が北朝鮮の行動、行為と認めながら、その後は金正恩体制になって拉致被害者5人の帰国で解決済みとの強硬姿勢をみせており、日本側の姿勢を非難する混同ぶりだ。
(6)菅官房長官の訪米に合わせた北朝鮮側との接触があるとすればわずかな期待を見出すことも考えられるが、やはり米朝首脳会談が軌道に乗り、話し合いが進展することが前提となるだろう。
安倍首相は日朝首脳会談の無条件開催を探る意向だ。1回目での米朝首脳会談でも同様の発言はあったが、水面下では接触もはかられているのかもしれないが北朝鮮の対応態度は日本側に厳しい言動をくり返して、その機運は見えない。
(2)日本政府の拉致問題責任者の菅官房長官は10連休後に訪米して、その間に北朝鮮側との接触もあるのではないのかとの憶測もあり、進展の動きもみられる。
しかし米朝首脳会談での北朝鮮側の対応態度は米国との2国間対話をすることが目的であり、北朝鮮の核放棄、廃絶への動きには進展がみられずに米朝間のかけひきが続く。
米国情報では北朝鮮は核施設の再開に向けて動きがみられて、4日には北朝鮮が「飛翔体」を打ち上げたとの情報もありこれが弾道ミサイルとの分析もあり、米朝首脳会談が暗礁に乗り上げている中で北朝鮮も一歩も引かない姿勢を示したものと受け取られる。
(3)こういう中で北朝鮮拉致問題だけが進展するということも考えられずに、金正恩委員長の米朝首脳会談での拉致問題で安倍首相と会うという発言に実現性を見ることは簡単ではない。
通常、国の緊急事態対策をたばねる菅官房長官が10日間近くも日本を離れて訪米するというのも異例で、今回の訪米の目的がいわれているように北朝鮮側との接触という思惑があるとすれば、拉致問題には日本側とすれば高いレベルでの接触ということもあり、またこれに合わせて安倍首相から北朝鮮との無条件での会談メッセージが聞かれることから一応の進展に期待は高まる。
(4)北朝鮮としても米朝首脳会談で言及、約束した金正恩委員長が安倍首相に会うということになれば、米側の意向に沿うという姿勢を示して米朝首脳会談の継続意思を表す方法論(methodology)としては考えられる。
しかし仮にそうなっても日朝首脳会談で拉致問題の解決、進展に期待が持てるかといえば、国連安保理決議で北朝鮮への経済支援、協力が禁止されている制裁状況では譲歩をみせることは考えられない。
(5)米朝首脳会談でもすべての核廃絶という核心部分では北朝鮮側の既得権益、利益を守る姿勢は崩しておらずに、そうすることが北朝鮮国内での金正恩体制の維持には不可欠との判断が働いているものと考えられる。
拉致問題も前金総書記が北朝鮮の行動、行為と認めながら、その後は金正恩体制になって拉致被害者5人の帰国で解決済みとの強硬姿勢をみせており、日本側の姿勢を非難する混同ぶりだ。
(6)菅官房長官の訪米に合わせた北朝鮮側との接触があるとすればわずかな期待を見出すことも考えられるが、やはり米朝首脳会談が軌道に乗り、話し合いが進展することが前提となるだろう。