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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

外交力と人材不足。 diplomatic power and deficiency of talent in the government

2019-02-27 19:58:14 | 日記
 (1)トランプ政権と安倍政権は外交対応ではよく似ている。問題を抱えながら思うように解決に向かわせない。米国は中国、ロシア、EUなどと軍事、貿易、経済、環境で対立が進み、トランプ大統領が世界規律(paradigm)を無視して次々と国際条約からの離脱を決めて、掲げた米国第一に走る。

 (2)トランプ大統領の国内の岩盤支持層を意識した何が何でもの公約実現が大きいが、自分を支えるはずの重要閣僚、政治スタッフが次々と辞任、離反して政策、外交がうまく機能していないことが大きい。

 トランプ政権の外交、軍事を担当する重要閣僚の国務長官、国防長官が政権2年の間にともに交代していては、外交方針がすんなりとは回らないのも当然だ。国連大使の交代も同様で国際政治の指導力に影響が考えられる。
 
 (3)日本はといえば、韓国との歴史認識問題の蒸し返しに韓国軍艦艇による自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件で、ああ言えばこう言い返すだけの対立が続き、両国外相会談も物別れ、意見のかみ合わない話し合い、協議が続く。

 ロシアとの平和条約締結、北方4島返還問題では、ロシア外相から北方4島が戦後法的にロシア領になったことを認めるよう迫られて、解決の糸口も見いだせないでいる。

 (4)メディアからは河野外相への批判も聞かれるが、記者の都合の悪い質問を無視するなど資質にも問題はあるが、それとともに河野外相を支える外務省の専門スタッフが揃っているのか、トランプ政権と同じ悩み、問題が感じられる。

 かっての外交交渉をみていると、外交問題に取り組む時には外務省内の重要ポストにそれなりに名の通った精通した担当者がいて、外相会談前には事前調整のために相手国担当者と協議するために出発する姿が報道されたものだが、最近も外交手法は同じと理解するがそういう報道の姿はほとんど見かけることがない。

 (5)交渉というのは相手国担当者と気心、顔見知り、旧知の関係であることが大きな意味を持ち、突っ込んだ話し合いで両国間の溝を埋める事前調整、整備、道標ができるというものだが、そういう有能な外交交渉担当者が育っていないリスクと考える。

 近年の財務省、内閣府、文科省、厚労省の次々の不正、責任問題を受けて、国家公務員、キャリア志望を考え直す学生の意見も聞いて(インタビュー)、ますます国家公務員キャリアが敬遠されて人材不足(deficiency of talent in government)で外交力の減退、後退が懸念される。

 (6)安倍政権になって官邸主導政治により組織的に行政機関の弱体化が進み官邸の影響力が強くなって忖たく政治が支配していて、国力は活力を失い劣化、弱体化している結果が外交交渉の後退につながっていると考える。

 政府間合意が簡単に覆(くつがえ)り、蒸し返しで元に戻るなどとは、外交ルートが機能していなくて外務省の大臣も含めて有能なキャリア、職員の人材不足があきらかだ。

 (7)外務省の組織的な人材建て直しが必要だと書いたが、人材発掘ができるのか、一部には安倍首相の4選論も出ているといわれてこの政治体制が続けば国力劣化、弱体化が進み、信用、信頼、協力関係に取り返しがつかない危惧、恐れがある。
 

 

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