いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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水道事業の民営化。 private management style of water service business

2018-11-30 20:11:58 | 日記
 (1)入管法改正案が注目を集めている臨時国会で、水道法改正案が継続審議され成立する。地方自治体の独立採算制の水道事業が「人口減少にともなう収益悪化と設備の老朽化」の二重苦に苦しめられて、官民連携による自治体が施設を保有し、運営権を民間に売却することができる改正案だ。

 良質で豊富な水資源に恵まれた日本で水道事業が転機を迎えていることは、水道料金の値上がり(全国平均で30年間で30%上昇)で実感してきたところだが、地方自治体の水道事業収益悪化に設備の老朽化対策で改革が迫られている。

 (2)この傾向は世界的なもので、比較水資源に恵まれない外国ではすでに以前から水道事業の民営化(private management)に踏み切っているが、水道料金の高騰でほとんどが公営化に逆戻り(報道)するケースが増えている。

 交通、電力の民営化と違って、毎日人間が健康で健全、安全、安定した生活を維持する体力、身体を確保するために欠かせない水資源、水道水の運営を「民間」に委託させるというのは不安はある。

 (3)精神文化上も水資源、水道が営利目的で民間に運営されるというのは抵抗感はある。かって北海道の豊富な山林水資源が狙われて、外国資本による買い占めが話題になったことがあったが、良質で豊富な山林水資源を有する日本では空気同様に水も「タダ」という感覚が指摘されて安易に考えられてきたところがある。

 しかし水資源、水道は河川水源から取り入れる施設で洗浄されて飲料水として各家庭まで支給されており、特に地中の水道管の老化取り換えは国民が水道水を利用しながらの工事で負担も大きい。

 (4)特に寒冷地、雪の影響が大きい地域では自治体の負担も大きく、北海道では水道料金月額6800円を最高に負担が高く、負担の少ない自治体(800円~1100円程度)の8倍(統計資料)にのぼる格差だ。

 当然水道管の敷設、取り換え工事費用もかかり、水道事業の収益を圧迫することになる。水道事業の地方自治体の独立採算制はそれぞれに地域の事情によって水資源、河川引き込み、環境に違いがありそれぞれの地域性に合わせた合理的な独立採算性がとられているものだが、事業性、収益性、採算性だけみて民営化を進める事業ではないことは各国の水道経営事情の推移をみればよくわかる。

 (5)やはり収益、採算性第一の民営化になじまない、人間の健全、健康、生活にかかわる、欠かせない水道事業ということだ。各国の水道事業民営化の反省にたって、良質で豊富な水資源を有する日本としての安全で安定した水道水の支給に向けた事業改善策も考えなければならない。

 水道料金の算定、算出の仕方も見直してはどうか。日本の良質で豊富な山林水資源の資産、管理価値を含めた総合的で実質的な事業としての水道料金体制だ。

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