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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

終戦の日と安倍談話。 the day of the war's end and abe speech

2015-08-15 20:00:11 | 日記
 (1)戦後70年目の終戦の日を迎えた。戦争を知らない世代が人口比率80%を超えて、戦争の惨禍、悲劇、不幸の歴史認識は継続させて二度と過ちをくり返してはならない教訓(precepts)としなければならない。

 戦後70年日本は米軍による占領政策の時代も続いたが、戦争のない平和な国家として高度経済成長を経て、今はG7メンバー国としてアジア圏を代表するひとつの国家となった。
 先端的科学技術開発国、経済立国として国際的地位は名誉ある立場となったが、その国を動かすダイナミズム(dynamism)の政治は高い評価を受けているとはいえない。

 (2)第2次世界大戦を日本とともに闘いナチス・ヒットラー政権の侵略戦争で欧米諸国に多大な被害を与えたドイツは、自ら戦争責任を認めて謝罪し、今では壮大な政治、経済、平和の実験場であるEUの中核国として政治的影響力は高く評価されているのとは大きな違いだ。

 今日のISをはじめ国際テロ、イスラム過激組織の侵略戦争、経済同時不況時代は世界の政治力の弱体化がもたらしたものだ。
 覇権主義国家米国をはじめとして世界の主要国が保護主義政策に転化して世界の政治パラダイム(paradigm)が崩壊している。

 (3)世界的に政治力が弱体化しているのだから日本政治だけの問題ではないが、日本の場合は長期自民党政権の既得権益保護、密室わいろ政治が続き、その後首相が1年ごとに交代する無秩序(chaos)政治がくり返されて、09年に本格的政権交代として民主党政権が誕生したが3年半で自壊してしまって、その国民的反省からか今は安倍政権、自民党の1強時代となっている。

 安倍首相は大胆な金融緩和策で円安株高による経済回復、賃上げ効果を生んだが、その政権の特定秘密保護法、消費税引き上げ、原発再稼働、辺野古移設、安保法制案の重要政策はことごとく国民過半数の反対を受けて政治的指導力が支持されているわけではない。

 (4)その安倍首相が終戦の日に先だって昨日に「戦後70年談話」を発表した。現在国会審議中の安倍政権が目指す安保法制案が違憲との声が多い中で注目された安倍談話(abe speech)であったが、平易なわかりやすい言葉を並べた歴史評価に終始して長文で、私的諮問機関「21世紀構想懇談会」の検証報告に沿った「第3者」的な見方による首相談話になった印象が強い。

 戦争、戦後の歴史検証は当事者立場の政治家ではなく、広く専門家、国民参加による第3者委員会による分析、検証、評価によるものでなければならないと書いたが、内容は別にしてはからずもそういう立場の安倍談話だ。

 (5)村山元首相の「何を言いたかったかさっぱり分からない」(報道)とか、武村元官房長官の「人ごとのように話しているだけだ」(同)との論評が出るのは当然だった。

 作家村上春樹さんは相手がもういいと言うまで謝り続けるしかないと書いているが、安倍首相は同談話で「先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べている。

 (6)いつまでおわびと反省、謝罪をするのかの問題はあるが、冒頭のようにくり返さない教訓としていつまでも継続すべきことではある。

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