(1)プーチン露大統領がTV番組で1年前のクリミア半島のロシア編入の際に核兵器の使用について「軍にしかるべき策を講じるように命じた」(報道)ことを明らかにした。事の仔細、真実はプーチン大統領しか知らないことだが、1年後のここへきて核兵器使用準備を大統領自ら明言したことは異常な不測の事態を自ら招いたといわざるを得ない。
プーチン大統領が思いもよらずにかなり追い込まれている(bring to bay the president of russia)現実を自らの発言で証明してみせたのだ。
ロシアでは反プーチン派の指導者が暗殺されて政府機関の関与も疑われて、大規模な国内デモが行われてプーチン大統領としては国内情勢の不安を払うためにもいつもの手法である強いロシアの威厳を対外姿勢としてみせて国内沈静化をはかろうという意図もみえる。
(2)クリミア半島のロシア編入にはロシア国内の支持も多く、当時の核兵器使用準備を披露した不退転の強硬姿勢を大統領としてあらためて示したというところだ。
ロシア政府関係者からは「自国領(であるクリミア)に核を配備する権利がある」(報道)と西側諸国を挑発、威かくする発言が続いている。
西側諸国を念頭に置いたものというよりは、ロシア国内に向けた強いメッセージ性が感じられるものだ。
(3)ロシアのクリミア半島強硬編入に対しては、EUはもとより米国も強く反発して制裁措置を検討しており、ロシアの核兵器使用の脅威論は世界最大の核兵器所有国の米国を相手にしては現実的戦略選択ではなく、クリミア半島で世界が滅亡することなどロシアも米国もEUも望むはずもないことだ。
そういう非現実的な戦略をあえてクリミア半島編入1年経過でプーチン大統領が披露してみせたところに、プーチン大統領の思いもよらぬ追い込まれた姿が見える。
連日TVなどで姿をみせる(報道)プーチン大統領がここ10日間姿を見せずに11日ぶりで公の前にあらわれて、いろいろと憶測が報じられてきた。
病気説も言われて不安が広がっていただけに、さらに反プーチン派指導者の暗殺で国民の反感情も強まっていただけに反転攻勢に出たようだ。
(4)一方で西側諸国にしても最近何かと核兵器大国の威力をチラつかせるロシアの外交軍事姿勢には、追い詰めると何をしでかすかわからない不気味さ(uncanniness)も与えるものだ。
シリア内戦による化学兵器使用に際してはシリア支援国としてプーチン大統領が影響力を示して、シリア政府の化学兵器の国際管理下での廃棄処理でシリア空爆直前の米国の理解をとりつけて中止させ、国際的影響力の高い政治リーダーとしてオバマ米大統領に代わって1位にランクされるまでになっていた。
(5)しかし膝元のウクライナ内戦ではロシア軍の越境参戦によりクリミア半島を一方的にロシアに編入させて、古い時代感覚の軍事侵攻作戦には国際的な批判、非難を向けられていた。
西側諸国でこれに理解を示したのは訪露してクリミア訪問の鳩山元首相のウクライナ国内法に添った合法的な編入というあきれた見方ぐらいのものだ。
(6)追い詰められたプーチン大統領にとって日本はクリミア半島ロシア強硬編入に強く反対する西側の一員ではあるが、同時に北方領土問題を抱えて安倍首相はプーチン大統領との対話路線は継続する姿勢を示している。
今回のプーチン大統領の核兵器使用準備発言に、唯一の戦争被爆国日本として安倍首相がどう反応するのか国際社会が注視するなかでむづかしい判断に迫られるだろう。
プーチン大統領が思いもよらずにかなり追い込まれている(bring to bay the president of russia)現実を自らの発言で証明してみせたのだ。
ロシアでは反プーチン派の指導者が暗殺されて政府機関の関与も疑われて、大規模な国内デモが行われてプーチン大統領としては国内情勢の不安を払うためにもいつもの手法である強いロシアの威厳を対外姿勢としてみせて国内沈静化をはかろうという意図もみえる。
(2)クリミア半島のロシア編入にはロシア国内の支持も多く、当時の核兵器使用準備を披露した不退転の強硬姿勢を大統領としてあらためて示したというところだ。
ロシア政府関係者からは「自国領(であるクリミア)に核を配備する権利がある」(報道)と西側諸国を挑発、威かくする発言が続いている。
西側諸国を念頭に置いたものというよりは、ロシア国内に向けた強いメッセージ性が感じられるものだ。
(3)ロシアのクリミア半島強硬編入に対しては、EUはもとより米国も強く反発して制裁措置を検討しており、ロシアの核兵器使用の脅威論は世界最大の核兵器所有国の米国を相手にしては現実的戦略選択ではなく、クリミア半島で世界が滅亡することなどロシアも米国もEUも望むはずもないことだ。
そういう非現実的な戦略をあえてクリミア半島編入1年経過でプーチン大統領が披露してみせたところに、プーチン大統領の思いもよらぬ追い込まれた姿が見える。
連日TVなどで姿をみせる(報道)プーチン大統領がここ10日間姿を見せずに11日ぶりで公の前にあらわれて、いろいろと憶測が報じられてきた。
病気説も言われて不安が広がっていただけに、さらに反プーチン派指導者の暗殺で国民の反感情も強まっていただけに反転攻勢に出たようだ。
(4)一方で西側諸国にしても最近何かと核兵器大国の威力をチラつかせるロシアの外交軍事姿勢には、追い詰めると何をしでかすかわからない不気味さ(uncanniness)も与えるものだ。
シリア内戦による化学兵器使用に際してはシリア支援国としてプーチン大統領が影響力を示して、シリア政府の化学兵器の国際管理下での廃棄処理でシリア空爆直前の米国の理解をとりつけて中止させ、国際的影響力の高い政治リーダーとしてオバマ米大統領に代わって1位にランクされるまでになっていた。
(5)しかし膝元のウクライナ内戦ではロシア軍の越境参戦によりクリミア半島を一方的にロシアに編入させて、古い時代感覚の軍事侵攻作戦には国際的な批判、非難を向けられていた。
西側諸国でこれに理解を示したのは訪露してクリミア訪問の鳩山元首相のウクライナ国内法に添った合法的な編入というあきれた見方ぐらいのものだ。
(6)追い詰められたプーチン大統領にとって日本はクリミア半島ロシア強硬編入に強く反対する西側の一員ではあるが、同時に北方領土問題を抱えて安倍首相はプーチン大統領との対話路線は継続する姿勢を示している。
今回のプーチン大統領の核兵器使用準備発言に、唯一の戦争被爆国日本として安倍首相がどう反応するのか国際社会が注視するなかでむづかしい判断に迫られるだろう。