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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

所信表明と沖縄。 expression of belief and u.s.navy camp affairs

2013-01-29 19:44:35 | 日記
 (1)28日に通常国会が召集されて150日間の国会論戦が始まる。安倍首相の所信表明(expression of belief)演説は「経済再生」、「震災復興」、「外交・安全保障」に集約されて、その内容も踏み込んだものはなく(新聞に全文掲載)テーマ(theme)列挙の実務型で実に読みやすいが、具体化政策は避けて2月訪米、13年度予算案提出後の3月初旬の施政方針演説に先送りした、まったくあっけない、あっさりしたものだった。

 前回衆院選の大勝で政権奪還を果たした安倍連立政権としては、国民の選択に応えるべく決意と意欲(言葉では語っているが中身のないそれだけのこと)と内容に欠ける「物足りない」ものだ。一読できる下書き(レジメresume)程度のものだった。

 (2)経済は、安倍政権誕生後に日銀への大胆な金融緩和要請(強要)効果で円安株高に転じて、トヨタは12年の世界販売台数で技術開発力のハイブリッド(hybrid)、エコカー減税効果で国内需要が前年比較35%増、海外19%増で2年ぶり首位に返り咲き、基幹産業の自動車産業は軒並み販売増を記録(報道)し、さらに円安効果が輸出産業にも追い風となっている。

 国債依存による緊急経済対策、大型補正予算と調整するように13年度予算は92兆6100億円で税収(43兆1千億円)を下回る新規国債発行(42兆8500億円)に抑えているが、地方交付金減額、公務員給与、生活保護費引き下げで地方に厳しく、予備費(1兆円)を計上しないなど名目上とりつくろった予算減額措置だ。

 (3)デフレ脱却経済対策優先の中で、沖縄基地問題(u.s.navy camp affairs)はまったく手つかずだ。所信表明でも「普天間飛行場の移設をはじめとする沖縄の負担の軽減に全力で取り組む」だけだ。
 現実には、①すでにかっての自民党政権時代に周辺住民の安全保障のため移設で合意している普天間基地の老朽化したインフラ整備への政府出資も米国(米軍)の要請に応えて決めて、同基地恒久化使用も懸念される。
 ②本来、昨年夏には提出予定とされていた移設候補地(日米合意)の辺野古沖の知事への埋め立て申請も消費税引き上げ、政権交代(アセス評価の不手際も手伝って)ですっかり聞かれなくなってしまった。
 ③どの政権も沖縄の負担軽減と言いながら、米国(米軍)の意向どおりに県民、国民の多数反対を押し切ってオスプレイを普天間基地に配備して、危険負担を逆に加速させている。
 沖縄振興策推進だけでは解決しない重要政治課題だ。

 (4)前民主党政権誕生時の当時首相の「国外、最低でも県外」発信は沖縄県民の意向に添ったものだが、国民的議論にもせずに、合意もないままに首相のひとり相撲で米国からもまるで日本の国内問題かのような押し付け他人事となって挫折、政治不信を招いてしまった。

 沖縄基地問題は、日本が乗り越えなければならない重要政治課題だ。どの政権も「軽減に全力で取り組む」と表明しながらオスプレイ配備、危険基地インフラ整備と逆回転方向の米国追随政策だ。

 (5)政権交代の所信で具体的方向性について述べて、国民的議論の中で合意形成が不可欠であり、政治責任でもある。
 国民的議論もなく合意形成もない中で、2月訪米の首脳同士で勝手に約束しても「教訓」(precepts)はいかされない結果となるだけだ。

 「美しい国日本」とか「博愛精神」のような空虚な美辞麗句は必要もないが、日本の針路、方向性を具体的に示す所信表明でなければ、選択した国民は納得できないだろう。

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