肥満による発ガンの促進では、これまでの
研究により、正常細胞に発ガンの危険性がある
ストレスが生じると、細胞老化が起こり、細胞
増殖の不可逆的停止が明らかになっている。
一方で細胞老化を起こした細胞は次第に細胞
老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌するように
なることで、周囲の細胞に炎症反応や発ガンを
促進することが最近の研究で明らかになった。
また、普通食を与えた肥満していないマウスでは
細胞老化反応も肝がんの発症も見られなかった
ため、肥満により細胞老化反応と肝がん発症の
両方が促進されることが明らかにされた。
免疫組織染色法により肥満したマウスでは、
肝星細胞が細胞老化を起こし、更に細胞老化
関連分泌因子を分泌していることを見出した。
一方、細胞老化関連分泌因子の主要因子のIL⁻
1βの遺伝子を欠損したマウスでは肥満による
肝がんの発症率が著しく低下することが判明。
肥満マウスに抗生物質を投与して2次胆汁酸
産生菌を死滅させると、細胞老化を起こした
肝星細胞の数が減少し、肝がんの発症率も
著しく低下することが判明した。
ヒトの場合、肥満に伴い発症する非アルコール
性脂肪性肝炎が肝ガンへと移行する。
BMIが25以上でNASH肝ガンと診断された
肝ガン切除サンプルを用いて検討した結果で、
約3割で肝星細胞に細胞老化および細胞老化
関連分泌因子の発現が認められている。
このため、ヒトにおいても少なくとも一部の
NASH肝ガンにおいては同様のメカニズムが
働いていると考えられる。
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