旅限無(りょげむ)

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津波に注意 其の伍

2010-02-28 22:56:32 | 日記・雑学
■野党に転落した自民党が、学校の耐震補強工事を急げ!と民主党の予算案に文句をつけていましたが、いざという時の緊急避難先になる公共施設は丈夫にしておいて貰わねばなりません。でも、長い長い自民党政権の時代に、どうして十分な地震対策が出来なかったのか?という問題に答えて頂かない限り、自民党が自力で復活するのは不可能でしょうなあ。馬鹿馬鹿しい口喧嘩ばかりしている国会がある東京、関東地方では、ずっと大きな地震が発生していないのが気になります。いつになるか分からない二度目の五輪大会ですが、開催されるまでに直下型の大地震が起きないのか?開催中に起きたらどうするのか?ハイチやチリの復興支援をしながらも、自分達の足元をよくよく見つめ直すことを忘れないようにしたいものです。

■沖縄とチリが揺れる2日前にはチャイナの雲南省が揺れました。その翌日には冬季五輪の女子フィギュア・フリー演技が控えていましたから、ほとんどの日本人は隣国の地震など気にしていなかったのでしょうが……。
 
 
2010年2月25日、雲南省中部の楚雄イ族自治州で午後1時ごろにマグニチュード5.1の地震があり、29人が負傷、家屋や学校、病院などが損壊した。死者が出たとの報道はない。……家屋241戸が倒壊、約1万戸が被害を受け、3万5600人が避難した……
2月26日19時7分配信 Record China

■北京五輪の前に起きた四川パンダ大地震からの復興がどの程度済んだのか?無残に倒壊した学校の手抜き工事問題はどうなったのか?思い出したように救出されたパンダの話が流れて来ますが、被災地の実態はさっぱり分かりません。四川省を襲った大地震は南北に走る巨大な活断層が大きくズレて発生したもので、今回の地震が起った断層もつながっているか、隣り合って走っているかも知れません。地球の裏表で地殻がほぼ同時に大きく動いたのだとしたら、何とも気味の悪い話であります。大きな地震が連続すると救援・支援の活動が中途半端になって新たな被災地に関心が移って行く様なことにもなり兼ねません。勿論、日本がいつまでも「支援する側」にばかり居続けられる保証はまったくないのですが……。
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津波に注意 其の四

2010-02-28 22:56:02 | 日記・雑学
深海魚リュウグウノツカイが今冬、富山、石川県などの日本海沿岸で相次いで見つかっている。全長が5メートルを超え、生態はほとんどわかっていない謎の多い魚。……富山県では昨年12月以降、定置網で捕獲されたり、海岸に漂着したりするなど4匹が見つかっている。石川県では昨年11月以降、十数匹が見つかり、京都や島根、長崎などでも発見されている。……大きいものでは10メートルほどになるという。平たい体に長い腹びれと背びれがあり、水深200~1000メートルに生息している。姿を現すと、「地震の前触れ」との言い伝えもある。
2月27日 読売新聞

■日本海の底でも何かが起っているのかも?記事の通りだとすると、西南方向から順に深海魚が浮き上がって来たことになりますが……。ナマズを始めとして野生生物の異常な行動が地震予知に役立つのではないか?とあれこれ取り沙汰されることもありますが、まだ偶然や迷信と思われている事も多いようです。地震雲やら電波の異常なども研究されているようですが……。インドネシアの大津波では象が一斉に山に逃げ込んで一頭も死ななかったという話がありましたが、ハイチ地震や今回のチリ地震では動物関連の話は報道されていないようです。

■チリの大地震は日本時間で2月27日の午後3時34分に発生したそうですが、不思議なことに同日午前5時31分ごろ、沖縄県那覇市の東約50キロを震源とするM6.9の地震が発生していました。糸満市で震度5弱を観測したそうですが、震度5以上の強い揺れは1911年以来99年ぶりだそうです。被害は女性2人が軽傷を負っただけとのことで何よりでしたが、まさか、日本海に浮き上がった深海魚たちは、この地震を察知して何ヶ月も前から北上していたのでないでしょうな?!


今回の沖縄本島近海地震の震源近くでは、過去約90年間に4回、今回と同規模のM6級の地震が発生している。……過去4回の同規模の地震は、今回の震源地の東側にある琉球海溝付近を震源地とし、フィリピン海プレートが南西諸島側のユーラシアプレートに潜り込むことにより発生していた。今回の震源地は、琉球海溝の西側で沖縄本島に近い。また琉球海溝付近で発生する地震とは異なり、北東と南西方向から断層に圧力がかかる「横ずれ断層型」地震だった。この断層が発生地点の海底にもともとあったのか今回の地震で生じたかは不明。
2月28日 琉球新報

■誰も知らない断層が動いて予想もしていない地震が発生したというわけです。、2004年(平成16年)10月23日17時56分に新潟県で起った中越地震の時も、専門家が知らない断層が動いたのでした。陸上も海底も断層だらけだと思っていた方がよさそうです。


27日早朝に発生した沖縄本島近海地震。地震の研究者は原因となった活断層について「これまでにないパターン。未知の活断層が存在するかもしれない」と分析する。建築の研究者は県内で好まれる「ピロティ型建築物」住宅の脆弱性を指摘した。……本島東側の近海で活断層の調査はあまり行われていない。……新たな活断層が発見されれば地震予測で「想定しなければいけない断層が増えることになる」という。……琉大工学部の山川哲雄教授(建築構造学)によると、1階を駐車場にするピロティ型建築物は上部に力が集中し大きく揺れる「ホイッピング現象」が起こり、崩壊しやすいという。「古かったり、粘りのない建築物だと、震度5強の揺れに耐えられないものも少なくないはずだ。県民はもっと建築物の耐震性に関心を持ってほしい」と警鐘を鳴らした。
2月28日 琉球新報

■今回の地震で被害が少なかったのは沖縄の建物が丈夫だったからではないようです。地震の少ない所では指摘されているような構造の家が多いような気もしますが、関東地方でも珍しくはありません。地価が高くて駐車スペースを住居とは別に取れない場合は、この種の構造になってしまうのでしょうから、1階部分の柱を増やしたり壁に補強材を入れて耐震性を高めておかないと大変ですよ、というお話のようです。

津波に注意 其の参

2010-02-28 22:55:25 | 日記・雑学
■太平洋岸の各地で大規模な非難行動が実施されて、津波による人的被害は出ずに済みそうです。半世紀前には監視衛星もなく通信ネットワークも整っておらず、太平洋の反対側から襲って来る津波に気が付くのか到達直前だったのですから、来るぞ、来るぞとマスコミが総力を待ち構えているというのは隔世の感があります。

気象庁の関田康雄地震津波監視課長は28日午後4時45分から、同庁で記者会見を開き、今回のチリ沖地震に伴う津波について、「最初に小さい津波が到達した後に大きな津波が到達しており、50年前のチリ地震津波と同様の傾向が見られる」として、全国で142人の死者・行方不明者を出した1960年のチリ地震による津波と傾向が似ていることを指摘した。また、「第一波が小さいからと安心せず、海岸に近づかないよう、引き続き警戒をお願いしたい」と改めて注意を呼び掛けた。

■1993年(平成5年)7月12日22時17分に発生した北海道南西沖地震はM7.8で死者172名、行方不明26名、重軽傷者143名に登ったのでした。特に奥尻島では地震発生数分で最高30.5mの津波が押し寄せて壊滅的な被害を受けたのを覚えている方も多いのではないでしょうか?津波の恐ろしさをよく伝えている『稲むらの火』という作品が戦前には小学校の副読本に掲載されていたという防災教育の伝統を復活させるべきだという話もありますが、鮮明な映像記録が豊富になった現在ならば、もっと効果的で多様な教育方法があるようです。要は受け手の問題で、どこまで真剣に受け止められるかは最終的には個人の問題になりましょうなあ。

■津波到達までには時間があるからでしょうが、日曜日のサーフィンを楽しんでいる命知らずが散見されるニュース映像が流されていたようです。それも個人の判断ということになりますが、万が一の時には多くの人が救助やら捜索に苦労しなければならないのですから、素直に災難に遭ったことを受け入れて今日だけは我慢して安全な場所で別の楽しい事をして過ごした方がよいでしょう。


……同日午後4時5分現在、岩手県の久慈港で1メートル20センチ、北海道根室市、仙台市の仙台港で90センチの津波が観測されている。同庁ではこれらの数値はあくまで潮位の観測点の数値で、地形によっては今後も更に高い津波が起きる可能性があるとして警戒を呼びかけている。
2月28日 読売新聞

■半世紀前、チリ地震の発生から約22時間半後の未明に最大6メートルの津波が三陸海岸沿岸を中心に10波も繰り返し襲来して142名が犠牲になりました。53名の死者が出た岩手県大船渡市や41名の宮城県南三陸町などでは、今でも津波が襲来した5月24日を忘れないように避難訓練を続けていると聞いたことがあります。同じく被害を受けた北海道浜中町霧多布では11名が死亡しておりますが、その8年前の1952年に発生した十勝沖地震でも津波被害を受けたそうで、市街地は10年と空けずに2度目の被害を受けてしまいました。

■『稲むらの火』は実際に起った津波災害を下敷きにして書かれたフィクションだとも言われていますが、作品に出て来る津波は1854年(嘉永7年・安政元年)の安政東海地震(M8.4)と、その32時間後に続いて起った安政南海地震(M8.4)、もしかすると東南海地震も連動して発生したいたかも?とも言われる恐ろしい連続地震のうち、南海地震の震源に近かった和歌山県田郡広川町を襲ったものだったそうです。地震と津波に対しては警戒し過ぎということはないのかも知れませんなあ。

津波に注意 其の弐

2010-02-28 19:52:43 | 日記・雑学
2010年1月12日にハイチを襲い壊滅的な被害をもたらした大地震。専門家の発表によると、この地震によって異常な津波が発生し、複数の家屋が倒壊、3人が死亡したという。……その規模は平均波高およそ3メートルの荒波で、ポルトー・プランス湾沿岸、さらに湾と反対側のイスパニョーラ島南岸に押し寄せた。……津波はポルトー・プランス付近の震央(震源の真上)から100キロほどの沿岸部も襲った。……ハイチ地震はマグニチュード7.0だったが、それを大きく上回る規模の地震でなければ津波は発生しない……。

■ハイチ地震の震源は首都に近い陸地でしたが、津波は起こっていたのですなあ。カリブ海で津波が起っても日本には関係がないのですが、地震・津波の被害は他人事ではありません。


……今回は2種類の波が沿岸を襲ったことも明らかになった。海底プレートの移動による地殻変動が引き金となる津波と、地震後の不安定な陸地が海面に崩れ落ちて発生する地滑りによる津波だ。地殻変動による津波の場合は、波が沿岸部に到達するまでに数分から数時間かかることが多いため、危険察知に長けている者であれば安全な場所へ避難できる猶予がある。地滑りによる津波は局地的に発生し、たいていの場合は規模が小さい。……ポルトー・プランス湾沿岸の町グラン・ゴアーブでは、海岸にいた男性1名と少年2名が地滑りによる津波で死亡した……。海岸沿いの家々も波に呑まれ流されていた。死亡した3名は地震の生存者だった。浜辺を訪れていたのは避難のためではなく、押し寄せる大波を”見学”するためだったという。……
2010年 2月24日 ナショナルジオグラフィック

■土砂崩れでも津波が起るのですなあ。やはり、大きな地震の後は海辺には近寄らないのが一番のようです。インドネシアでの大津波でも、突然の引き潮が津波の前兆だと知らずに魚拾いをしていた人たちが犠牲になりましたし、茶の間でテレビを観ているようなつもりで災害を「見学」などしては行けません。野次馬根性は何処の人も同じように持っているのではありましょうが、「君子危うきに近寄らず」であります。テレビもラジオも一斉に津波情報をしつこく流すのも、君子になり損なう人が出て来ないようにするには必要な事なのでしょう。

■ハイチ地震から1月半、その間に日本では民主党の「政治とカネ」「選挙大敗」、トヨタ車の大規模リコー問題、そして冬季五輪に湧いて地震のことなどころりと忘れしまった感がありましたが、「天災は忘れた頃にやって来る」ものですから、明日は我が身と考えておくべきでしょう。勿論、それを肝に銘じておかねばならないのは鳩山サセテイタダク首相であります。


チリ政府は、同国で27日未明に発生したマグニチュード(M)8.8の巨大地震による死者が214人に達したと発表した。……、震源地はコンセプシオンの北東115キロで、震源の深さは35キロ。……日本やハワイ、ロシアを含む太平洋一帯に津波警報が出されている。
……地震の規模に対して犠牲者の数が比較的少ないのは、チリの建築の安全基準がしっかりしているためとみている。また現地の救急隊員は、今後同地震の死者数が大幅に増える可能性は低いとの見方を示した。しかし今回の地震は、1900年以降に世界で発生した地震の中で5番目の大きさ。先月12日にハイチを襲った大地震はM7.0だった。 
2月28日 ロイター

■1900年以降の大地震上位、1位はやはり1960年5月22日のチリ地震でM9.5で犠牲者は約5700人。2位は1964年3月28日の発生したアラスカ地震でM9.2。3位は1957年3月9日のアリューシャン地震でM9.1。4位は記憶に新しい2004年12月26日に起ったスマトラ沖地震でM9.0、津波被害を含めて犠牲者は16万6320人!ロイターの記事では今回のM8.8が5番目に大きいとしていますが、1952年11月4日にカムチャッカ地震がM9.0で5番目になり、今回のチリ地震は6番目になるのではないでしょうか?

■どちらにしても100年余の間に世界1位と6位の大地震に襲われているのですから、まともな政府が存在する国なら地震対策を真面目に行なっているでしょう。その点で日本は大丈夫なのでしょうか?


鳩山由紀夫首相は28日午後、チリ中部沿岸で発生した大地震による津波に関して設置した官邸対策室を視察し、「住民の被害を最小にするため、避難に万全を期し、沿岸住民に情報提供を適切に行うように」と指示した。視察後、記者団に「津波は初動だけではない。第1波が過ぎ去ったから安心だという楽観は絶対できない」と語り、国民に警戒を呼びかけた。

■鳩山サセテイタダク首相の口から「万全」や「適切」などの言葉を聞くと空々しく聞こえてしまうのは何故でしょう?「楽観は絶対にできない」のは内閣支持率か、夏の参議院選挙かも知れませんし、自分の脱税事件やら幹事長の不正献金疑惑も同様でしょう。沖縄の基地移転問題もマニュフェスト破りも本当に「楽観」はできません。民主党の全議員に対しても「警戒」を呼びかけたいところでありましょう。


首相は視察に先立ち、チリでの大地震の被害について「心からお悔やみを申し上げたい」と表明。被災地支援について「特に復興支援に関して、必要ならば常に『いつでも』という用意をしておきたい。その指示も出している」と強調した。……
2月28日 Nikkeiネット

■ハイチ地震に対する支援が出遅れた事をどう考えているのか?反省点は無いのか?「友愛」政治と支援活動はどのように関連付けられるのか?多くの機会があるのに鳩山サセテイタダク首相は何も語ってくれません。その上、今度は日本列島が載っている太平洋プレートの湧き出し側で大地震が起きたのですから、国内向けに地震対策に関して気が利いたことを言い添えておくべきではないでしょうかな?

津波に注意 其の壱

2010-02-28 19:51:26 | 日記・雑学
■米国の広範囲で春の豪雪が降り、遠く離れた日本でも例年になく何度も春の雪が降りました。日本では東京周辺が春霞どころではない濃霧に押し包まれて、潰れかかっているJALだけでなく、すべての飛行機が離発着不能の事態になったのは3日前のことでした。大地震と同様に濃霧も天災ではありますが、さすがに首都の玄関口で100便以上が欠航!などという恥かしい事態になりますと、前原誠司・国土交通相が計器着陸装置(ILS)を更新して霧や雲に強い空港にして行くと発表せざるを得ませんでしたから、羽田で起った春の椿事は人災の範囲だったようです。

■羽田は限界だから千葉県の富里に「新東京?国際空港」を作ろう!と思ったけど成田にしよう。と言い出して大騒ぎなったのは自民党の佐藤内閣の時代でしたなあ。時は流れて三里塚闘争もすっかり忘れられ、やっぱり羽田を拡張して「ハブ空港」にして「24時間運用」にしようという話になったのは自民党政権の最末期でありました。その間、日本中に98もの空港を建設したのも自民党政権でしたが、国会議事堂から最も近い羽田空港が旧式の誘導着陸システムしか持っていなかったとは?!驚くべきか、呆れるべきか……。

■JALの再建にしても自民党時代の負債を新政権が受け継いで対処せねばならない巡り合わせで、その点は鳩山サセテイタダク内閣は同情に値するでしょうが、選挙用にまとめたバラマキ政策の財源を含めて自民党が重ねた失政を一挙に清算できるような大風呂敷を広げたのは大失敗でした。不況デフレ対策や財政再建も重要な政治課題ではありますが、避けられない天災に対する備えも忘れては行けません。自社連立で誕生した村山内閣の時代に発生した阪神淡路の震災の犠牲者は6434人と記録されていますが、あの苦い経験から日本の政府は多くを学んだはずなのですが……。


ハイチのプレバル大統領は21日、訪問先のメキシコで、先月12日の大地震の死者が30万人に達する可能性があると語った。……24万2000人が犠牲となった1976年の中国・唐山地震を上回り、20世紀以降で最悪の人的被害をもたらした震災となる恐れが強まっている。……遺族などが自分たちの手で埋葬した遺体も多く、正確な犠牲者数は当局も把握できていないのが実情だ。
2月22日 時事通信

■政変が続く西半球で最も貧しいと言われる国が大きな地震に襲われたらどうなるか?想像を絶する困難が長く続くのは間違いありませんが、犠牲者の数さえ正確に把握できない政治状況からの復興は大変な苦労を覚悟しなければなりますまい。日本の「友愛」首相の決断が遅過ぎた!と非難する声があるようですから、もしも自国で大災害が起った時に「お母ちゃん」の指示を待たずに迅速に対処出来るかどうか、少々心配ではありますなあ。