■このブログ記事をアップする直前に朝青(暴)龍の引退が速報で流れました。……
■民主党の幹事長が不起訴処分になるとの報道が流れる前夜には、日本相撲協会の非民主的選挙のごたごた話が流れ、伝統と格式を重んじる相撲界の因習が表面化しました。政界で起った政権交代の熱気が急速に冷めてしまった時に、相撲界に貴乃花親方が新風を巻き起こしてくれたのですが、その風に舞い上がった砂埃の中に朝青龍(改め朝暴龍?)の暴行問題が紛れ込んで何が何だか分からなくなっておりますなあ。
■しどろもどろの老人談合会と化した相撲協会の中で、もしも貴乃花親方が胸の空く厳正な正論を吐いて朝暴龍を横綱の座から追い出すことにでもなれば、また新しい因縁話が生まれることになりそうです。先代の大関・貴乃花は相撲界を引っ張る人気力士でありましたが、その名大関に引退を決意させたのはウルフ千代の富士でした。歴代2位の幕内807勝、同じく2位の53連勝などの大記録を打ち立てた千代の富士は、少年時代に走り高跳びと三段跳びで五輪大会にも出られるほどの逸材だったとか……。引退した貴乃花の方も全国有数の水泳選手でしたから、当時のお相撲さんは本当に強かったのでした。
■ウルフ千代の富士に引退を決意させたのは貴乃花の次男で弟子の今の貴乃花親方だったというドラマに相撲ファンは感動したものです。空前の若貴ブームが起った頃は相撲協会もほくほくでしたが、その後は何処の国の国技なのか分からない不思議な場所が続くことになりました。いろいろな原因で人材不足に陥った相撲界は、手っ取り早く外国からガタイのよい若者を呼んで来て鍛え上げれば関取の頭数は揃うと考えたのでしょうが、気が付いたら横綱はいつでも外国人力士という奇妙な番付が定着してしまったのでした。柔軟性があると言うべきか、優勝を争う上位に日本人力士がほとんど名前が出ない相撲でも喜んで観戦してくれる有り難いファンが多かったのが相撲協会を油断させたのでしょうなあ。
■ファンは高齢化して力士は外国勢が多くなり続ければ、近い将来に何が起るか?それを真剣に考えたら眠れないほど不安になるはずなのに、財団法人で税金が免除され、NHKがテレビ・ラジオの放映権を高く買ってくれている限りは何とかなると誰かさん達はタカを括って現状に胡坐をかいていたのでしょう。地方巡業の勧進元も激減し弟子入りを希望する若者も払底しても、何から何まで昔通りに既得権益を山分けするのに熱心な理事会と部屋との凭(もた)れ合いが続いていれば、現場で危機感を持つ若い親方達は決起しなければならなくなるのは当然でありましょう。
日本相撲協会の理事選で立浪一門を造反し貴乃花親方(37)への投票で退職を明言していた安治川親方(36)=元幕内・光法=が3日、両国国技館で退職の撤回を表明した。一門の友綱親方(元関脇・魁輝)が慰留し、わずか1日での態度の急変は、まさに茶番劇。一方で貴乃花グループが水面下で安治川親方へ支持工作を行っていたことも判明。……
■テレビなどは選挙結果を速報してはしゃいでいたようですが、門閥ごとの票数と投票結果を照合する図表を作ってみれば、謎の3票が浮かび上がってしまいます。そう言えば、4期8年ぶりの投票になった!との報道に使われた資料映像に、アノ先代時津風親方が黄色い色付き眼鏡を掛けて投票箱を監視していたではありませんか?!誤字脱字の有無を確認するとの名目で実質的には記名投票だった時代の映像であります。伝統を重んじて紋付袴姿で並ぶ親方衆の写真のキャプションを差し替えれば、何処かのヤクザが襲名披露に集まったと言われても信じてしまいそうな怖い雰囲気が漂っておりましたなあ。
■今回の安治川親方の告白・引退表明の会見を見て、『仁義なき戦い』の1シーンを思い出した人もいたのではないでしょうか?主役の菅原文太さんが左手の小指を立てて「これしかないんじゃあ!これしか!包丁と俎板持って来いやあ」と吼えるシーンです。組織や仕来りに逆らったら「落とし前」を付けねばならない厳しい渡世……。そんな息苦しい世界に今時の若者が憧れるはずもなく、ずっと前から相撲部屋は一種の更正施設の機能を負わされているというマスコミのタブーとなっている話もあるそうで、今場所で引退したツッパリしか出来ない大関・千代大海も凄まじい青年時代を送っていたのは紛れもない事実。そんな人材集めの手法で外国に目を向けたら、トンデモない不良を引っ張り込むことになるのは時間の問題だったのでしょうなあ。
……まさかの退職撤回。決定打は監督官庁の動きだ。文科省が、無記名投票の理事選で立浪一門が造反者の割り出しを行う動きを協会に問い合わせた。退職されれば同省からの指導の危機が発生。こうした圧力に一門の理事の友綱親方(元関脇・魁輝)が一門の親方の同意を得て夕方に安治川親方を慰留。一門の規律違反の処罰もなく残留が決まった。……「2年後も働きぶりを見て考える」と立浪一門にいながら貴乃花親方への支持を表明。会見に同席した友綱親方は「2年間で教育していきたい」と渋い表情を浮かべた。結果的に退職を掲げたことで慰留を引き出す茶番劇。一門の規律を破ってもおとがめはなし。安治川親方を許したことでこれまでの一門の結束は完全に崩壊した。
■鬼より怖い文科省。神様仏様のNHK。マスコミを味方に付けた貴乃花親方に風が吹くのは当たり前なのに、票読み通りの票割をゴリ押ししようとした親方衆はすっかり悪役か骨董品扱いになりつつあるようです。安治川親方に詰め腹を切らせたら民主的な文科省が起って財団法人の認定を取り消したら大変だあ!負担することになる税金分をNHKにねだって「ごっつぁんです」という話にはならないでしょうから、文科省の逆鱗に触れないことが相撲協会の最も大事な仕事になって、ファンや関取はすっかり忘れ去られて久しいのでありましょう。
造反の裏側で貴乃花グループが水面下で支持工作に動いていた疑惑が発覚した。関係者によると音羽山親方(元大関・貴ノ浪)が仲介役で初場所中に「オレたちが一生面倒を見る」と説得。退職すれば大嶽部屋のマネジャーのポストも用意していたという。会見では「金銭が渡ったのでは?」との質問も出たが「一切、ありません」と否定。ただ前夜の会見場となった大嶽部屋の大嶽親方(元関脇・貴闘力)とは「仲がいいので食事した」と認めた。選挙管理委員長を務めた大山親方(元幕内・大飛)は「不正行為の証拠が見つかれば選挙のやり直しです」と明かす。理事選の波乱はまだ終わる気配はない。
2月4日 スポーツ報知
■根回しには「実弾」が付き物で、旧自民党の総裁選挙などでは「ニッカ、サントリー、オールドパー」などと奇怪な隠語が使われていたのを思い出しますが、中学卒業から相撲一筋の生活に入った若者は、もしも修行途中で身体を作り上げられなかったり壊したりした場合、その後の見の振り方は特殊な困難を伴うという話もありますし、丈夫で長持ちした関取の間で年寄り株の融通売買が行なわれて相互に老後の保障を固めるという構造は、どうも弊害が多過ぎるようであります。
「安治川」株の前の所有者、伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は、安治川親方が協会に残る意向を示したことに対し「友綱親方に一任しているから」と多くを語らなかった。しかし、造反については「貸した人の意に沿わないのはおかしい。相撲は礼節を重んじるのに、そういうところが見えてこない」と怒り心頭。「安治川は私が先代から受け継いだ名跡。今回の一件で汚されたのは悲しい」と険しい表情だった。
2月4日 スポニチアネックス
■嗚呼、何とも面倒臭い後腐れと申しましょうか?親方株にはこんな窮屈な拘束力があるのか?!と、こういう話を聞いた日本の若きアスリート達は、ますます相撲界を遠い遠い世界だと思うのではないでしょうか?サッカー場には溢れる若いサポーターと観客の姿が、相撲の本場所中継から消え去ってから久しく、手っ取り早く現金を稼いで祖国に帰るぞ!という独特の気魄に満ち溢れた外国人力士の取り組みが増え、その中から大関や横綱が生まれる伝統が定着したら、今の高齢者ファンが去った時には閑古鳥が鳴く寂しい本場所が、デジタル高画質放送で中継されるのでしょうか?空席が鮮明に見え、まばらな歓声と拍手が生々しく伝わって誰が感動するのでしょうなあ?
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■民主党の幹事長が不起訴処分になるとの報道が流れる前夜には、日本相撲協会の非民主的選挙のごたごた話が流れ、伝統と格式を重んじる相撲界の因習が表面化しました。政界で起った政権交代の熱気が急速に冷めてしまった時に、相撲界に貴乃花親方が新風を巻き起こしてくれたのですが、その風に舞い上がった砂埃の中に朝青龍(改め朝暴龍?)の暴行問題が紛れ込んで何が何だか分からなくなっておりますなあ。
■しどろもどろの老人談合会と化した相撲協会の中で、もしも貴乃花親方が胸の空く厳正な正論を吐いて朝暴龍を横綱の座から追い出すことにでもなれば、また新しい因縁話が生まれることになりそうです。先代の大関・貴乃花は相撲界を引っ張る人気力士でありましたが、その名大関に引退を決意させたのはウルフ千代の富士でした。歴代2位の幕内807勝、同じく2位の53連勝などの大記録を打ち立てた千代の富士は、少年時代に走り高跳びと三段跳びで五輪大会にも出られるほどの逸材だったとか……。引退した貴乃花の方も全国有数の水泳選手でしたから、当時のお相撲さんは本当に強かったのでした。
■ウルフ千代の富士に引退を決意させたのは貴乃花の次男で弟子の今の貴乃花親方だったというドラマに相撲ファンは感動したものです。空前の若貴ブームが起った頃は相撲協会もほくほくでしたが、その後は何処の国の国技なのか分からない不思議な場所が続くことになりました。いろいろな原因で人材不足に陥った相撲界は、手っ取り早く外国からガタイのよい若者を呼んで来て鍛え上げれば関取の頭数は揃うと考えたのでしょうが、気が付いたら横綱はいつでも外国人力士という奇妙な番付が定着してしまったのでした。柔軟性があると言うべきか、優勝を争う上位に日本人力士がほとんど名前が出ない相撲でも喜んで観戦してくれる有り難いファンが多かったのが相撲協会を油断させたのでしょうなあ。
■ファンは高齢化して力士は外国勢が多くなり続ければ、近い将来に何が起るか?それを真剣に考えたら眠れないほど不安になるはずなのに、財団法人で税金が免除され、NHKがテレビ・ラジオの放映権を高く買ってくれている限りは何とかなると誰かさん達はタカを括って現状に胡坐をかいていたのでしょう。地方巡業の勧進元も激減し弟子入りを希望する若者も払底しても、何から何まで昔通りに既得権益を山分けするのに熱心な理事会と部屋との凭(もた)れ合いが続いていれば、現場で危機感を持つ若い親方達は決起しなければならなくなるのは当然でありましょう。
日本相撲協会の理事選で立浪一門を造反し貴乃花親方(37)への投票で退職を明言していた安治川親方(36)=元幕内・光法=が3日、両国国技館で退職の撤回を表明した。一門の友綱親方(元関脇・魁輝)が慰留し、わずか1日での態度の急変は、まさに茶番劇。一方で貴乃花グループが水面下で安治川親方へ支持工作を行っていたことも判明。……
■テレビなどは選挙結果を速報してはしゃいでいたようですが、門閥ごとの票数と投票結果を照合する図表を作ってみれば、謎の3票が浮かび上がってしまいます。そう言えば、4期8年ぶりの投票になった!との報道に使われた資料映像に、アノ先代時津風親方が黄色い色付き眼鏡を掛けて投票箱を監視していたではありませんか?!誤字脱字の有無を確認するとの名目で実質的には記名投票だった時代の映像であります。伝統を重んじて紋付袴姿で並ぶ親方衆の写真のキャプションを差し替えれば、何処かのヤクザが襲名披露に集まったと言われても信じてしまいそうな怖い雰囲気が漂っておりましたなあ。
■今回の安治川親方の告白・引退表明の会見を見て、『仁義なき戦い』の1シーンを思い出した人もいたのではないでしょうか?主役の菅原文太さんが左手の小指を立てて「これしかないんじゃあ!これしか!包丁と俎板持って来いやあ」と吼えるシーンです。組織や仕来りに逆らったら「落とし前」を付けねばならない厳しい渡世……。そんな息苦しい世界に今時の若者が憧れるはずもなく、ずっと前から相撲部屋は一種の更正施設の機能を負わされているというマスコミのタブーとなっている話もあるそうで、今場所で引退したツッパリしか出来ない大関・千代大海も凄まじい青年時代を送っていたのは紛れもない事実。そんな人材集めの手法で外国に目を向けたら、トンデモない不良を引っ張り込むことになるのは時間の問題だったのでしょうなあ。
……まさかの退職撤回。決定打は監督官庁の動きだ。文科省が、無記名投票の理事選で立浪一門が造反者の割り出しを行う動きを協会に問い合わせた。退職されれば同省からの指導の危機が発生。こうした圧力に一門の理事の友綱親方(元関脇・魁輝)が一門の親方の同意を得て夕方に安治川親方を慰留。一門の規律違反の処罰もなく残留が決まった。……「2年後も働きぶりを見て考える」と立浪一門にいながら貴乃花親方への支持を表明。会見に同席した友綱親方は「2年間で教育していきたい」と渋い表情を浮かべた。結果的に退職を掲げたことで慰留を引き出す茶番劇。一門の規律を破ってもおとがめはなし。安治川親方を許したことでこれまでの一門の結束は完全に崩壊した。
■鬼より怖い文科省。神様仏様のNHK。マスコミを味方に付けた貴乃花親方に風が吹くのは当たり前なのに、票読み通りの票割をゴリ押ししようとした親方衆はすっかり悪役か骨董品扱いになりつつあるようです。安治川親方に詰め腹を切らせたら民主的な文科省が起って財団法人の認定を取り消したら大変だあ!負担することになる税金分をNHKにねだって「ごっつぁんです」という話にはならないでしょうから、文科省の逆鱗に触れないことが相撲協会の最も大事な仕事になって、ファンや関取はすっかり忘れ去られて久しいのでありましょう。
造反の裏側で貴乃花グループが水面下で支持工作に動いていた疑惑が発覚した。関係者によると音羽山親方(元大関・貴ノ浪)が仲介役で初場所中に「オレたちが一生面倒を見る」と説得。退職すれば大嶽部屋のマネジャーのポストも用意していたという。会見では「金銭が渡ったのでは?」との質問も出たが「一切、ありません」と否定。ただ前夜の会見場となった大嶽部屋の大嶽親方(元関脇・貴闘力)とは「仲がいいので食事した」と認めた。選挙管理委員長を務めた大山親方(元幕内・大飛)は「不正行為の証拠が見つかれば選挙のやり直しです」と明かす。理事選の波乱はまだ終わる気配はない。
2月4日 スポーツ報知
■根回しには「実弾」が付き物で、旧自民党の総裁選挙などでは「ニッカ、サントリー、オールドパー」などと奇怪な隠語が使われていたのを思い出しますが、中学卒業から相撲一筋の生活に入った若者は、もしも修行途中で身体を作り上げられなかったり壊したりした場合、その後の見の振り方は特殊な困難を伴うという話もありますし、丈夫で長持ちした関取の間で年寄り株の融通売買が行なわれて相互に老後の保障を固めるという構造は、どうも弊害が多過ぎるようであります。
「安治川」株の前の所有者、伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は、安治川親方が協会に残る意向を示したことに対し「友綱親方に一任しているから」と多くを語らなかった。しかし、造反については「貸した人の意に沿わないのはおかしい。相撲は礼節を重んじるのに、そういうところが見えてこない」と怒り心頭。「安治川は私が先代から受け継いだ名跡。今回の一件で汚されたのは悲しい」と険しい表情だった。
2月4日 スポニチアネックス
■嗚呼、何とも面倒臭い後腐れと申しましょうか?親方株にはこんな窮屈な拘束力があるのか?!と、こういう話を聞いた日本の若きアスリート達は、ますます相撲界を遠い遠い世界だと思うのではないでしょうか?サッカー場には溢れる若いサポーターと観客の姿が、相撲の本場所中継から消え去ってから久しく、手っ取り早く現金を稼いで祖国に帰るぞ!という独特の気魄に満ち溢れた外国人力士の取り組みが増え、その中から大関や横綱が生まれる伝統が定着したら、今の高齢者ファンが去った時には閑古鳥が鳴く寂しい本場所が、デジタル高画質放送で中継されるのでしょうか?空席が鮮明に見え、まばらな歓声と拍手が生々しく伝わって誰が感動するのでしょうなあ?
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