犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

ダム問題>洪水調節専用の「穴あきダム形式」は愚型

2020年07月09日 | ダム問題
 穴あきダムは、洪水流を量的に調節する機能を持つ。
 平常時は、ダムの底にある穴から、河水が流れ、ダムには水が貯まらない。洪水時には、ダムの底の穴の大きさに応じた水が流れ、それを超える洪水はダムに滞留する。洪水流の大きさにかかわらず、穴から流れ出る水量は制限されるので下流に流れる洪水流は小さくなる。
 
 川幅を狭めて流れる水の量を制限すればよいのであって、水をせき止める形式のダム※ である理由はない。
ダムを前提にして発想すると穴あきダム形式となる。
 
 自然の河川の水流が滞留する河道、例えば、辰巳ダムが建設された地形のように辰巳用水取水口付近で河道が狭まり、その上流は自然の水流が滞留するような幅広い河道となっている、このような自然の洪水調節機能をもつ地形から発想すれば、細い縦長水路形式となる。
 つまり、川幅を狭めるだけと考えれば、詰まりにくいし、一部が詰まっても上下、左右から流れるのでほとんど閉塞の懸念はない。
 
 ダム建設を前提とするから、ダムに穴を開けるという発想になり、詰まる芥の心配もでてくる。スクリーンを設置したり、流木止め工など種々の閉塞防止のための対策を要することになり、建設、管理共に複雑、煩雑となる。

※:ダムとは、川や谷を横断して水を堰き止める土木構造物。
令和2年7月9日
中登史紀

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