犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

ダム問題>ラオスのダム決壊事故は手抜き工事か

2018年07月28日 | ダム問題
 中央日報ニュースによれば、「92.5%の工程率で工事をほとんど終え、来年2月に竣工して商業運転を控えていたラオスのダムが決壊した」ということで、ダム堤体は完成して湛水をしていたところだろう。
 ダム堤体が完成していたとすると、想定外の豪雨でも決壊してもらっては困る、現実にラオスの他のダムは決壊していないのだから。とすると、想定外の豪雨による天災というダム建設会社の言い分は説得力が乏しい。
 このトラブルの前に、施行した韓国の建設会社は、工期を短縮して完成させたということで特別のボーナスも獲得していたということだ。工期短縮、工費削減のために、手抜きしたのではないかと疑われる。
このダムは、コンクリートダムではない。ロックフィルダムで素材は土石と粘土を組み合わせたものである。基礎地盤の弱いところで採用される形式のダムで、基礎地盤を強化するノウハウが問われる。基礎の地下工事は、構造物が出来上がると隠れてしまい、確認できないので、手抜きの誘惑に駆られやすい。土木事業の世界では、手抜きして費用を浮かせた話は枚挙にいとまがない。
 米ダム専門家が施工不良による内部浸食事故のようだと指摘した(日経新聞ニュース)。
 基礎地盤の施工不良をあげている。基礎を強化するために、セメントを注入するが、この工程で注入材の質や量を加減すると、工費も工期も大きく左右される。
 ロックフィルダムの場合は、堤体の素材も現場の土石や粘土を使用するが、均質ではない。基礎も堤体も均質ではなく、高度な設計や施工のノウハウが要求される。
 相応の技術力がないと無理である。
 当事者である韓国建設会社担当者は、「日本式」だと繰り返し、説明しているようだ。日本式のロックフィルダムだから、韓国の責任はないといっているわけではないだろうが、見よう見まねで覚えた技術であり、自前で開発した技術ではないことを強調しているようなものである。借り物だから、本当の技術がわかっているわけではないので、肝心な点を手抜きしたことが疑われる。
100万トンほどの小規模なため池を造っておればよかったのである。50億トンは無理だった。
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2 コメント

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Unknown (こんにちは)
2021-06-10 11:36:12
ラオスのダムはロックフィル式でもないような感じです。ため池方式なんじゃないのかと思います。基礎の造り方をよく知らなかったのと工期の短縮で得られる報奨金目当ての手抜きも重なっていたのではないでしょうか?試験で実際に水を貯めたらすぐにダム高が低くなったそうで、やはり基礎工事に問題があったと言われています。業者はすぐに逃げたそうです。一応危険だと知らせたそうですが、隣の国まで伝わる筈がありません。この工事は日本が落札予定の工事で韓国側が無理矢理に盗っていった工事でした。SK建設はダム工事の技術を持っていると言われていましたが、実際に工事したのは下請けでした。更にSK建設の韓国で作ったダムは日本の建設会社が作ったものであったといことです。
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こんばんは (中 登史紀)
2021-06-12 21:06:33
ため池方式とするとアースダムかな。アース(土)とすると近くの山を崩して盛土することになるので十分に締め固めないと。河道の堤防と同じ。水圧に強いと思えないので水深は制限される。ダムとすると、規模の小さな「ため池」にしか適用できないのでしょう。水を貯めたらダム高が低くなったということは水締め効果で圧縮されたのかな。基礎も含めて締め固めることを手抜き? 転圧を時間をかけて繰り返しやらないと土の中の空気が抜けない。工期短縮とは相反する。アースダムとすると時間をかけて丁寧にやらないと失敗するというのが当方の感想です。
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