箱書のない水差の思い出

2012年03月23日 | 日々のこと
春休み里帰りしてきている姪に、私のお茶道具をお披露目(オーバーな)することにした。

 昨年りっぱなお免状をいただき、何かとお道具類も欲しい頃だろうと見計らったのだ。

 夕食後、夫に手伝ってもらいながらお道具類をお座敷に並べた。ほとんどの物は学校卒業後から結婚前に買い集めた物である。

 一つひとつに思い出がある。どれだけ楽しかったことか・・・・と思い出しては微笑む私がいる。

 私は師匠の最後の弟子だった。師匠のお供で行った地元の若き陶芸家の作品展。陶芸家と言えるかどうか、当時まだ20代だった。

 師匠に選んでもらった「水差」が後日自宅へ届いた。

 裸で、いや黄色い布には包んであったわ・・・・玄関に置かれたそれを見て、思わず顔を見てしまった。そいでも当時の私の約1月分のお給料に近かったような、私としては少し心外。

 師匠にその話をしたら絶句した。

 ご縁があったらしく、彼のお茶碗が一つ。さすがに箱書きはある、だけどその箱は茶碗のサイズより2回りは大きい。

 でも今もこの水差と茶碗の感性は好きだ。

 茶碗の箱に領収書と経歴書が入っていた。やはり当時20代であった。

 あれから長い時間がたった。昭和21年生まれの彼が、今この地で活躍しているという話はきかない。

 もし彼が今も陶芸を続けているならば、いや続けていられたなら、あらためて箱書を求めたいものだと思った。

                            依田美恵子

軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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