思い出しました。

2007年04月25日 | 住まいづくり
 あれはもう10年前のことだった。銀行の駐車場で「依田さん」と声をかけられた。それまで時々仕事をお願いしている先生である。「設備屋さんがお宅の仕事がとてもいいと話してくれたので、息子の家を建てて欲しい」とのお話。

 伺えばその設備屋さんは、別のお客様がご自宅を建てられる時に使って欲しいといって設備工事をしていただいた会社であった。いつもうちの工事をしている方ならそういう話はよくあることだが、日頃はよその工務店の設備工事をなさっている方である。

 設備工事をしている人が薦めてくれるのは間違いないからと、先生は話してくれたが、設備屋さんは友人である先生に本音をお話ししてくれたらしい。

 最近の強度不足のマンションで鉄筋の量うんぬんの声を聞くことが多かったが、
知り合いの設備屋さんの話だと、設備の時に配管をするのに鉄筋の量が少ないと大変楽なんだそうである。ということは、設備屋さんはマンションの鉄筋量の多寡を知っているということである。

 見えない所、見えなくなってしまう所、そこに建てる人の良心がある。そしてそこは後からは決してお直しが出来ないところでもある。
 目に見えるキッチンだバスばかりを気になさる方がまだまだ多い。気にしてほしいのは見えないところです。

 今日はその先生の3回忌、あっという間に逝ってしまわれた。
なっかしく思い出された雨の朝である。
                           美恵子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする