日銀券を増刷して日本国を救う村島定行のBlog

①日本は世界最大の債権国、お金がなければ刷りなさい②英語を多用すると次第に馬鹿になる③靖国参拝は日本人の義務だ。

円も政府なき通貨と同じーー通貨発行益を使わない日本

2010年02月13日 | 経済

 ユーロがギリシャの経済危機でゆれている。2月13日の朝日の社説で「ユーロの憂鬱ーー政府なき通貨の試練」という解説がのっていた。放漫経営で苦しくなれば通貨を発行し、債権を処理してしまって、その過程でその通貨の価値が下がってしまう。つまり為替で調整することが一般に行われる。しかしギリシャはユーロの一員であるからギリシャのユーロだけを下げることが出来ない。通貨を刷って借金を返済する代わりに他国から資金を提供してもらって債務を処理しなければならない。各国の利害の調整は難航を極める。一国一通貨ならこの問題はない。「政府なき通貨の試練」といわれる所以である。
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 ユーロの憂鬱----政府なき通貨の試練(朝日2月13日)
 ある国が放漫財政のあげくの破綻の危機に陥った。それを助けるために日本が資金を出すと政府が言い出したら納税者として国民は怒るであろう。しかし欧州ではいま、そんsんあことまで真剣に議論する事態になっている。問題の国はギリシャだ。放漫経営に加え富裕層の税逃れで歳入も増えず、財政赤字は国内総生産の13%に膨らんだ。しかも昨秋の政権交代までそれを隠していた。だが欧州連合はギリシャを支えないわけにはいかない。単一通貨ユーロの加盟国だからだ。
 ギリシャが対外債務不履行を起こせばポルトガルやスペインなどにも波及しかねない。これはユーロ圏全体の信用低下にもつながる。導入以来最も厳しい試練を迎えたといえる。どうやって切り抜けるか。他の加盟国が試練に乗り出すのは容易ではない。同じ通貨圏で相互に影響しあうといっても何故自分たちの税金で他国の尻拭いをするのかという反発は強い。すでにドイツでは政府がそんな動きに出ないよう牽制する空気が強まっている。 とはいえ国際通貨基金にゆだねるのは屈辱的。ギリシャがユーロ圏から出る選択肢は理論的には考えられても、仲間を見捨てるような具合になっても欧州の連帯感も損なわれる。政治的打撃も大きい。
 11日の欧州連合首脳会議での救済合意にもそんな憂鬱がにじむ。ギリシャの財政再建に積極的に支援すると氏ながらも具体的な資金援助には触れていない。
 ユーロは政府なき通貨といわれる。欧州中央銀行はあるが経済政策を取り仕切る中央政府はないという意味だ。共通の経済政策がないわけではない。財政については赤字を国民総生産の3%以下に抑えるという規律はあるものの主権は一義的には各国にある。一つの国のようには機能しない。それが問題が起こったときの解決の難しさにつながる。経済が一体化しているのに、政治が追いついていないのだ。その弱点を補うために欧州経済政府を設立する構想なども浮上している。欧州統合はいわば地球世界の小型版だ。国境を越えた経済に振り回される政治という構図は欧州連合以外にもにも共通している。どうすれば加盟国の溝を埋められるか。ギリシャをめぐる欧州連合の七転八倒は他人事ではない。
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 朝日は十六カ国一通貨の欧州連合の難しさを論じているが。一国一通貨の日本はその判り易さを生かしているであろうか。
 日本はここ十五年以上デフレが続いている。これはこの十五年の間、放漫財政と逆のことが実施されたことを意味する。最近はデフレが常態化し物価下落が顕著に見えるようになっている。本来、放漫財政があって緊縮財政で修正するのが普通であるが、放漫財政でないのに緊縮財政を行い、それが税収を減らし、デフレを助長する。デフレの時には財政出動をしなければならないのに、デフレのときに歳出削減を続けてきたことが日本の経済政策の誤りである。
 民主党は事業仕分けで多くの事業を中止、予算削減に追い込んだが、世間はデフレ地獄で苦しんでいるのに、予算を削るのは逆効果である。歳出削減は公的債務があるからと説明されているが公的債務を減らすことよりデフレ阻止の方を優先しなければならない。デフレを阻止するためには通貨増発が必要である。増発した通貨は景気刺激と借金返済に使えるのでデフレも公的債務も解消できる。これは通貨発行益を利用することを意味する。日本経済は通貨を増発して財政出動をすべきであったのを歳出削減を続けて税収を減らし、公的債務を増大させ、デフレをひどくするという過ちを犯してしまった。日本の税収は10年前の65兆円から3年前の45兆円、昨年の36兆円と確実に減少している。公的債務を減らそうとして返って税収を減らし、財政危機を増大させているのである。一国一通貨で通貨発行益を利用するのに何の障害もないのにもかかわらず、通貨発行益を利用できない。政府、日銀、財務省がそろって無能で経済をまともに見ることができない。政府、日銀、財務省は日本経済をどう救ったらいいかわからず仕方なしに前年通りを繰り返し悪化させてしまった。ユーロは加盟国の利害の調整が難しい。日本は政府、日銀、財務省が無能な為、活用すべき通貨発行益を利用することを思いつかず不況に沈んでいる。円はまるで政府なき通貨或いは司令塔なき通貨と同じである。

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